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決算特別委員会議事録(その2)(平成26年10月29日)

1.開催日時

平成26年10月29日(水曜日)10時01分開始 16時28分終了

2.開催場所

本会議場

3.出席議員

委員長:腰塚誠、副委員長:織田沢俊幸
委員:中村紀雄、委員:関根圀男、委員、中沢丈一、委員:塚越紀一、委員:南波和憲、委員:黒沢孝行、委員:松本耕司、委員:久保田順一郎、委員:岩井均、委員:大沢幸一、委員:塚原仁、委員:新井雅博、委員:橋爪洋介、委員:岩上憲司、委員:舘野英一、委員:萩原渉、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:須藤和臣、委員:あべともよ、委員:水野俊雄、委員:後藤克己、委員:岸善一郎、委員:大手治之、委員:臂泰雄、委員:吉山勇、委員:井下泰伸、委員:桂川桂子、委員:酒井宏明、委員:高田勝浩、委員:金井康夫、委員:原和隆、委員:金子渡、委員:安孫子哲、委員:清水真人、委員:藥丸潔、委員:小川晶、委員:高橋正

4.欠席委員

委員:田所三千男

5.議事(その2)

総括質疑

橋爪委員

 今、部長の方からご説明ありましたように、大変高い評価をいただいていると。これは県のホームページにも、24年7月から子ども医療費無料化アンケート集計結果というのが出ておりまして、私も拝見させていただきました。9割の人が高い評価をしている。そして、例えば保護者の意見としては、自分のことだとつい我慢してしまうけれども、子どもにはきちんとした医療を受けさせたいのでとても助かるであるとか、多くの自治体ではいったん自分で支払いを済ませ申請するとお金が戻ると聞くので本制度は非常に有り難いであるとか、この制度の細かなところについても、敏感に反応されているということで、9割の方が評価をしていると考えて、まあ妥当であろうと。先ほどの高崎市内のということでありましたので、医療機関が遠いようなところの方も入っているのかどうかというのはちょっと分からないですけども、おおむね傾向としては同じであろうというふうには思いますので、自信を持ってこの施策を全国に知らしめて展開していっていただきたいというふうに思います。
 続いて2番目の歯科保健対策について、25年4月に条例が出来たわけでありますけども、この条例の実効性をどのように確保していくのかということについてお聞かせください。

片野健康福祉部長

 この条例を受けまして、県では昨年、26年3月に「群馬県歯科口腔保健推進計画」を策定をいたしました。この計画につきましては、基本的な施策等を3つの柱で括ってございますけれども、現在この条例の推進という観点から、この計画の柱に沿いまして取り組みを行っております。いくつか紹介させていただきますと、4・5歳児のむし歯のデータを把握いたしまして、むし歯ゼロを目指すための「幼稚園あるいは保育所におけるむし歯ゼロ推進事業」でございますとか、障害児(者)に対応できる歯科医療機関を拡充するための「一次医療機関の研修事業」、さらには地域で住民主体の取り組みを推進するための「歯科口腔保健サポーター養成事業」、こういったものに新たに取り組んでございます。また、この計画の進捗状況の評価等を行います「群馬県歯科口腔保健推進委員会」も立ち上げたところでございます。
 今後も条例の理念をしっかりと踏まえまして、この推進計画に基づき、「歯と口の健康づくり」を総合的に進めることによりまして、県民の生涯にわたる健康で質の高い生活の確保を目指して参りたいと考えております。

橋爪委員

 ありがとうございます。胎生期から高齢者までの切れ目のない、歯とお口の健康管理というものについてどんどん向上させていっていただきたいと思います。お口の機能というものがQOLの向上、こういったものと連動しておりますので、しっかりとその計画等々も実行していっていただきたいと要望させていただきます。部長、ありがとうございました。
 次に、産業経済部長、お願いします。
 本県の産業・観光政策について、企業立地についてであります。まず、25年度の企業立地はどのような実績で、その評価はいかがでしょうか。また、それを踏まえ今後の企業誘致にどのように取り組んでいくのかお聞かせください。

高橋産業経済部長

 企業立地の動向調査は暦年で行ってますが、昨年25年の本県内における1千平方メートル以上の工場用地の取得件数は128件で全国2位、立地面積は188.5ヘクタールで全国14位でありました。このうち、太陽光発電を除く製造業は47件、全国4位。立地面積は41.6ヘクタールで9位でありました。これらの全体で128件が計画どおり立地した際の雇用創出効果は1,259名が見込まれております。全国上位になった要因といたしましては、充実した高速交通網をはじめ、自然災害が少ないことや豊富で良質な水資源など、本県の魅力が総合的に評価された結果と考えております。ただ課題といたしましては、好調な立地を背景に受け皿となる産業用地が減少している、あるいは県外企業の立地が全体の4分の1にとどまっているということが挙げられます。このため、現在、企業局において「伊勢崎宮郷工業団地」あるいは「多田山南産業団地」の造成を進めているほか、平成24年度に選定した7市町村、10か所の新規産業団地候補地について、市町村実施も含めて早期事業化を推進しているところであります。特に、県外企業の誘致については、「7つの交通軸」の整備あるいは圏央道の東名高速接続によるアクセス向上を足がかりといたしまして、首都圏あるいは中部圏等の企業を対象に、あるいはバックアップを検討する臨海部の企業などを対象に知事のトップセールスをはじめとする重点かつ戦略的な誘致活動を行っておりますし、これを強力に進めて参りたいと思ってます。何れにいたしましても、市町村としっかり連携のうえ引き続き全力で企業誘致に取り組んで参りたいというふうに考えてます。

橋爪委員

 長年にわたって本県は企業誘致というか、工業立地面積、件数と、これは継続して比較的上位なんですよね。ですから、造れば、出せば売れるというような形の中で、ただそういった中で部長も課題と仰ってましたけども、産業用の用地の確保、これが非常に年を重ねるごとに大変になってきている。現在は、宮郷、多田山を計画には乗せていただいてるのかというふうに思いますけども、その辺で、私も発電プラント用地を探されていた企業さんからずっとご相談を受けていたんですけども、結局、一年近く話をしていながら最終的には隣の栃木県に決まってしまったと。鹿沼だったと思いますけども、そこで5ヘクタールの産業団地を契約してというような形で伺っておりますので、とにかく、買い手が居る時にすぐ話を出来るようにしておかなければいけないというのが鉄則かというふうに思いますので、その辺は非常にもったいない話でありますから、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
 続いて大阪事務所、名古屋事務所について。企業誘致については、そこでもう活動されていると思いますけど、その実績はどうか。また、両県外事務所は観光業の地域機関として中部関西地域で観光誘客に力を入れていると思いますが、観光面での実績についても併せてお伺いいたします。

