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現在の位置 議会トップページ > 委員会活動 > 平成25年5月24日~平成26年5月26日常任委員会記録 > 厚生文化常任委員会(健康福祉部・病院局関係)(平成25年10月1日)

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厚生文化常任委員会(健康福祉部・病院局関係)(平成25年10月1日)

1.開催日時

 平成25年10月1日(火曜日)9時59分~16時57分

2.開催場所

 402委員会室

3.出席委員

 委員長:井田泉、副委員長:原和隆
 委員:南波和憲、委員:岩井均、委員:橋爪洋介、委員:伊藤祐司、委員:あべともよ、委員:高田勝浩、委員:金子渡、委員:小川晶

4.欠席委員

 なし

5.主な質疑

(1)動物愛護拠点施設整備について

あべ委員
 拠点施設を整備することで、どのように動物愛護精神の醸成を図っていくのか。

後藤衛生食品課長
 犬猫の殺処分の実態を踏まえ、出前講座や愛護センターでの「命の教室」の定期開催、適正な飼育指導のための「しつけ方教室」、高齢者施設等を訪問する「動物介在活動」のコーディネート実施等の他、県獣医師会に委託し実施している「動物ふれあい推進」事業も継続実施するなどし、動物愛護精神の醸成を図っていく予定である。

あべ委員
 年間の啓発活動参加者数の目標はどの程度か。

後藤衛生食品課長
 愛護精神醸成には、民間の協力も必要であり、現段階で具体的な人数はお示しできないが、センター設置後は、ボランティアや愛護団体の育成を促進するとともに、連携して啓発を進めていきたいと考えている。

あべ委員
 動物愛護精神醸成の成果を示していくことが必要だと思うがどうか。

後藤衛生食品課長
 現在、事業成果となる指標について検討しているところであり、できるだけ早めに出していきたいと考えている。

伊藤委員
 動物愛護センターを食肉衛生検査所の敷地内に設置するとのことで、イメージ的にどうかと心配でもあるが、選定した理由は何か。

大澤食品安全局長
 食肉衛生検査所には30人以上の獣医師が勤務しておりマンパワーが得られやすい環境であることや、高速道路のインターも近く譲渡会等を開催するにも利便性がよいこと、また、動物愛護団体にとってもよく知られた場所であることなどである。

(2)小児等在宅医療連携拠点事業について

あべ委員
 現在、県内に在宅療養を必要とする小児等はどの程度いるのか。

川原医務課長
 県で把握している重症心身障害児の数は、平成24年度末現在261人で、うち施設入所者が55人、残り206人が在宅療養している。医療的ケアを要する在宅療養者は他にも存在するため、市町村や関係機関と連携して実態把握に努めていきたい。

あべ委員
 今後、どの程度の在宅療養が可能となるのか。

川原医務課長
 医療機関や訪問看護ステーションに対する研修により、医療と福祉の連携を進めて小児に対応できる在宅医療体制を構築し、将来的には在宅療養を必要とするすべての小児患者に対応できるようにしていきたい。

あべ委員
 多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成事業のこれまでの成果はどうか。

川原医務課長
 昨年度、都道府県リーダー研修を受けた者を中心に、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の多職種に対する研修を実施し、地域リーダー172人の養成を行ったところである。

あべ委員
 今回の事業で在宅医療を受けられる地域はどの程度拡大されるのか。

川原医務課長
 既に顔の見える関係づくりが進んでいる地域もあるが、今年度、県内12地域で在宅医療に係る研修を実施し、県内全域で在宅医療の推進を図っていく。

(3)障害福祉サービス・通所支援に係る条例改正について

あべ委員
 「障害児通所支援が提供されていないこと等により利用が困難な」とはどのような状況か。

根岸障害政策課長
 利用を希望したが、地域に事業所がなかったり、事業所があっても利用希望者数が多く応じられない場合などに、市町村の判断によりサービス提供が行われるものである。

あべ委員
 当該事業所における従前の利用者への影響はどうか。

根岸障害政策課長
 この取り扱いは、平成15年から富山県等でも実施されており、従来の利用者へのサービス提供に大きな問題は起きないと考えている。逆に、高齢者にとっても障害のある子どもと触れ合うことで、プラス面の効果が期待できると考えられている。

