本文
令和8年8月24日(月曜日)14時00分~16時05分
群馬県立文書館3階研修室
委員 12名(新井小枝子委員、岡屋紀子委員、佐藤孝之委員、須田聡子委員、関戸明子委員、
野口華世委員、樋口孝行委員、山口通喜委員、青木裕美委員、佐藤和彦委員、三上浩一委員、
小林旭委員)
委任状提出 1名(瀧沢典枝委員)
事務局 7名(小池俊英文書館長ほか6名)
傍聴人 なし
取材者 1名
会長は佐藤孝之委員、副会長は岡屋紀子委員とすることが了承された。
(会長)
前回に続き、会長を務める。皆様の御協力をよろしくお願いしたい。
今回から文書管理有識者が委員に加わるので、より充実した会議になると考えている。
会議では、文書館の課題であるコロナ禍で減少した利用者回復をはじめ、史料の虫害対策、古文書の散逸防止対策、認証アーキビストの養成、市町村や学校との連携などについて意見を伺いたい。
価格評価委員は、佐藤会長と野口委員の2名が指名され、了承された。
(事務局)
資料により報告
ア 群馬県内でのニュウハクシミの確認及び文書館における虫害対策【当日配布資料1】
イ 令和7年度事業実績【資料1】
ウ 令和8年度事業【資料2】
<確認>
ア 古文書の寄贈と寄託について
(会長)
古文書に関して寄託から寄贈への切り替えが多いようだが、その理由は。
(事務局)
近年、寄託者への所在確認調査を行った。その際に切り替えの依頼を受けた。
(会長)
古文書の受入れは増えているか。また、コロナ禍前と比較してどうか。
(事務局)
直近の3ヶ年では、年当たり2,500点程度である。
なお、平成20年から30年の間は年当たり1万点程度であった。
(会長)
過疎地域では古文書の散逸が発生している。積極的な働きかけが必要と考えるがどうか。
(事務局)
群馬県史資料の所蔵者あてに追跡調査を実施しており、その際に寄贈・寄託の意向を確認している。
(事務局)
資料により説明
ア 運営計画の評価(令和7年度評価実績)【資料3、当日配布資料2】
イ 次期運営計画の策定方針【資料4、当日配布資料2】
<質疑応答・意見交換>
ア 「集まれ! 未来の歴史学者」について
(委員)
「集まれ! 未来の歴史学者」について、周知の方法と時期、参加者数を教えてほしい。
(事務局)
周知は高等学校校長会、群馬県高等学校教育研究会歴史部会への説明、公立大学や県立の社会教育施設へのチラシ配付などである。募集期間は6月16日から7月24日までの間、定員は10名程度のところ、申込者は20名で修了者は15名である。
(委員)
高校生と大学生の内訳はどうか。
(事務局)
申込者20名のうち15名が高校生であった。
(委員)
参加した高校生や大学生の動機は、純粋な歴史への興味なのか、それとも大学入試準備や探究学習の一環なのか。
(事務局)
申込者の興味のある分野は、戦国時代、幕末、郷土史などであった。内容は当館の古文書を教材として歴史研究の導入を行うものである。
(委員)
志望大学の選択や将来の研究に結びつく有意義な講座だと思う。
イ 学芸員実習とアーキビスト養成の可能性について
(委員)
学芸員実習を受入れているか。受入れていれば、実績を教えてほしい。
(事務局)
受入実績は無い。当館には学芸員が配置されていないため、実習先にならないと思う。
また、都内の大学の歴史学ゼミ生を古文書ボランティアとして受入れ予定がある。大学院生もいるので、まさしく歴史学者の養成を支援できるものと考えている。
(委員)
私どもの館には学芸員が配置されているため、学芸員実習を行っている。質問だが、専門職としての認証アーキビストの配置を検討しているか。
(事務局)
専門職として認証アーキビストの配置は難しい。専門職であれば、学芸員を配置して、その者に認証アーキビスト資格を取得してもらう方法が現実的と考えている。
なお、当館では指導主事2名が認証アーキビストの資格取得に取組んでいる。
(委員)
行政職の職員への認証アーキビスト資格取得の働きかけは可能か。本庁へ異動した際に知見を活用することができる。
(事務局)
認証アーキビストには修士レベルの研究能力が求められる。適性のある職員がいれば、資格取得を働きかけたい。
(委員)
私どもの館では学芸員が、自主的に認証アーキビスト資格を取得している。調査研究経験のない行政職員には、申請に必要な論文作成は大変だと思う。
また、当自治体は人事異動の間隔が群馬県よりも短いと感じている。
(会長)
認証アーキビストの普及には専門職の設置が課題であるので、群馬県での対応を考えてほしい。この課題について、文書管理有識者にもお伺いしたい。
(委員)
(公文書館が設置されていない自治体としての見解であるが、)人事異動を考慮すると文書館業務に長く携わる職員が必要だと考える。
(事務局)
公文書館の設置されていない自治体では、専門職の設置は困難と思われる。
ウ 関係機関との連携等について
(委員)
私どもの館は、学芸員、職員ともに少ないが、入館者数の増加は課題になっているので、文書館の課題設定やアイデアに共通点があると感じている。
文書館で収蔵している「壬申地券地引絵図」は魅力のある資料であり、来館者から年数回ほど「文書館で地引絵図を見た。」と聞くことがあるし、近くの商店街には地引絵図の写しを掲示している店もある。当館でも収蔵の「古地図」を町内の公民館で展示したところ、小学生からお年寄りまで訪れ、地域の歴史を語る場になった。文書館とは資料や展示など様々な連携ができればと考えている。