高橋産業経済部長

 大阪事務所、名古屋事務所は、中京・西日本において、委員お話のとおり、観光誘客あるいは企業誘致、関係団体との連絡調整等ということで、いずれも県政の重点施策を担っている前線基地でありまして、それぞれ職員2名、嘱託2名の4名体制で取り組んでおります。
 まず、企業誘致の取組であります。両事務所とも、それぞれ担当職員1名を配置いたしまして、各地域において誘致活動を行っております。平成25年度の訪問実績は、大阪が67件、名古屋が223件という形になっておりまして、両事務所が県内立地に関与した事例といたしましては、過去5年間で大阪が9件、名古屋が16件となっております。特に昨年度は、名古屋事務所の活動によりまして、愛知県企業の太田市への進出が決まったところであります。
 次に、観光誘客の取組であります。大阪事務所での平成25年度の実績は、あべのハルカスや京都駅等における観光展・物産展の開催が28回、大手旅行会社へのキャラバン営業など旅行会社を訪問が75件、観光案内所件数が来所・電話合わせて2,341件でありました。また、名古屋事務所では、ナゴヤドームや名古屋駅等における観光展・物産展が29回、旅行会社の訪問が209件、観光案内が来所・電話合わせて10,065件でありました。この他にも、両事務所ともマスコミへのパブリシティ活動等も行っておりまして、新聞・雑誌への掲載、ラジオ出演などの実績があったということです。

橋爪委員

 大阪事務所、名古屋事務所については、現地の方も実は同僚議員と夏に視察をさせていただきまして、大変効率よく、あまり経費を掛けずに最大限の効果を発揮しているなという印象を受けました。決算的に考えると、もう少し事業予算の運営費を逆に増やしてもいいような印象も受けました。これは先ほどお話しをしました東京事務所につきましても、例えば事務所の交際費なども各省庁の皆さんなんかと意見交換をする上で必要なものなのかなという意味では、今の副議長も監査委員の時にご指摘をされていると思いますし、私も昨年、監査委員の時に指摘をさせていただきました。その辺を議事録に残しておいてください。部長、ありがとうございました。
 6番目のいわゆる15ヶ月予算については、要望だけにさせていただきます。大変大きな予算が来たわけでして、年度末を絡めて大変な対応に追われたというのが県土整備部であったり、あとは民間の建設事業者であったりしたわけであります。暫定的な管理技術者等々との配置基準についての緩和などもありましたけども、ぜひ今回のこの決算の検証を前向きに活かしていただいて、県の発展のためにご活躍いただければと要望させていただきます。私からは以上です。

腰塚委員長

 以上で、橋爪委員の質問は終了いたしました。
 次に、井田泉委員、質問者席へ。

井田委員

 それでは、時間どおりに橋爪委員が終わらせてくれましたので、早速質問に入ります。はじめに、県立女子大の植栽管理状況について質問させていただきます。総務部長、お願いいたします。
 この質問は、本当は知事にお伺いしようかなと思ったんですが、知事には自民党の要望の時にも聞いていただいておりますので、あえて今日は総務部長に質問をさせていただきます。
 この植栽管理および除草については、県予算として約150万円が毎年付いているというようでございまして、足らない分は、職員あるいはボランティアの団体が中心となって、特に夏場の繁茂期には除草を中心に毎週行っているという状況だと聞いております。このボランティア団体ですが、地元の有志の方々が5、6名集まって、週に一回、「四季の庭」と呼ばれる日本庭園を模した中庭を中心に除草しているといった状況だそうです。この5年間は、国の緊急雇用対策事業によって毎年約200万から500万円の範囲で補助金をいただいて、2、3人の方を雇用して、ある程度その方々が専属でこの植栽管理を行っていたようでありますが、残念ながらこの事業が廃止となったために、また以前の予算に戻ってしまったと、県単独の予算に戻ってしまったという結果になっているんだと思われます。
 こうなることはある程度予測できたわけでございますので、平成26年度の当初予算においてはそれなりの増額を、私も地元要望ということで要望いたしましたが、残念ながら却下されてしまったという経緯があります。実際に夏場の繁茂期どのような状況になっているか、自分自身も女子大に行って、管理部長とともに視察をしてきたんですが、とにかく非常に厳しい状況で、本当はパネルを使ってやろうと思ったんですけど、今日は決算の委員会だったのでそれはあえてやらせていただかないで、こういう状況で写真も撮ってきたんですが、とにかく非常に草ぼうぼうで、ジャングルとまでは言いませんけども、その一歩手前と言っても過言ではないような、そういう状況になってしまっているんです。そういうことなので、本当に9月の補正予算の重点要望ということで、須藤総務常任委員長にお願いして、自民党の要望としてこれを知事にもお願いをしたんですが、知事には多少ご理解していただいたとは思うんですが、予算が付くまでには至らなかったという結果になってしまったわけでございます。その代わりと言っては何ですが、知事が高圧洗浄機を買って、円形広場というのがあるんですが、そこを綺麗にするのはそういう物があれば大丈夫だと一言言ったら、女子大側が慌ててそれを買って早速やってみたと、そんなふうな話もあるんです。
 しかしながら肝心なのは中庭であるとかグラウンドの除草でありまして、これはもう専門業者に任せなければどうにもならないという状況になっているんだと思うんです。ここで部長にお伺いをいたしますけども、現在の女子大における校庭あるいは学校周辺の植栽管理状況、今現在の状況についてどうなっているのか、まずお聞かせください。

反町総務部長

 県立女子大学は、敷地面積が約6万3,000平方メートルであります。この周囲を生け垣が囲っている部分がありまして、ここが約1,100メートルあります。植栽等の管理が必要な場所としてはその他にグラウンド約1万2,000平方メートル、それから「四季の庭」、議員ご指摘の所ですが、が約4,500平方メートルというふうなことになっております。
 この植栽等の維持管理につきましては、生垣などの剪定や除草作業など、時期を選んで造園業者への業務委託あるいは職員の手により、また今お話でありましたようにボランティアの方の協力を得ながらも今まで実施してきたところでありまして、平成21年度から25年度につきましては、緊急雇用創出基金の予算が活用できたことから、この作業員の数を増やして、植栽や雑草などの繁茂期における剪定や草刈りを行ってきたところであります。今までの経過は以上のような経過でございました。

