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議第4号議案(令和7年)
「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産への2028年登録を推進することを求める意見書
温泉は、豊かな自然の恵みであり、日本全国の各地域にあって、古より人々の心と身体を癒やしてきた、日本人にとって不可欠な文化である。自然の恵みを生かした温泉は、持続可能なエコシステムであり、多様な泉質による効能は人々の健康を増進する。温泉ではすべての人が平等であり、温泉文化には、日本人の中に流れるSDGsの精神が息づいている。まさに、長い歴史を有する、日本固有の文化であり、世界に誇るべき文化である。
現在、日本国内には約2千9百の温泉地があり、そこには約1万3千もの温泉宿泊施設がある。しかしながら、人口減少や高齢化、後継者不足等により、温泉地とそれを取り巻く「温泉文化」が危機にさらされている。
温泉地を活性化させ、「温泉文化」を次代へと守り伝えるため、多くの温泉・旅館関係者が、温泉の文化的価値が評価され、そして「温泉文化」が2028年のユネスコ無形文化遺産に登録されることを待ち望んでいる。
ユネスコ登録は、温泉地で働く人たちのプライドを醸成し、若者・女性にも選ばれる地方づくりに繫がる。さらに登録を契機とした地域の魅力の再発見は、移住や交流人口の増加など、地方への人の流れを生み出していく。また、温泉を核とする産業全体の裾野が広く、地方経済の牽引役でもあることから、まさに「地方創生2.0」の要であると言える。さらに、外国人旅行者数6千万人・消費額15兆円の2030年政府目標の早期達成に向け、登録は大きな後押しにもなる。
このため、「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産への2028年登録を推進することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
令和7年6月13日
群馬県議会議長 井下 泰伸
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣
環境大臣
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
内閣府特命担当大臣(地方創生) あて