あべ委員
 小規模多機能型居宅介護事業所において、障害児にサービス提供される見込みはどうか。

根岸障害政策課長
 事業所の整備状況は地域によって差があると認識しているが、市町村に確認したところ、現時点で明確に「見込みあり」と回答したところはなかった。

金子委員
 事業所の定員に余裕がなければ受け入れができないと思うがどうか。

根岸障害政策課長
 通所支援サービスが不足している地域での緊急避難的な取り扱いであり、基本的にはニーズに応じた通所支援事業所の整備が重要と考えている。

(4)保育所の緊急整備について

岩井委員
 緊急整備で4市が実施する施設数はいくつか。また、負担の仕組みはどうか。

金田子育て支援課長
 前橋市が4、高崎市が1、桐生市が1、太田市が2の計8施設である。また、負担の仕組みは国の「待機児童解消加速化プラン」に基づき、安心こども基金を活用して補助率を2分の1から3分の2に嵩上げし、市町村の補助率を4分の1から12分の1に軽減するものである。

岩井委員
 県が負担を増やすことで、市町村の取り組みはどうなると考えているか。

金田子育て支援課長
 各市町村では、財政状況が厳しい中で優先順位を決めて施設整備を行っているが、負担を4分の1から12分の1にすることで整備が進むと考えられる。

岩井委員
 事業者負担を軽減することは考えなかったのか。

金田子育て支援課長
 この事業は時限事業であり、従来制度を利用して施設整備を実施した事業者や、今後、プラン終了後に支援を受ける事業者との均衡を考える必要があると思っている。

岩井委員
 加速化プランの最終年である平成29年まで、県はこの支援を実施するのか。

金田子育て支援課長
 安心こども基金を活用しているため、基金事業の継続状況次第と考えている。

(5)女性医師への支援について

高田委員
 地域医療再生計画で予算計上している女性医師支援のための体制整備はどのようなものか。

志村医師確保対策室長
 県医師会が平成24年度から実施している保育サポーターバンク事業を延長するものであり、育児支援を必要とする女性医師に対し、子育て支援相談員がニーズに沿った保育サポーター等の情報提供・紹介を行うことで、就業支援を行い離職防止を図るものである。

高田委員
 登録サポーター数や利用状況はどうか。また、この事業による効果はどうか。

志村医師確保対策室長
 登録サポーター数は約60名、利用医師数は約20名である。子育てに関するサポート体制の確保により、女性医師の就業継続支援につながっている。

高田委員
 離職した医師が復職する際の医療現場での研修は病院側で実施しているのか。

志村医師確保対策室長
 技術的な研修は病院側で対応することになる。なお、群馬大学では女性医師支援プログラムも実施している。

(6)子宮頸がんのワクチン接種及び検診について

小川委員
 ワクチンの有効性とリスクについての認識はどうか。

津久井保健予防課長
 ワクチン接種により5~7割程度の感染を防ぐとされている。また、アナフィラキシーやギラン・バレー症候群といった重い副反応がまれに出るリスクがあるとされている。 なお、痛みが出る問題については、海外では日本と同様の症状報告はされておらず、現在、ワクチン接種との因果関係については国の研究班で調査中である。