井田委員

 私が言ったこととほとんど同じような感じですね。
 それでは次の質問に移りますが、具体的なお話になりますけれども、要するに女子大の中にある「四季の庭」、先ほど部長も仰っておりましたが、これは日本庭園を模した、最初に女子大を造ったときに設計者の方がこういう高尚な庭を造って女子大の格を上げよう、そういう意図もあったのかもしれません。四季でということですので、春夏秋冬、それぞれの季節を感じられるような植栽を植えて造ってあるということなんです。例えば「夏の庭」というのを見てきたんですけれども、ここには水路がありまして、水が流れているんだか溜まっているんだかよく分からないんですが、よく見ると油が浮いてるような状況で、もしかするとそこから蚊が出てくるのかなと、そういう心配もしてしまうような状況なものですから、これがやはり衛生的でないと、やはり女子大として、ちょっとマイナスになってしまうかなと心配をしておるんです。夏休みだから、学生が居ないから除草しなくてもいいだとか、そういうことでは、やはり管理上うまくないと思っております。
 そもそも大学の設置の趣旨はといいますと、「広く知識を授け、深く専門の学芸を教授研究するとともに、家庭生活の向上及び地域社会における文化の進展に積極的に寄与し、さらに国際社会に対応し得る幅広い教養と豊かな情操を備えた女性を育成することを目的とする」と、しっかりと書いてあるわけでございまして、今、学生も非常にレベルが上がっておりまして、様々なところで全国的に活躍をしている。例えばガールスカウト代表の県立女子大の2年生の安達さんという方は、安倍首相と意見交換も行っているような状況。あと女子大のフラダンスチームは全国のカレッジフラ大会で2年連続優勝です。この女子大生たちは我々の地域の公民館の敬老会にも来てくれて踊ってくれるんです。「いくらかお礼するんですか。」と言ったら、そういうのは一切しないということで、お弁当を出すくらい。それでも快く引き受けてくれているという状況で、とにかく学生も頑張っているわけです。国際コミュニケーション学部も偏差値が非常に高くて、上智大学であるとか、一連の英語教育をする大学とも引けをとらないような、そういう状況までレベルアップをしているということなんです。
 そういうこれからの女性をしっかりと教育する施設が草ぼうぼうというのでは、ちょっと県としてどうかなと思いますので、ぜひともそのあたりを検討していただきたいと思います。部長が「四季の庭」、この4つの庭に対してどういうご見解でいるのか、次にお聞かせください。

反町総務部長

 この「四季の庭」は学校の中でいいますと、教室あるいは教員との間にありまして、中庭的な位置を占めているところというふうに考えております。今、お話にありましたように、夏の所には紫陽花があったり、あるいは春の所には桜の木、それから秋の所には萩、ススキ、それから冬には松とか、それぞれ特徴的な樹木が植えられておりまして、ここが綺麗に整備されていると学生あるいは教員の方は非常に快適に過ごせる所というふうに考えております。
 女子大全体といたしますと、この「四季の庭」に限らず、その他にも正面の所の植栽ですとか、またご指摘にあるようにグラウンドですとか、いろいろなところを適正に管理していかなくてはいけないというふうに考えてます。そういうことによって全体の女子大の魅力といいますか、そういったものを上げていく努力が必要ではないかというふうに考えております。

井田委員

 そういうふうに考えていただけるのであれば、150万では足らないというのは十分認識されているのではないかと思うんです。
 3つ目の質問になりますけども、これは決算の総務の特別委員会の質疑の中でも、南波委員そして高田両委員から、女子大の予算の不要額、これを流用できないかと、そういうふうな指摘があったやにも聞いておるわけでございますが、それはできない、検討するとか、そういうふうなことなんだと思うんですけれども、来年度に向けてこれを使うことも検討するであるとか、その予算措置について、どういうお考えなのかお聞かせください。

反町総務部長

 まずは、大学全体の維持管理をしっかりすると同時に、具体的にどういうふうな形で、樹木も含めて維持管理計画を作っていくかというところが大事なところではないかというふうに思っております。この辺のところは委員会でも高田議員からもご指摘をされたところでありますけれども、まずは女子大事務局自身が、どのように具体的な計画を作って、そのためにはどの位必要なんだという部分をまずはしっかりと考えて、その上で取り組んでいけたらというふうに考えております。

井田委員

 女子大の方で検討すれば、それによって予算を付けることも可能であるような、そんなお言葉であったわけでございますが、しっかり我々もまた大学に行ってその辺りを要望してこようと思っております。
 隣の水質浄化センターへ行ったことありますか。あそこの庭はすごい綺麗なんです。なんで隣り合ってて、生け垣というか防風林て言うんでしょうか、あんなに違うのかなと、非常に私も疑問に思うんです。やはり県というのはこの予算の使い方であるとか、非常に硬直化しておりまして、県土整備部の予算を総務部の方に流用するとか、そういうふうなことが非常にやりづらいというふうなことは十分承知をしておるんではございますが、やはり少し融通を利かせて、ちょっと悪いけど処理場の所長に、ちょっとこっちも一緒に頼むよと、そういうことも考えて、内緒で考えてやってもいいんじゃないかと思うんです。我々もこうして3回も4回もこういう場で、初めてこういう本会議というような所で質問をさせていただきましたが、もうこれで最後にしたいと思っていますので、どうかよろしくご検討をお願いしたいと思います。
 それでは次の質問でございます。環境森林部長、お願いいたします。後に大物が控えているんで、僕はこの14分の間に終わりにしようと思っております。
 この財政課が作った、先ほど橋爪委員からもありましたけれど、この「25年度の群馬の決算」、この一番最後のページに東日本震災関連の経費ということで項目があるわけでございます。これによると震災関連で79億1,774万円が使われたということです。その中で放射線対策として、9,780万円が使われたと書いてあるわけでございますが、この東日本大震災の津波が原因で原発事故が起きてから早くも3年半が過ぎようとしておるわけでございまして、この県内の除染の状況であるとか、農産物の放射線の影響という問題については、いくらか当時に比べれば下火になりつつあるかもしれません。
 しかしながら子どもを持つ親御さん達にしてみれば、やはりその状況が今どうなっているのかということは非常に心配をしているのではないかと思うんです。群馬県がここまで安全な状況になっているんだということを県民の皆さんにお知らせすれば、ある程度安心してくださるんではないかと思うわけです。県もこうしてお金を使ったんだということだと思うんです。今現在の群馬県内の除染の状況について、教えていただきたいと思います。