エ 普及啓発等について
(委員)
「集まれ!未来の歴史学者」では、館長から歴史部会長(私)あてに依頼されたことなどから、校内に周知した結果、生徒2名が申し込んだ。歴史に興味のある児童生徒はいるはずなので、利用に結びつけるには、文書館利用のハードルを下げることが大事だと思う。高校生であれば、皆スマホを持っているので、AIを利用した古文書読解アプリ等を活用して古文書や石碑の調査を行い、分からない点をレファレンスにつなげる方法も考えられる。
(事務局)
「集まれ!未来の歴史学者」の修了式では、継続して歴史研究を行いたい者にレファレンスを案内した。
またAIアプリの活用については、タブレット端末等が必要になるが、整備できれば、レファレンスでの効果的な活用方法を調査したいと考えている。
(委員)
大学生が古文書ボランティアに来るというが、どのような経緯か。
(事務局)
当該大学院生が当館の閲覧利用者であることと、同大学教員と当館職員との間に共通の知人がいることが発端である。
(委員)
大学側には古文書解読の勉強になり、文書館側には整理作業に役立つと思う。東京や県内の大学生が古文書に触れる機会が少ないので良い取組だと感じた。
(委員)
利用者の定着を図るなら、古文書読解講座の受講者を名簿化して、古文書ボランティア登録を働きかけてはどうか。古文書の散逸対策が喫緊の課題なのであれば、まずは資料を把握する仕組みが必要である。報道機関の立場として、働きかけなどで協力できる点があると思う。
(事務局)
古文書読解講座の受講者の多くは、閲覧利用には結びついていないと考えている。家系等のルーツ調査を目的に来館した利用者には、苗字や地名の参考図書や地引絵図、古地図を紹介している。このような一般向けの活用方法を案内して、利用拡大につなげたい。
また、Eメールを利用できる受講者も多いことから、メーリングリストを整備して広報に活用したいと考えている。
古文書の散逸防止策としては、当館が事務局を務める「群馬県市町村公文書等保存活用連絡協議会」において、古文書取扱い研修会を開催し、その中で保存の必要性を伝えている。
さらに、古文書の現地調査を実施する際は、市町村にも同席を依頼するなど、当館だけでなく、市町村との連携を意識した取組を進めている。
(委員)
年代別の利用者分析では、60歳~70歳代がコア層ということだが、年齢区分を20代区切りで行うよりも、20歳代、30歳代と10代区切りで分析した方が、説得力が増すと思う。特に20歳代の利用者は多いと考える。
(事務局)
データは10代区切りで管理しているが、説明しやすさから20代区切りとした。
なお、20歳代の利用割合は、お見込みのとおり30~50歳代よりも高い。理由は卒業論文や授業の課題作成のために大学生が多く利用しているためと考えられる。
(会長)
展示や講座は計画どおり、あるいは、それ以上に成果が出ている一方で、閲覧利用は伸び悩んでいるように見える。展示や講座で集まった人を閲覧につなげる努力は必要だが、利用目的が違うので、こだわらなくてもよいと考える。
また、講座や展示が増えていて、担当側の負担が大きくなっていないか心配している。
(委員)
昨年度から運営協議会に参加しており、利用実績回復のための取組を注目している。夏休み講座では定員以上の高校生・大学生が申し込んだように、興味を持つ若者が必ずいるので、来年度以降も継続してほしい。
小・中学生にとっては、文書館の存在を知ることが、利用の入口になるので、学校で話題になるような講座を継続してほしい。
(事務局)
若者向け講座については、内容を磨き上げて、来年度以降も継続したいと考えている。
業務量増加については、現行の利用実績回復計画の策定時から留意している。まず、コロナ禍で休止した事業をコロナ禍前の水準に戻すことを基本としており、ぐんま史料講座は2回開催とした。展示については、企画や設営など負担の大きいテーマ展示を1回減らし、その代わりに負担の少ない逸品展示に切り替えるなど負担を抑えている。
なお、高校生・大学生向け講座は新規事業のため一定の負担はあったと思う。
(委員)
小学生は、その保護者も若いので、ビジュアルが大切だと思う。古い写真や展示物、御朱印など、見た目で訴える工夫を一層行うと良い。また、市教育委員会と連携して保護者連絡システムである「すぐーる」を広報に活用してほしい。
(事務局)
チラシは、当館職員が作成しており、デザイン面での工夫は取り入れたい。
なお、小中学生向けワークショップは、前橋市教育委員会の後援を得て、「すぐーる」を利用している。その効果は大きく、周知の翌日には定員に達するほどである。
(会長)
それでは、これで閉会とする。スムーズな進行にお礼申し上げる。(佐藤会長)
(以上)
【資料1】「群馬県立文書館年報」令和7年度版 (PDF:2.22MB)
【資料2】令和8年度文書館事業 (PDF:603KB)
【資料3】「利用実績回復 3ヶ年計画」事業計画 (PDF:1.68MB)
【資料4】利用促進STEP UP計画(仮称)の策定方針 (PDF:551KB)
当日配付資料1 県庁舎文書庫関係 (PDF:1.53MB)
当日配付資料2 運営計画関係 (PDF:15KB)
群馬県立文書館運営協議会要綱 (PDF:87KB)
群馬県立文書館運営協議会委員名簿 (PDF:122KB)