小川委員
 ワクチン接種の効果は何年もつのか。

津久井保健予防課長
 薬事承認から年数が浅く明確な検証はこれからであるが、予防効果が高いのは9年間で、20~30年は抗体価が持続するといわれている。

小川委員
 副反応報告のあった18人中8人が重篤とされているが、この判断は誰がしたのか。

津久井保健予防課長
 報告を行った医師の判断によるものである。県としては、報告書記載の症状によりある程度の推定はできるが、本人確認は行っていない。

小川委員
 対象者や保護者に対し、有効性とリスクをどのように説明しているのか。

津久井保健予防課長
 市町村や医療機関において、積極的には接種勧奨していない旨を説明し、そのうえで自己判断してもらっている。

小川委員
 接種控えについて、市町村との連携はどうか。

津久井保健予防課長
 具体的な動きはとっていない。定期接種としての扱いであるため、希望者には接種しなければならない。

小川委員
 県ホームページでの情報提供の考えはどうか。

片野健康福祉部長
 市町村とも連携し、前向きに検討していきたい。

小川委員
 子宮頸がんの検診状況はどうか。

西村がん対策推進室長
 検診は2年に1回の受診であり、平成22年の国民生活基礎調査によれば、受診率は全国32.0%、群馬県は34.8%である。

小川委員
 受診率向上のために、どのような取り組みを行っているか。

西村がん対策推進室長
 若い世代の女性を対象に、「子宮頸がん予防講演会」の実施や、成人式での啓発リーフレット配布を行っている他、市町村に対してモデル事業補助を実施しており、昨年度は乳幼児健診を活用した受診勧奨、本年度は群大の学生に対する講習を実施し、そこから健康づくり財団での検診受診に結びつける取組も行っている。

(7)医療費等の現状について

小川委員
 本県の医療費の状況はどうか。

相澤国保援護課長
 国民健康保険では、平成23年度は1,720億円で、前年度比1.7%増である。

片野健康福祉部長
 昨年度策定した医療費適正化計画においては、平成23年度の医療費総額を5,790億円と試算している。

小川委員
 ジェネリック医薬品使用の現状はどうか。

須野原薬務課長
 平成24年度の厚生労働省「調剤医療費の動向」データによると、数量ベースで全国平均28.7%であり、県内は30.6%と全国11位になっている。

小川委員
 ジェネリック医薬品の利用促進で医療費はどれくらい削減できるのか。

須野原薬務課長
 薬価は、最初、先発品に比べ7割に設定され、その後は5割~3割近くになることもあるなど価格差があり、具体的な医療費削減額についての試算は困難だが、数量ベースを上げていくことで相当な削減効果が期待できるとは思っている。

(8)生活保護における医療扶助等の状況について

小川委員
 医療扶助の現状はどうか。

塚越健康福祉課長
 リーマンショック以降、受給者増加に伴い医療扶助も伸びており、平成24年度の県内の保護費全体額約225億円のうち、医療扶助の占める割合は約105億円、47%に上っている。

小川委員
 医療扶助の伸びを適正化するため、ジェネリック医薬品使用促進の考えはどうか。

塚越健康福祉課長
 一つの方法として、ジェネリック医薬品の使用促進は有効であると認識しており、今年度、国からの通知を受け、受給者に対し利用促進を指導するとともに、県医師会や歯科医師会、薬剤師会に対してもお願いしている。

小川委員
 過剰診療や過剰投与に関してどういった対策を行っているか。

塚越健康福祉課長
 レセプト点検の中で疑義が生じた者について、支払基金に対し再審査請求を行っており、県福祉事務所分だけで541件であった。なお、該当者に対しては、個別指導を行った他、医療機関に対しても調査をしている。

(9)県立病院における医師確保の現状について

小川委員
 医師確保の取り組みの状況はどうか。また、各病院における状況はどうか。

青木病院局総務課長
 県立4病院全体で、現状、医師の定数に対し7名不足している。ただし、診療科によって医師の過不足が生じており、確保できていない診療科は各病院に存在している。来年度の医局人事がスムースに行くことと、欠員となっている診療科の医師を確保できるよう、8月に群大の各医会長を訪問し直接お願いしてきた。

大島心臓血管センター院長
 循環器内科医師23名のうち11名が研修医であるが、研修医も年々減少しているため、派遣先の大学に働きかけ医師数を維持していきたい。その他、専門以外の領域でも胃カメラや腎臓内科のドクターにも来てもらっている。

猿木がんセンター院長
 大学の人事決定前に医局を訪問して派遣依頼を行っている他、ホームページを活用し積極的にアピールもしている。また、退職者を減少することが大切であり、魅力のある病院、先進医療の体制づくり、新しいことに取り組む医師のサポート体制整備を図っているい。

武井精神医療センター院長
 大学との連携が重要であり、安定した派遣を依頼しているが、限界もあるため、ホームページを活用するなどして人材確保に努めている。また、大学以外から放射線科、麻酔科で後期研修を受けている医師もいる。女性医師の産休・育休による医師不足が課題である。