青木環境森林部長

 県内の除染の状況でありますが、ご指摘のとおり3年半前でありますけれども、福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染で、平均的な空間放射線量率が時間当たり0.23マイクロシーベルト以上のところが県内で9市町村ございました。この市町村につきましては「汚染状況重点調査地域」として国から指定を受けまして、平成24年から計画的に除染をしてきております。その進捗の状況でありますけれども、9市町村のうち桐生市それから渋川市など7つの市町村で、25年度末までに、除染作業がすべて終了いたしました。残る2つにつきましても今年度中に完了する予定になっております。
 除染によりまして、空間放射線量率は格段に下がってきております。除染を行ったところでは全て、0.23マイクロシーベルト未満ということで、問題がないレベルになってきておりまして、「汚染状況重点調査地域」の指定解除ということがあるわけですが、除染が終わったところにつきましては、その指定解除に向けて今後、国と協議をしていく、こういう段取りになっております。

井田委員

 ほぼ問題ない程度まで線量が低下しているというふうなお答えでございました。
 それで、除染で除去された、当然土砂等が出ると思うんですが、その土壌の管理状況を教えていただきたいんですね。これは市町村が管理をしているのかもしれませんけども、県としてどのようにこれに関わっているのか。その辺り、そしてその安全性をどうやって担保しているのか、お聞かせください。

青木環境森林部長

 除染をしますと土壌等が発生するわけでありますけれども、この保管につきましては、国が定めた基準がございまして、ご質問のとおり、市町村がこの基準に適合した保管場所を確保して行っております。現在では県内で、体積にして約1,500立方メートル、除染によって土壌等が発生をしておりまして、これが6カ所の保管場所で保管をされている状況にあります。
 これにつきましては市町村が定期的に回ってその周辺の空間放射線量率ですとか、その漏れがないかとか、こういったことをきちんと管理をしながら適正に行っているところであります。これに対しまして県としても、現地に直接行かせていただきまして、その管理状況を確認をして、必要な助言等を行ってきております。今後ともこの保管ということがきちんとされていくように、この安全の確保については万全を期して参る所存であります。

井田委員

 はい、ありがとうございます。いずれ国の、これをどのように処分しろとかいう指針みたいなものも示されるのかとも思いますが、それまでは市町村あるいは県で管理をするということでございますので、どうかこの問題が起きないように、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 3つ目は、食品安全局長、お願いいたします。
 この放射線の問題は、除染あるいは土壌の管理であるとか、被災地から受け入れた瓦礫の処理であるとか、様々な問題を生じさせたわけであります。その中において、やはり食品等に含まれるこの放射性物質対策というのが1つの大きな重要な問題であると考えております。その中で、放射性物質の対策として6,789万円が使われたということになっておるんですが、この使途の具体的な内容と安全性がどのように確保されているのか、その辺りについて最後にお聞かせください。

塚越食品安全局長

 福島第一原発の事故に伴います放射性物質は、県内の農林水産物などに対しましても様々な影響を及ぼしているところでございます。そこで県では、事故発生以来、食品の安全性を確保するため、放射性物質検査につきまして検査計画を立てて、計画的に実施をしてきたところでございます。
 平成25年度におきましては、出荷前の農林水産物や野生鳥獣について、1万6,161件の検査を行いました。そのうち108件が基準値超過となりましたが、これらは全て出荷制限や出荷自粛がかかっている農林水産物や野生鳥獣でございました。こういった、基準値を超過した物につきましては回収や廃棄など、適切な処置を徹底いたしまして、市場に流通することのないよう対応を行っているところでございます。さらに、市場に流通している食品につきましても検査を行っておりまして、こういったことによりまして県内における流通食品の放射性物質に対する安全性はしっかりと確保されているものと考えております。今後も県民の皆さんの食品の安全性に対する信頼の更なる向上と、出荷制限などの解除に向けまして、しっかりと検査を行うとともに、いくつかの国で行われております本県の農林水産物などの輸入制限の早期解除に向けまして、本県の食品の安全性についてPRしていきたいと考えております。

井田委員

 予算の使い方については、ちょっと時間がないので、もうこれで結構でございます。いずれにしても群馬県の食品が安全に食べられる。そしてまた、輸出しても全然問題ないんだと、流通してる食品に限られるわけではございますが、その辺りしっかりと今後もPRをしていっていただきたいとお願いを申し上げます。
 それでは最後の質問でございます。環境森林部長、再びお願いをいたします。
 本県の汚水処理人口普及率、これは残念ながら、全国順位は低い方に位置していると、これはもう常日頃言われておるわけでございます。しかしながら水源県群馬として、綺麗なお水を下流都県に流さなければならないという、そういった使命も群馬県にはあるんだと思うんです。それを達成するために、県民の皆さんに森林環境税の導入をお願いをして、少しでも綺麗な水を下流都県に流すということを群馬県は行っているんだと思うんです。我が町にも県内最大の汚水処理施設があるわけでございまして、しかしながら配管の整備がなかなか追いつかないために、合併浄化槽を仕方なく付けていると、そういう皆さんもいらっしゃるわけです。
 その合併浄化槽なんですが、これを家庭に設置するには法律で定期検査を受ける必要があると定められているそうでございます。検査を受けて、間違いない浄化した水を川に流すと、そういうふうな目的でこういう検査が義務づけられているのではないかと思うんです。
 この検査ですが、なかなか受検率が100%に達しないという現実があるようでございまして、やはり国が義務づけている検査ですので、それはもう100%達成しなければならないと、普通に考えれば思ってしまうんでございますが、現在の本県の受検率の状況についてお聞かせください。

青木環境森林部長

 お尋ねの検査は、浄化槽法第11条、こういった法律に基づく定期検査でありますけれども、これは浄化槽が適正に維持管理されて本来の機能が十分に発揮されているかどうか。これを確認するために、設置をした人が、いわゆる使っている人が、公的検査機関に申し込んで、年に1回行うというものでございます。本県の受検率でありますけれども、25年度の実績で約67%となっております。これは全国と比べますと、全国は24年度の実績でありますけれども、全国平均で33%でありまして、本県は、これは上回っている状況になっております。

