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産経土木常任委員会(県土整備部関係)(平成27年3月5日)

1.開催日時

平成27年3月5日(木曜日)9時59分開始 14時34分終了

2.開催場所

301委員会室

3.出席委員

委員長:井田 泉、副委員長:臂 泰雄
委員:腰塚 誠、委員:星野 寛、委員:狩野浩志、委員:岩上憲司、委員:角倉邦良、委員:後藤克己、委員:原 和隆

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)平成27年度の道路関係予算について

後藤委員
 景気を下支えするためであれば、道路新設という活況を呈している部分に投資をするのではなく、零細建設業者に届く維持補修予算を増やすべきではないか。

倉嶋技監
 社会資本整備は、中長期の視点で進める必要があり、県全体の政策の中で、企業を呼び込み、県内企業の競争力を高めるための役割があり、一方、維持管理費については、長寿命化計画に基づき計画的に予算を確保することとし、双方のバランスを考えながら予算計上している。

後藤委員
 維持管理予算を年々増やしてはいるが、地域住民から見れば足りず、また、道路を新設すれば景気が回復する時代ではないと思われることから、もう少しバランスを考えるべきと思うがどうか。

古橋県土整備部長
 高速交通網が発達し、旧態依然の道路では、これからの群馬の発展はないと考え、必要な道路整備を進める一方で維持管理も重要であり、双方のバランスをとって将来を見据えた社会資本整備を進めていく。

(2)公共事業予算について

狩野委員
 平成24、25年度の大型補正予算に比べ、26年度の補正予算は大幅に減少しているが、予算の平準化等への対応についてどのように考えているか。

小此木建設企画課長
 県の補正予算は、国の補正予算に応じた規模となり、24、25年度については、経済対策、デフレ解消のため大型補正予算となった。26年度は小規模な補正予算となったが、これを補うため、27年度の県単独予算の確保に努めたところであり、今後も必要な予算を確保するべく、国に要望してまいりたい。

狩野委員
 自然災害から県民の生命、財産を守るためには、建設業者が体力をつける必要があると考えるがどうか。

古橋県土整備部長
 地方の建設業者は災害対応の観点からも必要な存在であり、安定的な仕事量を確保することが必要であると考える。建設業者が持続的な経営ができるよう、予算の安定的な確保に努めたい。

狩野委員
 鳥獣害対策が県政の最重要課題となっており、河川の除草・伐木を含めた維持管理についてもしっかりと対応してほしいが、その対策はどうか。

古橋県土整備部長
 維持管理費は前年度よりも予算を計上している。鳥獣被害対策本部で効果的な除草・伐木について議論し、必要な箇所を実施しており、引き続き、しっかりと対応してまいりたい。

(3)ゼロ県債におけるB、C等級業者への発注状況について

角倉委員
 地域の中小零細建設業対策や、地域が必要とする工事発注という観点から、ゼロ県債におけるB、C等級業者への発注を増やしてほしいと考えるが、発注実績等についてはどうか。また、今後ゼロ県債の予算を増やしていくのが良いと思うがどうか。

小此木建設企画課長
 25年度のゼロ県債におけるB、C等級業者への発注実績は、予算額に対し60.9パーセントであった。26年度のゼロ県債は、11月と2月の補正を合わせて約42億円、対前年比約1.3倍、ゼロ県債予算におけるB、C等級規模の工事割合は、約60パーセントとなる見通しであり、引き続きゼロ県債の予算確保に努めてまいりたい。

(4)第96号議案「群馬県流域下水道条例の一部を改正する条例」について

臂副委員長
 流域下水道の名称変更を行うことで、市町村の負担金等にも影響がでるのか。

桑原下水環境課長
 流域下水道の名称は変更するが、処理区の枠組みは変更ないので、市町村の負担金等の変更はない。

(5)汚水処理関係予算について

臂副委員長
 汚水処理については、市町村が担う部分が大きく、県による政策誘導が難しいとのことだが、新設する流域関連公共下水道排水設備工事費補助には、どのような効果が見込まれ、また、市町村の状況はどうか。