林小児医療センター院長
 特に循環器内科・小児外科などの医師につき都内の大学に働きかけた結果、本年4月から9名増加した。レジデントも確保し比較的充実してきたが、救急専門医が少なく何とか確保したい。また、当直なしの常勤体系を考えられれば女性医師が充実できると思っている。

(10)介護福祉士の国家試験に係る実務者研修について

金子委員
 平成27年度から実務者研修が義務づけられるが、介護人材の育成・確保の考えはどうか。

五十嵐介護人材確保対策室長
 義務化は中核を担う介護職員のレベルアップを図る観点で行われるものであり、働きながら介護福祉士を目指す方には負担増となることから、意欲が減退しないよう配慮が必要であると考えている。

金子委員
 研修の事務は国で行っているが、県としての対応はどうか。

五十嵐介護人材確保対策室長
 県内の研修機関は4事業者であり、通学課程と通信課程が設けられている。受講者も80名程とまだ少ないが、今後は増加が見込まれるため状況を見守りながら対応していきたい。

南波委員
 新たなキャリアパスは重要だが、何らかの配慮が必要と考えるがどうか。

五十嵐介護人材確保対策室長
 働きながら実務者研修を受講することは、負担が大きいと認識しており、介護人材の専門性を高めながらいかに人材を確保していくか検討していきたい。

(11)ぐんまこどもの国児童会館における駐車場不足問題について

高田委員
 混雑時における駐車場不足問題について、施設担当課としての認識はどうか。

金田子育て支援課長
 夏休みの土日やゴールデンウィークなどは駐車場が満杯となるため、周辺部の民間駐車場も活用されている。また、事故発生も懸念されるところである。ピーク時と閑散時との利用差が大きく必要な規模の判断が難しいが、子どもの安全を最優先と考え、公園を所管する県土整備部と協議するなど対応を検討したい。

(12)海外療養費支給制度について

高田委員
 海外療養費の不正請求事件があったが、本県の請求状況はどうか。

相澤国保援護課長
 平成24年度で188件、721万3千円、うち外国籍の方は36件、235万8千円である。

高田委員
 支給にあたってのチェック体制はどうなっているか。

相澤国保援護課長
 申請内容に疑義が生じた場合は海外医療機関への確認が必要となる他、市町村担当者に専門知識がないという問題がある。審査支払は各保険者で行うことととされており難しい問題があるため、各保険者と連携をとりながら情報共有や情報交換に取り組んでいる。

高田委員
 市町村にはノウハウがなく審査等の事務処理が大変ではないか。

相澤国保援護課長
 今年6月、県で統一のガイドラインを作成し、申請書類の統一や窓口対応をマニュアル化するとともに、審査支払をしている国保連との連携、不自然な申請を感じた場合の情報共有などに取り組んでいる。

高田委員
 県として適切な仕組みをつくる必要があると思うがどうか。

相澤国保援護課長
 審査は非常に難しい要素が多くあるため、当面は策定したガイドラインで対応していくが、全国的な問題でもあることから、国に対して制度改善を要望していきたい。

(13)国保会計について

高田委員
 国保会計の現状はどうか。また、国保税の滞納額の状況はどうか。

相澤国保援護課長
 県内の9保険者は単年度赤字であり、基金の取り崩しや一般会計から繰入を行うなど国保財政は厳しい状況にある。平成23年度末の滞納累計額は約255億円、うち現年度分は約60億円である。収納率は89.63%とわずかながら上がってきているが、今後も毅然とした収納対策を市町村と連携しながら実施していきたい。

高田委員
 社会保障制度改革国民会議で広域化の議論が出たが、県の考えはどうか。

相澤国保援護課長
 方向性は示されたが、基本設計等はこれからの議論となっていることから、国の動向を注視しながら適切に対応していきたい。

伊藤委員
 国保税の滞納が多いのは税率が高いためで、国費投入が求められているのではないか。

相澤国保援護課長
 国保改革の具体化はこれからであり、今後、国と地方との協議の場などにおいて議論が行われる予定である。赤字構造解消のため、国に財政負担を求めるとともに、しっかりと動向を見極めていきたい。