井田委員

 資料で全国の都道府県がどういう状況になっているというのは、私もいただいておるわけでございまして、これを見ると確かに群馬県は67%と非常に高い位置におるわけです。しかしながら、中には80%を超えているであるとか、そういう県もあるわけです。お隣の埼玉県をみると、1割にも満たないような、そういう状況だそうですので、ある意味において群馬県は頑張っているんじゃないかと、そういう評価もできるかもしれません。
 しかしながら、やはり受けている人と受けてない人がいらっしゃって、当然これはお金が掛かるものですから、受けなくても大丈夫だと勘違いされても困ると思うんです。やはり公平に皆さんが受けていただいて、不公平感をなくすということが私は大事ではないかと思うんです。ですから今後この受検率を難しいとしても100%になるべく持っていく、こういう施策をとる必要があろうかと思いますので、今後どのようにこの受検率向上に向けて対策をとっていくお考えなのか、お聞かせください。

青木環境森林部長

 受検率の向上でありますが、これは昭和60年から始まった検査制度でありますけれども、全国的にも受検率が低い状況でずっときております。群馬県におきましても、これまでは数%程度という状況でございました。そこで県では平成17年度に、受検率を向上するための新たな制度を導入いたしました。いわゆる「効率化11条」といわれている制度でありますけれども、これは保守点検業者の皆様の協力もいただいて、効率的に11条検査を実施するための県内の体制を整備を行ったというものでございまして、この導入によりまして、導入前が平成16年度11%でありましたけれども、導入後の17年度は36%、18年度は55%と、伸びてきております。その後も、保守点検業者の皆さんの協力をいただきながら、制度の改善、強化を図ってきておりまして、受検率も毎年2%ぐらいずつ向上してきている状況になってきております。あわせまして、受検率の低い地区というのが群馬県内でもございまして、そういった所を県として指定をさせてもらって、関係団体の協力を得て、設置者に対して個別の働きかけも行うなど、受検率の向上に向けた普及啓発も行っております。今後とも、この新しい「効率化11条」の更なる強化と、それから普及啓発をしっかりと行って参りたいというふうに思っております。いずれにしても、質問にもありましたけれども、この浄化槽というのは設置をしただけでは駄目でして、設置した後の機能が十分発揮されないと、かえって水質の悪化に繋がるということになっておりますので、この受検率の向上ということは、水源県群馬としても極めて重要な課題であるというふうに思っております。そういった認識で今後とも県では、関係団体の協力をいただきながら、それから県民の皆さんのご理解をいただきながら、この11条検査が100%になるように努力をして参りたいというふうに思っております。

井田委員

 ぜひともよろしくお願い申し上げて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

腰塚委員長

 以上で井田委員の質問は終了いたしました。

休憩

腰塚委員長

 暫時休憩いたします。午後1時10分から再開いたします。

 (午後0時9分休憩)
 (午後1時10分再開)

再開

腰塚委員長

 休憩前に引き続き決算特別委員会を再開し、総括質疑を続行いたします。
 金井康夫委員、質問者席へ。

金井委員

 自由民主党の金井康夫でございます。野球では控えなんですが、今日は3番バッターということでございます。残りの28分、しっかりとやらせていただきたいと思います。まず最初に総務部長、よろしくお願いします。
 まず最初に、地方交付税の削減についてお聞かせいただきたいと思います。こちらにつきましては、平成25年に予算等でも色々議論がされたわけでございます。同僚の狩野議員からも一般質問があったりとか、黒沢議員からも一般質問があったわけでございます。当初、平成25年の一般会計ベースで臨時財政対策債を踏まえて、72億円ほど交付税が削減されるというようなお答えであったと思いますけれども、平成25年の決算にあたって、実際どうだったのかについてお聞かせいただきたいと思います。

反町総務部長

 給与削減に伴う地方交付税削減の影響額ということでございますが、平成25年7月の普通交付税算定の際に、総務省が示した試算方法により再計算いたしましたところ、普通交付税と臨財債をあわせて約74億円でございました。

金井委員

 当初、予算の委員会等で、また一般質問のやりとりでは、72億円に対して決算が大体74億円だったということで、大体見込みどおりであったのかなというような気がしております。この中で、今回、地方交付税を6年ぶりに削減したというような中で、一番問題なのは部長もご存じのとおり、地方交付税というのは独自の地方の財源であるわけです。特に、地方交付税法の3条を見ますと、独自の財源については使途の規制をしたりとか制限をしてはならないというようなことを言ってるわけなんですね。この後の職員給与の削減にもつながるんですけれども、国の方からある程度、使途の制限を見込んだような交付税削減をしたのかなというような感じがするんですけれども、この地方交付税法に則って、部長のご見解についてお聞かせいただきたいと思います。

反町総務部長

 地方交付税は、議員ご指摘のように自治体間の財源の不均衡を調整して、どの地域に住む国民にも標準的な行政サービスを提供できるような財源を保障する機能を持つ、地方固有の財源であるというふうに思っております。昨年度の国の措置は、人事委員会勧告を尊重するという地方公務員給与の決定原則、あるいは各自治体のそれまでの人件費削減努力を適切に評価することなく、この交付税を使って給与削減を行わせるような手法として用いられたというふうに見ております。これは使途を指定するとか制限するということではなくて、やはり需要をどのように算定するかということで、給与削減を前提にした需要の算定が行われたということだと理解しております。

金井委員

 今回、この交付税削減については、非常に懸念しております。ちょうど10年くらい前に三位一体の改革というのが出されたんですね。その際に税源移譲するというようなことで、大体3兆円の税源を地方に移譲すると。また、補助金をカットするということで、大体4兆円カットしたんですね。交付税を大体5兆円削減するというようなことで、これは地方分権を目指してやっていこうというような中で、中身を見ますと、3マイナス4マイナス5ですから、大体6兆円くらいの厳しい財政を地方自治体がやるような内容になってしまったような気がするんです。本来であれば総務省主導であった地方分権が、結果的に今回のこの三位一体を振り返りますと、財務省主導でちょっと緊縮財政になったのかなというような気がしているんです。ですから、今回一番心配なのは、交付税を削減して平成13年に限って臨時財政対策債というものを立ち上げて、今、単年度だったものが、ずっと引き続きやっているわけなんですね。地方自治体の財政状況からすると、この臨財債がなければなかなか厳しいというようなところで、今回、予算の中でちょっと突っ込んできたのかなというような気がしております。ぜひとも、今後、担当部長としても、こちらについてはしっかり目を光らせていただいて、この平成25年決算から10年経って、あの時がそのタイミングだったのかななんていうふうにならないように、今後とも、財政運営をよろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 次に、知事、よろしくお願いします。
 次に、職員給与の削減についてであります。こちらについては、知事も非常に苦渋の選択で判断されたんだと思います。先ほど部長のご答弁の中でもあったわけでございますが、本来であれば人事院勧告に沿ってやるべきものだと、私も思っております。そういうような中で、今回、交付税削減されて、それが見込まれて、大体72億円削減するというような中でやられたわけでございますけれども、特にトップといたしまして、現場のモチベーションといいますか、やる気に影響があったのかどうかについてお聞かせいただきたいと思います。

