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環境農林常任委員会(農政部関係)(平成25年10月1日)

1.開催日時

 平成25年10月1日(火曜日)10時01分~15時33分

2.開催場所

 403委員会室

3.出席委員

 委員長:舘野英一、副委員長:安孫子哲
 委員:関根圀男、委員:塚原仁、委員:狩野浩志、委員:茂木英子、委員:水野俊雄、委員:桂川孝子、委員:酒井宏明

4.欠席委員

 委員:田所三千男

5.主な質疑

(1)輸出対策食肉市場整備について

関根委員
 9月補正予算要求における株式会社群馬県食肉卸売市場の施設整備について、具体的な内容を伺いたい。

糸井畜産課長
 枝肉冷蔵保管庫の冷却用ユニットクーラーの更新、ナイフの煮沸消毒施設を5箇所に設置、枝肉懸肉レールをステンレス製に更新、不可食部位専用エレベータの設置、薬品保管室の設置、保留枝肉懸肉レールの設置の改修を行う。

関根委員
 対米・対EU輸出で施設の認定要件があるようであるが、今回の施設整備で全ての要件がクリアできたのか。

糸井畜産課長
 対米輸出については、毎年、米国農務省の査察を受け、指摘があったものについては対応している。対EUについては、厚生労働省との協議結果により改修を行うことで、現段階での施設整備は終了し、輸出認定の申請をすることとなる。

関根委員
 整備により、新たにEUへの牛肉輸出の道が開けるが、輸出見込みはどうか。

糸井畜産課長
 細かなデータがなく、ドイツの食品見本市に出展するのでその反応を見てからとなるが、当面はEU向けとして年間4トンを輸出目標としている。

酒井委員
 牛肉の輸出量はどの程度を見込んでいるのか。

糸井畜産課長
 口蹄疫や福島第一原発事故以前の水準を当面の目標としており、平成21年度実績に、EU向けの4トンを加えた26トンを見込んでいる。

(2)県産農畜産物の輸出促進対策について

関根委員
 現状と目標達成の見通しはどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 平成24年度の輸出実績は、牛肉が約7千万円、コンニャクがしらたきを含め約8千万円、その他麺類・酒類等を合わせ、合計約1億5千万円であり、2年後には目標達成できると考えている。

関根委員
 東アジアにおける輸入規制の状況はどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 中国は全食品が停止、台湾は酒類を除いて停止、香港は食肉と加工品が輸出可能、韓国やシンガポールは検査証明を添付すれば輸出可能である。

関根委員
 諸外国の輸入規制解除に向けた取り組みはどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 香港や台湾へのトップセールス、農林水産大臣への要望、関東知事会での提案など、国とも連携しながらしっかりと取り組んでいる。

関根委員
 自民党の日韓議連が仲介しているウソン大学との交流や麺類の輸出、また、タイの日本食店における食材輸入の要望があるが、県の対応はどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 韓国へは検査証明を添付すれば輸出は可能であり、群馬県製麺工業協同組合を通じて輸出対策を進めており、県としても支援したい。また、タイへの食材輸出についても前向きに検討、支援していきたい。

関根委員
 輸出に意欲がある者のために、県として輸出の取り組みがスムーズにいくよう、窓口を一本化してはどうか。

茂木農政部長
 委員指摘のとおり、東日本大震災で輸出がストップし、流通に関するノウハウも途絶えており、農畜産物については蚕糸園芸課に窓口を一本化して相談に応じたい。

桂川委員
 県産農畜産物の輸出において、大手商社などへの対応はどうなっているのか。

真下ぐんまブランド推進室長
 輸出のロットの大きさや相手国に応じた商社への売り込みを行っているが、現状で大手商社に輸出支援を依頼することは難しい。

桂川委員
 県全体の農産物を視野に見据え、大手商社との交渉を進めてはどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 JA等とも連携し、今後、必要に応じて検討したい。

(3)TPPによる牛肉への影響について

酒井委員
 どのくらいの影響がでるのか。

糸井畜産課長
 関税が撤廃され、何の対策も講じない場合、平成21年度の算出額116億円に比べ79億円減少すると試算している。また、県内の年間出荷頭数約38,000頭のうち、約26,000頭、枝肉量12,000トンが影響を受けると試算している。