伊藤委員
 国民会議の報告書における国保の県移行の考え方について認識はどうか。

片野健康福祉部長
 健康福祉部は、県民の生命と安全・安心を守るのが使命であるため、県に権限が移行された場合、医療体制をどうするかについては現場と連携してしっかりと取り組みたい。

(14)がん治療技術地域活性化総合特区について

あべ委員
 特区に指定されたことにより見込まれる経済効果はどの程度か。

塚越健康福祉課長
 申請の際には、2,178億円の経済効果があると見込んでいる。

あべ委員
 今回の指定を契機に「がん対策基金」を設置してはどうか。

西村がん対策推進室長
 既に基金を設置している島根県や大阪府などの事例を研究し検討していきたい。

(15)地域見守り支援事業について

あべ委員
 事業の概要及び現在の取り組み状況はどうか。

塚越健康福祉課長
 ライフライン事業者などの協力により、日常業務で家庭を訪れ異常を感じた場合に市町村窓口に連絡してもらおうとするもので、事業者との協定を県が一括して結ぶことにより効果を全県に広げていく事業である。本年4月以降、既に14事業者2団体と協定締結している。

あべ委員
 今後の展開をどう考えているか。

塚越健康福祉課長
 協力事業者を増やしていくとともに、実効性を高めるため、事例を収集して事業者にフィードバックしていくことも重要だと考えている。また、今後は事業者と市町村との意見交換の場も設置していきたい。

(16)福祉施設等における労働基準法・就業規則の遵守について

あべ委員
 施設等への指導検査において、職員処遇に関しどのように検査・指導しているか。

宮下監査指導課長
 職員処遇についても指導事項の一つとして検査しており、就業規則が適正に運用されているかや、職員の健康診断・管理、職員研修など資質向上の取り組み状況、職員の確保・定着の取り組みなどをヒアリングや関係書類で確認し、必要な指導・助言を行っている。

あべ委員
 検査概要はどうか。

宮下監査指導課長
 昨年度、社会福祉施設等における職員処遇に関する文書指摘は30件あり、そのうち労働基準法に基づく届け出や、36協定締結に関する不備などが半数(16件)を占めている。

あべ委員
 指摘の背景は何か。

宮下監査指導課長
 基本的に、労働関係法規は組織運営の必要最低事項であるが、なかなか情報の周知が行き届いていなかったり、認識不足もあるものと考えている。

あべ委員
 施設経営者に対する職員の労働条件改善に向けた取り組みはどうか。

宮下監査指導課長
 これまでも個別に現地指導する他、集団指導や法人役員に対する研修会などで制度改正などの説明場面を設けてきたが、今後も機会を設け実施していきたい。

(17)TPPの地域医療への影響について

伊藤委員
 TPPにより国民皆保険制度が崩壊しかねないという危惧について、県の認識はどうか。

片野健康福祉部長
 県議会でも国に意見書を提出していたり、県医師会の考え方を伺う機会もあった。今後、混合診療を通じて国民皆保険制度が崩壊することのないよう、国の対応を十分見守っていくとともに、情報収集に努めていきたい。

伊藤委員
 TPPへの危惧について、県のホームページに掲載することはできないか。

片野健康福祉部長
 国と意見交換を行ったり、国として国民に情報提供を行う義務があることを伝えたいと思うが、危惧を表明するというのは別の問題であると考えている。

(18)社会保障制度改革国民会議報告書に係る地域医療・福祉への影響について

伊藤委員
 報告書内容をどのように認識しているか。

片野健康福祉部長
 報告書内容は理解できるものと考えている。基本は自助、共助、公助の流れの中で社会保障を実施していると認識しており、経済的弱者への支援も大切であると考えている。

伊藤委員
 国は入院期間を短縮して医療費削減を図る医療制度改革を目指しているが、その内容である報告制度や地域医療ビジョンとはどのようなものか。

川原医務課長
 報告制度は、各病院における高度急性期、急性期、回復期及び慢性期の4つの病床機能の現状と今後の方向性を報告してもらうもので、県はそれを受けて地域医療ビジョンを策定することとされている。詳細はまだ示されていないが、患者の病状に応じた適切な医療を提供し、医療資源を効率的に活用することが期待されている。