大澤知事

 昨年、国が行いました地方公務員の給与削減は、その経緯や手法におきまして、まさに地方分権に逆行する極めて問題があるものであったと思っております。主要な財源である地方交付税等が大幅に削減されることによりまして、県民サービスへの影響を考え職員給与を削減せざるを得ないという結論に至ったものであります。給料を平均で7.7%削減するという、職員にとっては大変厳しい措置であり、まさに苦渋の選択でありました。そうした中にあって、職員は県政に対する県民の期待に応えるために、それぞれの職場で日夜業務に励んでくれたものと考えております。私としても、このようなことが再び起こらないように、これまでも様々な機会を捉えて国に強く主張してきたところでありますけれど、今後も地方の立場から主張すべきものはしっかりと主張していきたいと考えております。

金井委員

 知事のご答弁ですと、県民の期待に応えるために一生懸命やったんだというようなお答えですけれども、私はある意味ですね、知事の素晴らしいリーダーシップのもとにあったのかなというような気がしております。ですから、職員給与を下げるということも議論されてもいいと思いますけども、ぜひとも職員のやる気を上げるような形で、県民サービスをますます向上させていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げまして、知事への質疑は終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 続いて、警察本部長お願いします。
 警察本部長におかれましては、こちらの特別委員会も設置されているんですけれども、初心運転者の事故者率についてお聞かせいただきたいと思います。平成25年度決算ということで、本部長には群馬県就任して間もなくで大変恐縮するような質疑でございますけれども、直近の数字で結構でございますので、この初心運転者の事故者率についてお聞かせいただきたいと思います。

富田警察本部長

 初心運転者事故者率でございますが、県内の教習所を卒業して運転免許を取得した人のうち、1年以内に交通人身事故を起こした人の割合であります。平成24年、当県は2.61%となっておりまして、平成2年以降、平成14年を除き常に全国ワースト1位という状況でございます。これは県によって車を運転する距離とか頻度が違っておりますが、それにしても全国平均は1%強でございますので、高いと言わざるを得ない状況であると認識しております。

金井委員

 今、本部長のお答えのとおりですが、ただ群馬県は地形の関係とか、またここ最近でありますと道路が非常に整備されましたので取得率は上がってきているのかなというような気がしております。その一方で、担当の交通の課を含めて、ボランティアの方々のご尽力で、ここ最近は事故者率も減っているというような話も聞いておりますので、ぜひともワースト1位返上のために、今後ともご努力いただきますことをご希望申し上げまして、本部長への質疑は終わらせていただきたいと思います。
 次に、県土整備部長、よろしくお願いします。
 県土整備部長におかれましては、群馬県の交通安全計画における安全教育についてお伺いしたいと思います。こちらの群馬県の交通安全計画、これは内閣府でも出されていると思うんですけど、今、第9次が出されているんですね。昭和40年代から、9次まで出されているということでございますけれど、特に、先ほどの県警本部とのやりとりの中で、初心運転者の事故者率が大変高いというような中で、この安全計画の中で、特に高校生に対して安全教育をどのようにされているのか、計画はどうなっているのかということと、どういう傾向になっているのかについてお聞かせいただきたいと思います。

古橋県土整備部長

 群馬県交通安全計画における高校生に対する交通安全教育の考え方でございますが、まず第1次及び第2次計画、これは昭和46年から55年までの間でございますが、各高等学校の交通安全指導者を対象とした会議や研修を開催し、交通安全指導・教育の徹底を図ることとしております。
 次に、第3次から第6次計画、昭和56年から平成12年まででございますが、ここにおきましては、生涯にわたる交通安全教育推進の観点から、学校教育活動全体を通じて自転車の安全な利用等について理解を深めさせるとともに、良き社会人としての必要な交通マナーを身に付けるよう指導するということになっております。
 次に、第7次から現在の第9次計画でございますが、これは平成13年度から27年度まででございます。幼児から成人に至るまで、段階的かつ体系的な交通安全教育を推進する中で、高校生につきましては、運転免許取得前教育としての性格を重視した交通安全教育を行うということにしております。

金井委員

 県土整備部長には、大変わかりやすくお答えをいただきました。私も、1次からずっと読まさせていただきました。非常に流れが変わってきているような感じがするんですね。当時の1次からすると、指導者に対してやるんだというようなことがですね、3次から6次になると生涯にわたる教育の中で自転車が出てきたんですね。その後、7次から9次までの中で、ここで初めて、免許取得を前提とするような計画になってきているんです。これは今の社会の移り変わりに則って、この計画も変わってきているんだと思います。特に、当該年度、平成25年に当たる第9次のところをちょっと読ませていただきますと、「運転免許取得前教育としての交通安全教育の中で、実技指導を含む実践的な交通安全教育の充実」ということで、実技を含むというようなことが計画で謳われているんですね。ですから先ほどの部長のご答弁で大体は理解したんですけれども、全体の流れからすると、免許取得を前面と、ひとつ前提として、今後、群馬県の交通安全計画については移り変わっているのかどうかについてお聞かせいただきたいと思います。

古橋県土整備部長

 高校生に対しましては、免許を取得することが多いということを前提とした教育をするということでございます。

金井委員

 部長、ありがとうございました。
 続きまして、教育長、よろしくお願いします。
 教育長にはですね、先ほどのやりとりの中で、県警本部では初心運転者事故者率が高いと、全国的に高いというような中で、県土整備部におかれましては計画をつくる立場の中で、1次から比べると免許取得を前提にするべきだというような計画内容に変化しているというようなことでございます。それらを受けて、平成25年、教育現場ではどのような教育をされたのか、お聞かせいただきたいと思います。

吉野教育長

 今、お話がありましたように、運転免許取得前の教育、取得前教育として各高等学校におきましては、自転車事故の防止を重点的な課題と捉え、交通事故の現状や、交通ルール遵守の重要性、交通事故における責任や補償問題などにつきまして、保健体育の授業や特別活動、ホームルーム等で学校の教育活動全体を通じて指導してきております。また、警察や交通安全協会等と連携して行う交通安全教室、あるいはPTAとの連携により実施するマナーアップ運動、自転車商組合の協力による自転車点検等、関係機関と連携し、交通安全の意識高揚と実践力の向上を目指した交通安全教育にも取り組んできております。一方、県教育委員会では、各高等学校の交通安全指導を担当する教職員の資質向上を図るため、交通安全指導の事例検討や、情報交換等を行う交通安全指導対策協議会を毎年開催しているほか、25年度は自動車教習所の協力を得まして、自転車の実技指導について学ぶ自転車安全指導研修会を開催したところでございます。

