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公文書開示審査会答申第106号

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

(1)「群馬県情報公開条例書(原文)集を1部、同条例制定した県議会に請求します(県職員専用でなく一般県民用使用可能なもの)開示年月承認印の記入もお願いします」の不存在決定、

(2)「群馬県情報公開条例(原文縦書)集1部 同条例を制定した県議会に請求します(県職員専用でなく一般県民使用可能なもの)開示年月日及県議会承認印記入でお願いします」の不存在決定、

(3)「群馬県情報公開条例(原文)集1部 県民にとってきわめて一般的なもの開示拒否(不存在)の理由はまったくないと思います(制定議決した議会承認及開示年月日)記入のもの」の不存在決定

に対する異議申立てに係る答申書

群馬県公文書開示審査会
第二部会

第1 審査会の結論

 実施機関の決定はいずれも妥当である。

第2 諮問事案の概要

1 公文書開示請求

 異議申立人(以下「申立人」という。)は、群馬県情報公開条例(以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県議会議長(以下「実施機関」という。)に対し、以下(1)~(3)の開示請求を行った。

 (1)平成19年3月5日付け「群馬県情報公開条例書(原文)集を1部、同条例制定した県議会に請求します(県職員専用でなく一般県民用使用可能なもの)開示年月承認印の記入もお願いします」の開示請求(以下「本件請求1」という。)

 (2)平成19年3月22日付け「群馬県情報公開条例(原文縦書)集1部 同条例を制定した県議会に請求します(県職員専用でなく一般県民使用可能なもの)開示年月日及県議会承認印記入でお願いします」の開示請求(以下「本件請求2」という。)

 (3)平成19年3月26日付け「群馬県情報公開条例(原文)集1部 県民にとってきわめて一般的なもの開示拒否(不存在)の理由はまったくないと思います(制定議決した議会承認及開示年月日)記入のもの」の開示請求(以下「本件請求3」という。)

2 実施機関の決定

 (1)実施機関は、本件請求1に係る公文書を「群馬県情報公開条例書(原文)集を1部、同条例制定した県議会に請求します(県職員専用でなく一般県民用使用可能なもの)開示年月承認印の記入もお願いします」(以下「本件公文書1」という。)、本件請求2に係る公文書を「群馬県情報公開条例(原文縦書)集1部 同条例を制定した県議会に請求します(県職員専用でなく一般県民使用可能なもの)開示年月日及県議会承認印記入でお願いします」(以下「本件公文書2」という。)及び本件請求3に係る公文書を「群馬県情報公開条例(原文)集1部 県民にとってきわめて一般的なもの開示拒否(不存在)の理由はまったくないと思います(制定議決した議会承認及開示年月日)記入のもの」(以下「本件公文書3」という。)であると判断した。

 (2)実施機関は、平成19年3月20日、本件公文書1について公文書不存在決定(以下「本件処分1」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、申立人に通知した。

  • 条例は、議会の議決後、議長から知事に送付され、知事は県報に登載して公布手続きを行い、この公布によって条例としての効力を生じます。

 したがって、議会では条例を議決しますが、請求のありました「群馬県情報公開条例書(原文)集」については、議会では作成し、保有もしていません。

 なお、「一般県民用使用可能なもの」として、県報、群馬県ホームページ等に群馬県情報公開条例が掲載されていますので、ご覧ください。

 また、本件公文書2について、平成19年3月30日、公文書不存在決定(以下「本件処分2」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、申立人に通知した。

  • 条例は、議会の議決後、議長から知事に送付され、知事は県報に登載して公布手続きを行い、この公布によって条例としての効力を生じます。

 したがって、議会では条例を議決しますが、請求のありました「群馬県情報公開条例(原文縦書)集」については、議会では作成し、保有もしていません。

 なお、「一般県民使用可能なもの」として、県報、群馬県ホームページ等に群馬県情報公開条例が掲載されていますので、ご覧ください。

 また、本件公文書3について、同日、公文書不存在決定(以下「本件処分3」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、申立人に通知した。

  • 条例は、議会の議決後、議長から知事に送付され、知事は県報に登載して公布手続きを行い、この公布によって条例としての効力を生じます。

 したがって、議会では条例を議決しますが、請求のありました「群馬県情報公開条例(原文)集」については、議会では作成し、保有もしていません。

 なお、「県民にとってきわめて一般的なもの」として、県報、群馬県ホームページ等に群馬県情報公開条例が掲載されていますので、ご覧ください。

3 異議申立て

 申立人は、行政不服審査法第6条の規定に基づき、平成19年3月26日付けで、本件処分1を不服として実施機関に対し異議申立て(以下「異議申立て1」という。)を行うとともに、同年4月7日付けで、本件処分2及び本件処分3を不服として実施機関に対し異議申立て(以下「異議申立て2」という。)を行った。

4 諮問

 実施機関は条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して、平成19年4月27日、本件異議申立て1事案及び異議申立て2事案の諮問を行った。

第3 争点(本件処分1、本件処分2及び本件処分3の妥当性)

 本件公文書1、本件公文書2及び本件公文書3(以下「本件公文書」という。)は不存在であるとした決定は妥当であるか。

第4 争点に対する当事者の主張

1 申立人の主張要旨

 県情報公開条例制定した県議会に対し、同条例の内容の確認及び承認を求めたもので、不存在とする処分は不当な公権力の行使である。当方は同条例集の開示(承認・開示年月の記入)を求めたもので、通知書の記述の通りであれば、当然条例第20条により県総務課又は県民センターかわからないが担当課に指示するのが当然である。

