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令和7年度 病害虫情報 第9号(チョウ目害虫)
更新日:2025年9月26日
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令和7年度 病害虫情報 第9号(チョウ目害虫) (PDF:748KB)
チョウ目害虫(オオタバコガ、シロイチモジヨトウ)の被害の増加に注意が必要です。
【対象地域:県内全域】
ほ場をよく見回り、適期防除に努めましょう。
概要
- オオタバコガ、シロイチモジヨトウの性フェロモンを利用したトラップへの誘殺数が、平年より多く経過しています(図1~図6)。
- 気象庁の予報では、今後も両種が発生しやすい気温が高い状態が続く見込みです。
図1 オオタバコガ(前橋市)
図2 オオタバコガ(伊勢崎市)
図3 オオタバコガ(藤岡市)
図4 オオタバコガ(東吾妻町)
図5 シロイチモジヨトウ(伊勢崎市)
図6 シロイチモジヨトウ(太田市)
1 性フェロモンを利用したトラップへの誘殺状況
- オオタバコガの誘殺数は、前橋市では5月上旬以降、藤岡市では6月中旬以降、伊勢崎市と東吾妻町では8月上旬以降、平年より多く経過しています(図1~図4)。
- シロイチモジヨトウの誘殺数は、伊勢崎市では7月上旬以降、太田市では9月上旬以降、平年より多く経過しています(図5、6)。
2 今後の気象予報
向こう1か月の気象予報(9月18日発表の1か月予報)によると、気温が高くなる見込みです。
3 今後の発生予測
8月の県内ほ場の観察において、オオタバコガが露地ナスで、シロイチモジヨトウがネギでやや多く発生しました。今後、これらの害虫が増加しやすい気温が高い状態が続く予報となっていることから、他の作物においても発生が多くなることが心配されます。
4 予想される被害
- オオタバコガでは(写真1、2)、露地ナス、レタス、キャベツ、トマト、花き類、イチゴ苗などで被害が心配されます。
- シロイチモジヨトウでは(写真3)、ネギ、レタス、キャベツ、トマト、花き類、イチゴ苗などで被害が心配されます。
5 防除対策
- 防除適期は、幼虫がふ化してから食入する前の短い期間です(食入した後は農薬がかかりにくくなります)。このため、こまめにほ場を見回り適期に防除を行ってください。
-
施設栽培では、開口部に目合い4.0ミリメートル以下の防虫ネットを張り、成虫の侵入を防いでください。また、防虫ネットを展張済みのハウスでは、ネットの設置状況を確認し、穴が開いている場合は補修をしてください。
写真1 オオタバコガ幼虫
写真2 ナス果実に食入するオオタバコガ幼虫
写真3 ネギを食害するシロイチモジヨトウ幼虫