金井委員

 前段で県土整備部長に対して、今回、免許を取得することを前提にすることになっているように計画が変わってきているのではないかというようなことでご答弁いただいたわけですね。それで、教育長の見解ですと免許取得前の教育をやったんだというようなお答えだと思うんですけれど、これだとちょっとニュアンスが変わってくるような気がします。免許取得を前提とする教育をするのか、あるいは免許取得前の教育となると、先ほど第9次の中でもちょっと説明させてもらったんですけれども、特にこちらについては、先ほど自転車について実技指導等も重点的にやったというようなお答えですけれども、この第9次の中では、二輪車と自動車に対しても実技指導すべきだと書いてあるわけなんですね。教育長、ちょっと読みますね。「特に二輪車・自動車の安全に関し、安全運転を推進する機関・団体等と連携した安全運転に関する意識の高揚と実践力の向上を目指した実技指導等を含む実践的な交通安全教育の充実」というようなことで謳われているわけでございます。この計画によると、自転車も踏まえて実技指導すべきだというようなことも書かれているわけでございますけれども、平成25年、そちらについて実践されたところがあれば、お聞かせいただきたいと思います。

吉野教育長

 そこの部分の運転免許取得前の教育として、そこにもおそらく書いてあるかと思いますけれども、まず交通ルール等をきちんと守って、まず自転車をきちんと乗れるようにするのがあるし、また二輪車や自動車の特性もきちんと理解しておかなければいけないと。内輪差の問題とか、急には止まれないとか、そういうこともきちんと理解させるというのが免許取得前教育のひとつであると理解しております。また、車両を運転する者としての責任ということで、自転車をはじめとする車両運転の責任、こういうのもきちんと教えるのが交通安全教育であるというふうに理解しています。また、仮に事故があった場合の応急手当の仕方についても、概略を教えておく必要があるといったことを重点的にやっております。そして、今の実技指導云々という部分につきましては、本県では「3ない運動」の適用除外ということで、一定の条件を満たしていて、僻地や何かの場合には、50ccのバイク等に乗ることを許可しております。そういった者は100名ちょっといますけれども、こうした者については安全な乗り方を各自動車教習所で実技講習をきちんと毎年行っておりまして、乗るからにはきちんと安全に乗りなさいという実技講習もきちんとしております。

金井委員

 のってきたので、できればずっとやりたいんですけれども、時間があと8分ということであります。「3ない運動」、先ほど教育長の方からお話が出ましたけれども、特にこの中で安全教育ということを言われるのでしたら、免許取得をするということは1つの安全教育だと思うんですね。この「3ない運動」の中で、いろいろと乗らないとか買わないとかありますけれども、免許取得をしてもいいんじゃないかというようなことについて、平成25年では検討をされたのかどうかについてもお聞かせいただきたいと思います。

吉野教育長

 その部分につきましては、交通安全対策特別委員会で議論をされているということで、中身としては承知しております。その部分について、免許を取らせて、乗らせて指導するというのもひとつの方法であるというのは認識しております。ですから、保護者の方や何かもどういうお考えをお持ちなのかも、ある程度確認する必要もあるのかなとは思っております。頑なに「3ない」のままで行きますという、そういうつもりはございません。

金井委員

 頑ななような気がするんですけれども、また、特別委員会には私も入っておりますので、そちらでしっかりやらせていただきたいと思います。教育長、ありがとうございました。
 続きまして民生委員の一斉改選についてでございますけれども、私、厚生文化の委員会に所属しておりますので、委員会の中でやらせていただきたいと思います。今、部長のお顔を見ますと、非常にいい答弁が通じましたので、また委員会の中でよろしくお願い申し上げたいと思います。
 続いて、農畜産物の輸出促進について、農政部長よろしくお願いいたします。
 県産の農畜産物の輸出の状況と、今後の新たな取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。

宮崎農政部長

 県産農畜産物の輸出の状況でありますが、平成25年度は香港の「フードエキスポ」に出展したほか、国内見本市の「アグリフードエキスポ」への出展や、留学生を対象といたしました「こんにゃく試食会」の開催など、海外販路開拓に積極的に取り組みました。これらの結果、上州和牛やこんにゃく加工品の輸出が拡大し、輸出額は24年度の2倍近い、約2億8,000万円の実績を上げることが出来ました。本年度は具体的かつ効果的に輸出を進めるため、「輸出アクションプログラム」の策定に取り組んでおります。また8月には「香港フードエキスポ」、10月にはシンガポールの国際食品見本市、「oishii JAPAN」へ出展したところであります。さらに試験販売として、シンガポール伊勢丹で県産農畜産物の試食会等も開催しております。また、ニューヨークの日本食レストランにおきまして、「こんにゃくアンテナカフェ」を設置し、こんにゃくを世界に向けてPRしているところであります。
 今後の新たな取り組みでありますが、国際食品見本市への出展に加えまして、海外の有名デパート・レストランにおきます販売促進活動を実施する計画であります。また、輸入規制が続いております台湾につきましては、現地の基準で農産物を生産するための実証試験を行うなど、輸出に向けた準備を進めております。さらにEUにつきましては、日本の和牛として上州和牛が最初に輸出されたことから、関係者とも連携しながら、販路拡大に取り組むこととしております。農畜産物等の輸出につきましては海外でのマーケット拡大によります経済的なメリットはもとより、国内におきましても海外での評価や話題性がブランドにつながりますことから、今後ともしっかり取り組んで参りたいと思っております。