酒井委員
 輸出によるプラスより、輸入によるマイナスの方が比較にならないほど甚大な影響を受けると思うが、肥育農家への対策についてはどうか。

糸井畜産課長
 国の対応・対策が明らかとなっていない段階であり、今のところ県として具体的な対策は持ち得ていない。

(4)6次産業化ネットワーク活動交付金について

酒井委員
 6次産業化サポートセンターの設置場所及び運営はどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 現在は、県商工会連合会が国から受託して実施しており、11月以降は県がサポートセンターを県商工会連合会に委託したいと考えている。

酒井委員
 推進事業の補助先が、市町村・民間事業者等とのことだが、申請状況はどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 6次産業化法に基づく計画認定について、県内では現在22件が認定され、今年度は10月末と2月末にも認定が行われることとなっており、数件の要望があると考えている。

酒井委員
 委員会で視察に行った昭和村のグリンリーフ株式会社は、独立支援プログラムによる人材育成など、6次産業化に向け非常に努力しており、このようなところに県でも支援したらどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 当社は、6次産業化の成功事例としてモデル的な取り組みをしており、県としても支援していきたい。

(5)平成24年度県出資法人等の経営状況等報告書に関して

狩野委員
 県出資法人と県業務の役割分担については、どのような検討をしてきたのか。

宮崎農政課長
 各法人は、それぞれ設立時の要請により組織されており、たとえば、農業公社は、法に基づき農地保有合理化法人として指定を受けるために設置された組織であり、県ができないことを実施している。両者が役割分担をし、業務を遂行することによって効率的に事業が実施できている。

桂川委員
 県農業公社は、農地集積の中心的役割を果たすのか。

小林構造政策室長
 農業公社は、農地保有合理化事業により、農家が相対で集積することの不都合を避けるために公の立場で間に入って進めており、また、安倍首相の成長戦略の中で、設置することとしている農地中間管理機構は、各都道府県の農業公社を前提に検討されているようであり、機構が農地集積の中心になるものと思われるが、詳細は不明である。

桂川委員
 農地の中間保有期間や損失についてはどうか。

小林構造政策室長
 中間保有期間は平均1年くらいであり、基本的には手数料を上乗せして、担い手へ売り渡すので、タイムラグはあるが損失は生じない。

桂川委員
 社団法人群馬県青果物生産出荷安定基金協会に、約5億円の負債があるがどういうことか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 野菜価格安定制度において、生産者等から預かった資金で基金を造成し、価格が下落した時にこれを切り崩して生産者に補給する際に流動負債として処理している。

(6)馬事公苑における今後の運営について

狩野委員
 2020年に開催される東京オリンピックのキャンプ地として誘致したいと考えるが、馬事公苑は国際競技場としての水準を満たしているか。

糸井畜産課長
 馬事公苑の屋外馬場は国際競技ができる規格である。

水野委員
 公益性の観点からも馬事公苑を県直営としてはどうか。

糸井畜産課長
 現段階で直営は考えていない。民間とのバランスを考慮して検討をしていきたい。

水野委員
 馬事公苑は赤字だが、今後の運営はどうか。

糸井畜産課長
 平成24年度に指定管理業務の見直しを行い、乗馬技術指導等を自主事業としたが、指定管理料を減額した影響で、平成24年度は400万円超の赤字となった。平成25年度の8月時点の収入については前年同期に比べ118%であり順調に推移している。平成26年度については乗馬の鞍数を増やすことによる増収、及び定年退職が2名いるため、新たに人員を補充しても黒字化が可能と見込んでいる。

安孫子副委員長
 国際馬術競技場としての水準を満たしている馬事公苑を売り出すためにも、東京オリンピックのキャンプ地を是非誘致してもらいたいが、どうか。

糸井畜産課長
 今後、庁内でのオリンピック対応の打合せの場などで、馬事公苑の利用についてアピールしていきたい。

(7)指定管理者の総合評価について

水野委員
 指定管理者の評価方法は、どうなっているのか。また、総合評価をA(優良)にするにはどう運営すればよいか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 管理運営状況の評価は、評価委員が実際の施設や運営状況を見て、総合的に評価している。魅力的な企画などの創意工夫、接客応対や今後の誘客対策等も考慮している。

糸井畜産課長
 利用者対応ではA評価であったが、地域貢献や環境問題への取り組みなどがBであったため、総合評価としてはBとしたものである。Aにするには更なる職員の努力が必要と考えている。