伊藤委員
 平均在院日数の短縮化は、中小規模病院には影響が大きいと考えるがどうか。

川原医務課長
 急性期から回復期、在宅医療へと切れ目のない医療連携体制を構築するためには、急性期を脱した患者を受け入れる中小規模の病院経営が安定することが重要だと考えており、診療報酬等の財政支援でしっかり対応できるよう、国へも要望しているところである。

伊藤委員
 医療費削減を目指す県の医療費適正化計画と社会保障制度改革国民会議の報告書とは考え方が同じなのか。

片野健康福祉部長
 直接リンクして作成してはいないが、基本的な考え方は同じだと認識している。

(19)重度心身障害者に対する生活介護サービスについて

伊藤委員
 生活介護事業所の人員及び報酬基準はどうなっているか。

根岸障害政策課長
 利用者の障害程度区分によって基本報酬が決まる他、区分5、6の重度者が多い事業所では直接処遇職員を加配した場合に報酬が加算される制度となっている。加算は、1対1.7、1対2、1対2.5の3段階である。

伊藤委員
 1対1の人員配置ができるよう、県で上乗せの補助ができないか。

根岸障害政策課長
 人員配置加算などの報酬は、国が全国の状況や他制度を勘案して決めているため報酬加算創設は難しいと思われる。本年6月の県内での生活介護利用者は、区分6の方が1,086人、5の方が860人で全体の約6割を占めるため、まずは実態を見させていただきたい。

(20)子ども・子育て支援新制度について

伊藤委員
 認可保育所、認定こども園等の保育施設における保育士配置状況はどうか。

金田子育て支援課長
 保育所では保育士や看護士等、認定こども園では保育士や幼稚園教諭等を配置している。県が証明書を発行している認可外保育施設では3分の1以上が保育士等である。また、保育ママにおいては、保育士や所定の認定研修を受講した者があたる。

伊藤委員
 保育ママの研修期間はどのくらいか。また、小規模保育事業や保育ママでは、保育の質の低下が懸念されるがどうか。

金田子育て支援課長
 88時間の座学講習及び20日の実習である。小規模保育事業は、現行制度下では認可外保育施設であるが、新制度では認可基準を設けて市町村が認可する仕組みとなり、基準に沿った運営が図られることで、保育の質を向上させることをねらいとしていると考える。

伊藤委員
 新制度において、小規模保育事業者を安易に増やそうとしていることへの考えはどうか。

金田子育て支援課長
 保育は認可保育所が基本である。待機児童が多い都市部や人口減少地域の山間部の保育基盤維持のため、認可保育所の他に小規模保育事業なども選択肢と捉え、地域の実情で必要なサービスを提供する制度であり、認可保育所をこうしたものに置き換えるものではない。

(21)ハンセン病対策について

伊藤委員
 強制隔離政策を検証する委員会を設置すべきだと要望してきたが、検討状況はどうか。

津久井保健予防課長
 国による検証がなされているものと認識している。資料の調査については、文書館などで行ってきたところであるが、今後も引き続き実施していきたい。

伊藤委員
 熊本県では検証委員会を設置し資料収集や検証が進んだが、本県での設置の考えはどうか。

津久井保健予防課長
 資料については、しっかりと調査していきたい。

(22)民生委員について

橋爪委員
 民生委員の選任要領はあるのか。また、公務員がなることは可能なのか。

塚越健康福祉課長
 民生委員は、市町村の推薦委員会から推薦をしてもらうが、基準としては年齢、職業、社会福祉に熱心か、時間的な余裕があるかなどを示している。また、一般職の公務員を除外する項目はなく、今回の改選においても候補者の中に公務員が19人含まれている。ただし、県職員が含まれているかは承知していない。