金井委員

 農畜産物の輸出については、ちょっと前までは夢みたいな話だったと思うんですね。今後とも、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。今日、いろいろなやりとりの中で、先般の林野庁長官のお話しも出ましたけれども、この今井長官のお話の中で、今後、地方創生する際に必要なのは、地域資源というのは都会にはないんだというようなお話がありました。これは地域の専売特許なんだから、それをぜひとも売り込んでもらいたいというようなこともお話の中でありましたので、ぜひともこの「ぐんまブランド」、午前中の橋爪委員からもお話がありましたけれども、アンテナショップで群馬の良さっていうものも、ロットが揃わなければ、個々はいいんだというようなことを売り込んでいくためには、大変、輸出というのはひとつのきっかけになるのかなと思いますので、ぜひとも今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、県土整備部長、お願いします。
 県土整備部長におかれましては、7つの交通軸を強化する道路整備の推進についてお聞かせいただきたいと思います。私の地元の椎坂トンネルが、当初の予定ではまだ開いてなかったわけなんですが、知事の英断と、地元の星野寛県議の突っ込んだ一般質問で開通になったわけなんですね。ですから、非常に地元の県議としてありがたく感じております。平成25年度における「7つの交通軸」の推進について、お聞かせいただきたいと思います。

古橋県土整備部長

 25年度の供用箇所としては、今、委員の方からお話がありました国道120号の椎坂トンネルのほか、東毛広幹道の大泉邑楽バイパス、国道144号御関所(おせきしょ)橋、国道462号琴平山(こんぴらやま)橋などがございます。開通の効果、道路整備効果につきましては、椎坂バイパスでは約20分の短縮と冬場の安全性が確保されたということで、温泉地やスキー場の開通直後の利用客が対前年比で1割を超えるというような状況が見られております。また、「7つの交通軸構想」におきましては、着手から7年が経過し整備延長が約100キロメートルとなりました。この効果を試算したところ、年間約600億円というような試算も出ております。本県の工場立地も平成20年から25年で411件ということで、全国2位という数字に現れているのかなというふうに考えております。このように、いろいろな効果として、観光、経済、雇用、それから救急医療、県民の安全安心などで、大きく貢献しているというふうに考えております。

金井委員

 こちらについては、本当に地元としても喜ばしいということで、大変評判のいいところでございます。今後とも、「7つの交通軸」が一日も早く開通出来ますことをよろしくお願い申し上げたいと思います。
 残り時間あとわずかでございますけれども、特にこの平成25年度におきましては、大澤知事の先見の明が光った年であったのかなというような気がしております。今後とも県民生活が、サービスあるいはいろいろな部分でますます向上出来ますことをご祈念申し上げまして、私の質疑は終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

腰塚委員長

 以上で金井委員の質問は終了いたしました。
 次に、黒沢孝行委員、質問者席へ。

黒沢委員

 リベラル群馬の黒沢孝行です。まず知事、お願いします。
 それでは、25年度決算、リベラル群馬を代表して何点か質問させていただきます。午前中の質疑にもありましたけれど、平成25年度決算、最大の特徴は、いわゆる15か月予算であったということだと思っています。つまり、平成24年度の2月補正予算と一体的に編成をされた予算であります。歳入面でいえば、国の経済対策に対応するための公共事業債及び地方交付税の振り替えである臨時財政対策債、午前中の質疑にも何度かこの臨時財政対策債が出てきましたけれども、この臨時財政対策債を含めた県債全体の発行額は、前年度に比べ40億7,730万円増加をしております。臨時財政対策債を除いた、平成25年度末の県債残高は7,183億3,678万円となり、前々年度末に比べて210億5,424万円減少しています。このことは、私は大いに評価をするものであります。しかし、この臨時財政対策債を含めた県債残高は1兆1,680億4,217万円で、前年度末に比べて280億9,819万円増加をしている。県民1人当たり約59万円の借金という表現があっているのかどうか、異論があるのですが、一般的にはそう言われております。そういう中で財政当局はことさらに「臨時財政対策債を除いたプライマリーバランスは黒字であります。25年度は414億円の黒字である」と強調しているんですが、臨時財政対策債は平成13年度から国が設けた制度でありますから致し方ない、こういう部分も私は十分承知をしているんですが、では、そのときに、国こそ非常に借金漬けの状況でありますので、国が後から地方交付税で面倒見るからと。本来は3年で終わるというふうに言っていたのが、ずっと続いているわけでありますから、この状況の中で果たして信用できるのか。ここに疑問符もつくわけであります。そして、この監査意見書も「累積した県債残高は、後年度に公債費として大きな財政負担となり、財政構造の一層の硬直化を招くことから」とも指摘をしている訳であります。今の制度の中では、この臨時財政対策債に依拠せざるを得ない、これは致し方ないことでありますけれども、これではいつまでたっても、地方分権どころか、ますます中央集権が強まるような、先ほどの金井議員の地方交付税の削減ではないですけれども非常に危惧をしている状況であります。私は、まず、権限も財源も基本的には地方に移譲を進めていくべきだと、こういう流れがずっときていた訳ですから、この財政面から地方分権をきちっと進めていくと、こういう姿勢に対して、そして、知事のこの臨時財政対策債に依存をせざるを得ないようなこの財政制度に対して、国にも、知事としてきっちり物を言っていかなければいけないだろうと思うが、知事の所見をお伺いします。

大澤知事

 今、議員からご指摘ありました、まさに私もそのとおりだと思っております。国にも、ずっとしっかりと主張してきておるわけでありますけど、国自体の財源不足の中でこのような状態になっておるわけであります。今、ご指摘あったように平成13年から3年間に限り、創設された特例的な地方債であります。しかし、それ以降も交付税の原資不足が解消されないことから、特例措置はずっと延長されております。本県の平成25年度決算では、665億円を発行いたしました。その結果、年度末残高は、前年度に比べ492億円増加し、4,497億円となったところであります。これは、一般会計の県債残高1兆1,680億円の40%近くになっております。臨財債は、ご指摘のとおり国が発行額を割り当てる実質的な交付税でありまして、必要な行政サービスを維持するためには発行せざるを得ないわけであります。しかし、このような状況は、本県が通常債を削減し、健全財政の維持に努力しているという事実を、県民から見て分かりづらくさせている現状であります。これまでも繰り返し申し上げてきましたけど、臨財債は廃止をし、国は、法定率引上げなどの抜本的な見直しを行い、地方の需要を確実に積み上げた上で、交付税総額を確保すべきであると考えております。加えて、社会保障費の増加にも対応しつつ、人口減少対策など、地方の将来を見据えた政策にしっかりと取り組んでいくためには、各自治体の判断で必要と考えた事業を確実に実施できる財政基盤を確立していくことが重要であります。そのためには、交付税総額の確保に加えまして、景気に左右されづらく税収が安定的な地方税体制の構築や、国からの税源移譲なども進めていく必要があるのではないかと考えております。こうした考えは、これまでも、知事会や政策要求を通じまして、繰り返し国に伝えてきておるところであります。今後も機会あるごとに、強く訴えていきたいと思っております。

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