(8)事務・事業見直し委員会における「グリーン・ツーリズム推進」の判定結果について

狩野委員
 見直し委員会ではどのような意見があったか。

飯塚農村整備課長
 要約すると「庁内連携を強化し、効果の見えるよう効率的な事業展開を行う必要がある」というものであった。事業の趣旨は理解してもらっており、26年度の予算編成に向けて前向きに推進していきたい。

狩野委員
 見直し委員会で職員の意識改革ができると思うか。

茂木農政部長
 事業をPRする機会として臨み、事業の趣旨が理解されたものと考えている。かたちが見えてこない、他部局との連携不足等の指摘があったが、観光部門との連携や交流人口の増加等が明確に現れるような事業に取り組んでほしいという叱咤激励と受け止めており、職員の意識改革にとって有効なものだったと考えている。

(9)養蚕継承について

塚原委員
 県として蚕糸業の現状を、どのように考えているのか。

毛利絹主監
 養蚕従事者の高齢化や安い生糸・絹製品の輸入増大等により、蚕糸業は年々縮小している。平成20年から国の蚕糸・絹業提携システムによる、繭代確保の取り組みが進められており、県では、オリジナル蚕品種や人工飼料の製造など、繭生産基盤を維持する施策を実施している。世界遺産登録を控え、蚕糸業への注目が集まっており、蚕糸現場の見学を通じ、蚕糸業への理解や絹製品の販売により収益の向上も図っていきたい。遺伝子組換えカイコは、農家所得の向上や新たな産業創出の可能性を秘めており、その実用化を推進していきたい。

塚原委員
 繭生産費1キログラムあたり3,500円に対して繭代2,000円前後で農家はやっていけるのか。

毛利絹主監
 国では、適正な繭価格を2,200円程度と試算しており、蚕糸・絹業提携システムのもと、その価格が維持されている。なお、蚕糸振興協会からの支援もあり、農家の材料費や労務費は確保されていると考えられる。

塚原委員
 企業参入についてはどう考えているのか。

毛利絹主監
 桐生の桑茶、富岡の石けんなど、養蚕資源を使った新たな養蚕担い手であり、養蚕農家の所得向上に繋がることであれば支援していきたい。

(10)ぐんまの食材お試し便について

塚原委員
 現在の取り組み状況はどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 首都圏における販路拡大志向の高い生産者から希望者を募り、生産される農産物を「群馬県農畜産物販売協力店」に提供、活用してもらう事業であり、ぐんまブランド推進室では両者のマッチングを行っている。
 第1弾として県産きのこは、生産者及び実需者から好評であり、現在第2弾として県産大豆を使用した豆腐に取り組んでいる。多くの生産者から食材提供の希望があり、今後は月1回程度の取り組みを計画している。

(11)農林大学校について

塚原委員
 農業を取り巻く情勢が厳しい中、農林大学校が果たす役割と現状についてはどうか。

徳安農林大学校長
 農林部における近年の学生充足率は80パーセントであり、増加に向けた入口対策として、全職員による学校訪問、オープンキャンパスの開催、農業系高校への派遣講義などを行っている。出口対策としては、就農計画の作成や、資格取得・面接指導を行っている。また、研修部では、一般県民を対象に「ぐんま農業実践学校」や「農業機械研修」を実施し、幅広い農林業の担い手の確保・育成に取り組んでいる。

塚原委員
 卒業生の就農や就職状況はどうか。

徳安農林大学校長
 概ね就農者が30パーセント、農業関連産業への就職者が70パーセントである。今春の卒業生は一人を除き全て就農や就職が決まった。

(12)台風18号による農作物等の被害について

茂木委員
 被害状況はどうか。

澁谷技術支援課長
 概報だが、16市町村で被害面積は1,450ヘクタール。コンニャクが1,078ヘクタールで、被害は葉の反り返りが大半であり、減収量は小さいと思われる。
 被害総額は12億6,000万円で、コンニャクの被害金額が7億円、ほうれん草が1億7,000万円、ナスなどが被害にあった。また、ハウス等の被害が170件、被害金額は6,700万円である。

茂木委員
 農業共済制度への加入状況はどうか。

澁谷技術支援課長
 今回、農業共済の対象となるのは、りんご、ぶどう、ビニールハウス、多目的防災ネットであり、被害の大きかったコンニャクは共済制度がない。加入状況は、りんごが10パーセント、ビニールハウスが10.7パーセントである。