 また、県民使用可能なものとして群馬県のホームページ参照しろとするが、当方は県民センターからの承認及び開示年月日記入拒否に対し、同条例制定した県議会の承認した内容の条例集を求めたもので、これも否定した県議会も今回の一連の県庁の重大犯罪インペイに協力した事実の証明である。(異議申立て1)

 知事の方針は第何条にあるのかの確認を行いたいため同条例集を条例第20条により求め、議会の承認印及び開示年月日の記入を求めたものに対し、非開示不存在の処分は県条例違反及び不正インペイの刑法、地公法違反であり、当然不当な公権力行使である。又、当方の条例第11条、12条、20条等により開示請求したのにもかかわらず、県のホームページ等で覧ろとの処分は同条例違反であり、今回一連の群馬県の行った重大な犯罪を容認擁護するものである。(異議申立て2)

2 実施機関の主張要旨

 条例は、議会の議決後、議長から知事に送付され、知事は県報に登載して公布手続きを行い、この公布によって条例としての効力が発生する。したがって、議会では条例を議決するが、開示請求のあった本件公文書については、議会では作成しておらず、また、保有もしていないため、当該公文書について不存在の決定を行ったものである。

第5 審査会の判断

争点(本件処分1、本件処分2及び本件処分3の妥当性)

(1)本件公文書の特定について

 申立人は、条例の内容の確認を行うため、条例を制定した県議会に対し条例集の開示を求めたと主張する。これに対し実施機関は、本件請求1及び本件請求3では「原文」とし、本件請求2では「原文縦書」とするが、本件請求2の開示請求書には「3月5日付異議申立書と共に請求したが回答がないので再度請求します」との記載があることから、すべて同じ内容の請求であると考え、本件請求の「条例(原文)集」という内容から、本件公文書は、群馬県公告式条例(平成19年群馬県条例第76号による改正前のもの。以下「公告式条例」という。)に基づき、条例を公布しようとするときに群馬県知事(以下「知事」という。)が署名したものであると判断したと主張する。

 一般に「原文」とは、翻訳、校訂、改作、加筆などをする前のもとの文書をいうとされるが、本件請求内容の「条例」について、地方自治法では第14条第1項で、普通地方公共団体は法令に違反しない限りにおいて条例を制定することができるとされており、同法第16条第4項では、条例の公布について必要な事項は、地方公共団体の条例で定めることとされている。群馬県においては、公告式条例により、特別の場合のほか、群馬県報に登載して公布されるとされており、条例の公布の形式については、条例を公布しようとするときは、公布の旨の前文及び年月日を記入して、その末尾に知事が署名をしなければならないとされていることからも、本件請求の「条例(原文)集」という内容から、公告式条例に基づき知事が署名したものであると判断したとする実施機関の説明に、特段不合理な点は認められない。

(2)本件処分1、本件処分2及び本件処分3の妥当性について

 申立人の主張は、大要、条例を制定した県議会に対し条例(原文)集を求めたものであり、不存在とする処分は条例違反、不正インペイであり不当な公権力の行使であるとの趣旨と判断される。

 一方、実施機関は、条例は議会の議決後、議長から知事に送付され、知事は県報に登載して公布手続きを行い、この公布によって条例としての効力が発生するものであり、議会では条例を議決するが開示請求のあった本件公文書については、議会では作成しておらず保有もしていないと主張する。

 「公文書を保有していない」という類型には、(ア)そもそも作成又は取得していない、(イ)作成又は取得したが保存期間満了により廃棄済み、及び(ウ)開示請求の対象となる「公文書」ではないという3つの場合があるが、実施機関は、そもそも作成又は取得していないと主張しているので、本件公文書が実施機関における事務処理において作成・取得されるものであるか否かを検討する。

 ところで、条例の公布について、地方自治法第16条第1項では、議会で条例の制定の議決があったときは、その日から三日以内に知事に送付しなければならないとされており、公布の形式については、上記(1)で述べたとおり公告式条例により、条例を公布しようとするときは、公布の旨の前文及び年月日を記入して、その末尾に知事が署名をしなければならないとされていることからも、実施機関が特定をした「公告式条例に基づき知事が署名したもの」については、知事が保管しているものである。さらに、審査会は、本件事案についての説明を実施機関から受けたが、申立人が主張する不正及び隠ぺいのために本件各処分を行ったことをうかがわせるような不自然な点は認められなかった。

 以上のことから、本件公文書について、作成しておらず不存在とする実施機関の判断に、特段不合理な点は認められない。

 また、申立人は、異議申立て1及び異議申立て2において、条例第20条により事案の移送を求めると主張するが、知事が定めた「群馬県情報公開条例の解釈及び運用の基準」(平成13年1月1日付総務部長通知)によれば、事案の移送について「開示請求を受けた実施機関は公文書を管理していないが、他の実施機関が当該公文書を管理している場合には本条は適用されない」とされており、実施機関が本件公文書を管理しておらず、知事が保管している以上、条例第20条は適用されないことから、申立人の主張は認められない。

(3)結論

 以上により、「第1 審査会の結論」のとおりであると判断する。

 なお、申立人はその他種々主張するが、審査会の判断を左右するものではない。

第6 審査の経過

 当審査会の処理経過は、以下のとおりである。

審査会の処理経過

年月日 内容
平成19年4月27日 諮問
平成19年5月31日 実施機関からの理由説明書を受領
平成19年8月28日 異議申立人からの意見書を受領
平成20年1月25日
(第14回 第二部会)
審議(本件事案の概要説明)
(実施機関からの意見聴取)
平成20年3月4日
(第15回 第二部会)
審議
平成20年3月6日 答申