桑原下水環境課長
 接続戸数が増えることで市町村の料金収入が増加し、市町村が新たな管渠整備を行うことで、汚水処理人口普及率の向上が図られるものと期待している。比較的接続率の低い市町村で効果が見込まれ、平成27年度は9市町村が取組予定と聞いている。

臂副委員長
 浄化槽対策費補助の予算が減額されているが、理由は何か。

桑原下水環境課長
 汚水処理人口普及率向上のための施策効果を検証し、浄化槽新設に対する補助は、住宅新築に伴うものであることから、対象外としたことによるものである。

(6)都市計画区域マスタープランにおける市街化調整区域の位置付けについて

岩上委員
 プランでは、市街化調整区域の優良農地は保全すると位置付けられているが、そのためには、人が住む必要がある。一方、市街化調整区域にはできるだけ住まないで、市街地に住んでもらうという施策になっており、この両者の整合性について伺う。

中島都市計画課長
 市街化調整区域は、原則として市街化を抑制する地域だが既存集落があり、現在でも、大規模既存集落では開発許可にて一定のものは建築できるようになっている。現行の都市計画制度の中で、市街化調整区域内の既存集落の活力を維持していく手法について、農政部とも連携しながら研究をしているところである。

岩上委員
 住むためには、スーパーなど商業施設が不可欠であり、最低限の住環境整備ができるような規制緩和を取り入れる必要があると考えられるので、農政部ともよく調整してもらいたいがどうか。

中島都市計画課長
 「まちのまとまり」をつくるためには、どのような施設が必要なのか、市街化調整区域に大規模な商業施設を建築することは難しいが、買物難民とならないよう研究をしてまいりたい。

(7)河川整備について

角倉委員
 井野川の断面確保対策については、今後のどのように進めていく考えか。

荒井河川課長
 河川整備計画の認可申請を今年度中に行い、認可後、27年度から整備計画に沿った事業に着手したい。

角倉委員
 河床が上がってきている箇所があり、緊急的な対策として堆積土除去を最優先にすべきと考えるがどうか。

荒井河川課長
 今年度、緊急的な対策として、JR上越線の下流で堆積土除去や伐木を実施したところであり、今後も緊急性を勘案して実施していきたい。

臂副委員長
 端気川の河床に草が繁茂しているが、端気川の管理状況について伺いたい。

荒井河川課長
 前橋と玉村の境界部分の該当箇所については、現在、上流から堆積土除去を行っており、下流部分は来年度以降に対応する予定である。

(8)県道寺尾藤岡線バイパス整備事業について

角倉委員
 木部地区における排水が懸念されるが、安全対策についてはどうか。

清野道路整備課長
 県道寺尾藤岡線バイパス整備事業の木部地区は、鏑川と烏川に囲まれた地域で、内水地帯のため排水が悪く、雨水排水を兼ねる農業用水路が豪雨時に溢水していることは承知しており、県道寺尾藤岡線バイパス新設に伴う道路排水は、既設水路に直接つなぐのではなく、道路排水単独での処理を検討している。計画がまとまり次第、地元の皆様に説明したい。

(9)沼田市道・川場村道の県道昇格について

星野委員
 沼田インターから川場田園プラザに向かう市道・村道については、渋滞が起きており、道路のネットワーク構築や、観光振興の観点からも県道に昇格してもらいたいが、県道昇格のための基準について伺う。

上原道路管理課長
 県道昇格や市町村道への移管については、改良率の少ない路線、交通量の少ない路線等は県道昇格の対象とせず、周辺の県道と同等以上の交通量があること等広域的な道路ネットワーク上、必要な路線であること、道路境界が明確であること等を要件とする。今後、交通量調査など現地の状況を確認し、道路利用者や地域の方々にとって利用しやすい県道・市町村道のあり方について検討していきたい。