橋爪委員
 県職員を消防団員にという働きかけがあったが、民生委員についてはどう考えるか。

片野健康福祉部長
 それぞれ地域の考え方があると思うが、声がかかれば県職員は協力すべきと思う。

橋爪委員
 県民に民生委員の役割を理解させるためには今後どうすべきと考えているか。

片野健康福祉部長
 民生委員の活動は地域においてきめ細かい対応を取ってもらっており、役割等をぐんま広報などで周知したことがある。今後も他県の例などを参考にして検討していきたい。

(23)生活福祉資金について

橋爪委員
 資金の貸し付け状況はどうか。

塚越健康福祉課長
 リーマンショック以降の失業者増を踏まえ、平成21年10月に制度の大幅改正を行い資金を借りやすくした結果、平成21年度以降は貸付が大幅に増え、昨年度は3億4,600万円の貸付け決定を行った。

橋爪委員
 貸付の未収金残高はどの程度か。

塚越健康福祉課長
 平成21年度以降の貸付金が平成23年度半ばから本格的な償還時期に入ってきたが、平成24年度末の状況では、24年度中に償還すべき額が3億8,300万円に対し、償還済額は9,500万円と、償還率が約25%の低い状況になっている。

橋爪委員
 償還率の低い現状への認識や対応についてはどう考えているか。

片野健康福祉部長
 課題は多いと認識している。社会的要請もあって貸し付けた資金であるが、今後、県社協ともよく相談して対応していきたい。

塚越健康福祉課長
 未収金が多いことは問題であると思っており、昨年度、県社協においても債権管理要綱を策定するとともに、償還指導員を設置した。今後、償還指導とともに生活指導や生活相談を積極的に行っていきたいと考えている。

(24)病院局の体制変更について

岩井委員
 病院管理者から病院局長へと責任体制が変化し半年がたった現状での認識はどうか。

笠原病院局長
 病院局長は、病院局全体として取り組むべき課題への対応や、予算管理、各病院の要望を知事部局につなぐことなど、機動的に支援する体制をつくることが役割であり、現時点でどの程度の成果が出ているかはわからないが、病院現場で病院長のトップマネジメントのもと、新たな取り組みが始まっており、今後も病院局としてそれらを支えていく努力を続けていきたい。

岩井委員
 病院側としての認識はどうか。

大島心臓血管センター院長
 心臓血管センターにおける平均在院日数短縮による延患者数減少問題や、医師確保の取組等、様々な課題に対して病院局長が一緒に取り組んでくれていると感じている。

(25)医療安全に関するヒヤリハット事例について

岩井委員
 平成24年度の病院別件数はどうなっているか。

青木病院局総務課長
 心臓血管センターが、ヒヤリハット1,042件、医療事故345件、がんセンターが、ヒヤリハット802件、医療事故218件、精神医療センターが、ヒヤリハット1,227件、医療事故155件、小児医療センターが、ヒヤリハット802件、医療事故169件となっている。

(26)各種計画における名称等の統一について

岩井委員
 各計画の名称がまちまちであるので、分かりやすいように統一したらどうか。

片野健康福祉部長
 行政計画については、最上位計画、個別基本計画、個別実施計画と体系化されたところであり、名称の統一については所管する企画部と今後協議していきたい。

(27)特別養護老人ホームにおけるたんの吸引等について

南波委員
 14時間の研修を受けた介護職員によるたんの吸引等は今後もできるのか。

五十嵐介護人材確保対策室長
 介護職員によるたんの吸引等については、昨年4月から法のもとで実施され50時間の研修が必要となったが、14時間の研修を受講した特別養護老人ホームの介護職員については、経過措置対象者として当面の間は引き続き実施ができる。

南波委員
 経過措置が恒常的になるとよいと思うがどうか。

片野健康福祉部長
 長期的には介護福祉士のキャリアアップは必要と考えているが、移行にあたっては課題もあると思っており、国への要望も含めて対応を検討していきたい。

(28)特別養護老人ホームの入所指針見直しについて

南波委員
 策定から10年が経過しており、指針の見直しをする考えはどうか。

渡辺介護高齢課長
 現行の入所指針が、時間の経過に伴い実態と齟齬をきたしていることは認識している。現在、国で介護保険制度全体の見直しを行っているところであり、その動向も見極めつつ、関係者の意見を聞きながら見直しを検討していきたい。


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