(10)国道145号に生じている変形について

角倉委員
 八ッ場ダムの付け替え国道145号は、国が安全対策を十分に行った上で県管理道路として引き受けるべきであると言ってきたが、安全上の問題及びその対策に係る経費についてどのような話合いがなされたのか伺う。

上原道路管理課長
 国が八ッ場ダムの関係で作った国道、県道を県が引き継ぐ場合は、法面点検と必要な安全対策を実施させ、国と県で現地立会いの上、引渡しを行っている。経費については、ある一定期間までは国が負担しているが、その後は県負担であり、今回の変形に係る補修は、県が負担している。

角倉委員
 引渡しの前から茶色の水が見えており、このようなことは予測できたのではないか。

上原道路管理課長
 地質学の専門家によると、黄鉄鉱の酸化により必ずしも体積変化が生じるわけではないと聞いており、このようなことを予見するのは難しいと考えている。

角倉委員
 今回の事案について、県の見解として、地すべりではないということか。

上原道路管理課長
 地盤の中の成分が酸化して、体積変化を起こしたと捉えている。

(11)廃道になった旧国道145号について

角倉委員
 地元住民の合意がとれないまま廃道が決定されたが、国道の拡幅工事はいつ始まるのか。

岩下特定ダム対策課長
 国からは、供用廃止区間について工事専用道路等として利用するため、供用廃止後、速やかに安全施設の撤去を開始し、その後、車道の拡幅等の必要な措置を順次行っているところである、と聞いている。

(12)八ッ場ダム右岸の付け替え県道林岩下線の道路整備について

角倉委員
 県道林岩下線は、いつ頃完成する見通しなのか。

岩下特定ダム対策課長
 県道林岩下線の川原湯温泉トンネル長野原側坑口付近の約400メートル区間の工事については、現在、国が施工しており、国からは工事を段階的に進めているところであり、早期完成を目指して工事の進捗を図っている、と聞いている。

角倉委員
 国土交通省からは、県に完成時期が明示されていないのか。通常は示されると思うが、示されていない理由は何か。

岩下特定ダム対策課長
 国からは関係機関や地元の方々と調整の上、早期に工事を完成させる、と聞いている。

(13)旧国道145号の東吾妻町側区間の通行規制解除について

角倉委員
 吾妻渓谷内の国道145号の通行止めは、春には開放できるという理解でよいか。

岩下特定ダム対策課長
 現在、今後の交通開放時期や通行方法などについて、地元東吾妻町や警察等の関係機関と調整を行っているところであり、決まり次第、お知らせすることになる。

角倉委員
 吾妻渓谷といえば観光であり、新緑の季節には間に合うようにお願いしたいが、見通しはどうか。

岩下特定ダム対策課長
 吾妻渓谷の観光面を鑑み、できるだけ早期の交通開放を目指し、関係機関と調整を行っているところである。

(14)敷島公園のテニスコートの改修計画について

岩上委員
 関係団体からの要望も聞いているかと思うが、進捗状況について伺いたい。

中島都市計画課長
 平成27年度当初予算編成では、県スポーツ施設の設置及び管理に関する基本計画で拠点スポーツ施設に位置付けられている総合スポーツセンターのテニスコート改修を優先し、敷島公園については、機械による転圧の回数を従来より増やし競技に支障を来さないよう管理し、改修については、引き続き検討することとした。

(15)建築関連工事の積算について

岩上委員
 12月の委員会で、見積単価の公表等に係わる他県の動向等について調査を行うとの答弁であったが、その後の状況はどうか。

金井建築住宅課長
 単価の公表状況等について、本年1月に全国調査を行い、9割の都道府県が非公表としていること、また、国土交通省では、入札に与える影響を考慮し単価の公表は今後とも行う考えはないとのことから、国の動きを注視しながら、引き続き検討していきたいと考える。なお、公表している1割の県について、問題が生じているかどうかは、今後調査したい。

岩上委員
 民間事業と違い、公共事業には技術者や職人の育成を担うといった視点も重要であり、他県では1割が公表を行っているのであれば、前向きに調査し、できるところから公開を進めるべきと考えるがどうか。

金井建築住宅課長
 積算技術力の向上も公共事業の役割であり、実際に公表している県における問題発生の有無を確認する必要があり、また、他の関係部署とも意見交換して、総合的に検討していきたい。

(16)作業員、職人、監督員等技術者の確保対策について

岩上委員
 来年度の技術職員の採用予定者数や、人事当局への採用要望についてはどうか。

小此木建設企画課長
 県土整備部と農政部と企業局をあわせた総合土木として、毎年10数人を採用しており、また、退職者数や事業に応じた必要職員数を要望している。

岩上委員
 技術者、職人とあわせ、発注者側の監督員も増やす努力をしてもらいたいがどうか。

古橋県土整備部長
 土木職員は微増ではあるが、平成21年度から9名増加している。今後もしっかりと職員を確保し、また、いびつな年齢構成を是正することも課題であると考えている。

(17)改正品確法を踏まえた対応について

臂副委員長
 「改正品確法」等のいわゆる「担い手三法」の施行を踏まえ、建設業界への影響をどう考え、県はどのような対応を行っていくのか。

島田契約検査課長
 様々な取組を行っており、まず、予定価格の歩切りについては行っておらず、低入札価格調査制度や最低制限価格制度の適切な運用と、予定価格や最低制限価格等は事後公表としている。建設工事の担い手の育成・確保のため、中間前金払い制度の適用範囲拡大と手続簡素化を図るとともに、本年1月から社会保険加入を入札参加資格要件としている。本年4月から施工体制台帳の提出義務を「下請契約を行う全ての公共工事」に拡大し、受発注者双方で施工体制の確保に努める予定である。また、全市町村が参加している群馬県発注者協議会の開催などを通じて情報共有しながら支援・要請を行っている。

小此木建設企画課長
 公共工事の適正施工の対策として、年度当初に発注の平準化、適正な工期の確保、完成期日の平準化の方針に沿って、早期工事着手を考慮した発注計画を作成し、公表している。また、建設工事の担い手の育成・確保策として、25年度から、産学官連携会議を設置し、効果的なインターンシップや資格取得支援、担い手の育成、確保に取り組んでいる。

(18)上信電鉄における鉄道基盤設備維持費補助金について

後藤委員
 昨年9月の常任委員会でも質問した、上信電鉄における世界遺産効果による収入増により、当該補助金が減となる問題について、業者の努力により改善した場合に、補助金を削減するのでは、事業者にとって経営努力がインセンティブにならない補助制度であり、更なる安全対策や集客対策に予算を使用するなど、前向きに検討していくよう問題意識を持つべきと考えるがどうか。

森田交通政策課長
 委員指摘のとおりであるが、自ら修繕できるのに、補助金を出すことに違和感を覚える県民もいると考えられる。当該制度が、施設整備や安全対策には一定の効果があったと考えるが、増収増客にはあまり効果が見られないことも認識しており、今後、継続的に制度のあり方について検討していきたい。

(19)公共交通の経済波及効果について

後藤委員
 前回の委員会で、道路整備と同様に、公共交通を整備充実させた場合の経済波及効果を算定し、公共交通の必要性をもっとアピールすべきではないかと提案したが、その後の検討状況はどうか。

森田交通政策課長
 特定のバス路線を想定して増便した場合の効果について試算しようとしたが、マイカーからバスへの転換率や渋滞の緩和率等が現段階では明確に積算できず、今後も、どういった方法が可能か、引き続き関係部局とも連携を図りながら勉強してまいりたい。


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