茂木委員
 コンニャクに対する被害の救済措置はどうか。

澁谷技術支援課長
 県内のコンニャク農家数は約800戸で、生産の95パーセントを群馬県が占めているため、農業共済の制度設計は難しいと考えられる。また、コンニャクは相場によって収入が左右され、不作が必ずしも収入減にならないため、加入者の確保という点でも、制度設計が難しいのではないかと思う。

茂木委員
 農業共済によるハウスの補償はどの程度か。

澁谷技術支援課長
 ハウスは経過年数とともに評価額が下がり、再取得には十分な補償が得られないこともあり、加入率が低い。例えば、パイプハウスは、5年で残存価額が2割まで下がるので、再建築価格の2割程度の補てんとなる。

茂木委員
 共済に加入していても、再建には自己負担が多くなることについてはどう考えているか。

澁谷技術支援課長
 被災地域は、やる気のある若い農家が多いと感じている。施設については、減価償却をした上でリスク管理するのが経営の基本であり、農家の皆さんに理解してもらい、農業共済とセットでリスクを回避していけるような経営を確立できるよう支援していきたい。

茂木委員
 農業用施設の被害に対する国または県の支援はどうなっているか。

小林構造政策室長
 国では、事業費の30パーセント以内の補助が受けられる「被災農業者向け経営体育成支援事業」があり、今回の台風18号被害を事業対象とするよう国に要請しているところである。
 国が事業化しない場合も想定し、既存の県単独事業で、補助率15パーセント以内、上限補助金額250万円での対応も並行して進めており、事業要望調査を実施中である。なお、両制度の併用はできない。

水野委員
 今回の被害では農災条例の適用はどうか。

澁谷技術支援課長
 被害状況を見た限りでは、条例適用になるものと見込んでいる。

水野委員
 条例適用となった場合の補償はどうか。

澁谷技術支援課長
 作物の生育回復のための肥料、病害虫防除のための農薬費、被害が大きい場合には、次期作付けに必要な種苗費を補助する。さらに、10万円以上の被害を受けた農家のハウスの片付け費用の一部をそれぞれ市町村と協力して補助する。

酒井委員
 農災条例が適用された場合の、壊れた農業用施設の取り片付け費用については、どのくらい交付されるのか。

澁谷技術支援課長
 全壊の場合、農林業作業員を雇用する場合の予算単価6,310円の5日分の31,550円を交付することになり、これを、県と市町村とで2分の1ずつ負担することになる。

酒井委員
 被害に遭われた農家に対し、見舞金が支払われたこともあると聞くが、今回も同様の措置を講じるべきではないか。

澁谷技術支援課長
 今回の台風及び竜巻により被害に遭われた農家には、非常にお気の毒ではあるが、現在本県においては、農業共済と農災条例のセットで農業災害被害に対応しているところであり、県としてはこの考えに基づき、しっかりと対応して参りたい。

(13)県の食料自給率について

茂木委員
 ぐんま農業はばたけプランにおいて、平成27年度の目標値をカロリーベースで37パーセントとしているが、進捗状況はどうか。

宮崎農政課長
 県のカロリーベースの食料自給率は、平成23年度は33パーセントであるが、新規需要米や飼料用米の作付拡大により、目標達成に向けて取り組んでいる。

茂木委員
 目標達成に向けて今後どのように考えているか。

宮崎農政課長
 食料自給率のもう一つの指標である生産額ベースでは93パーセントで、国の68パーセントを上回っている。農家所得を確保する観点からも単価の高い野菜や畜産経営により良好な経営を継続することが必要であり、これにより生産基盤や人、技術、農地を維持し食料供給能力を確保することが可能となる。カロリーベースと生産額ベースの両面からの取り組みが必要と考えている。

(14)国家戦略特区について

桂川委員
 茨城県では、農地集積や企業参入等の規制を緩和する特区を提案しているようだが、群馬県ではどうか。

茂木農政部長
 現在、国において企業の農業参入や農業生産法人の設立要件等の規制緩和の議論が進められており、県としては今のところ取り組んでいないが、現場の声をよく聴き、メリットがあれば検討したい。

(15)米の放射性セシウム対策について

桂川委員
 水稲の放射性セシウムの吸着を抑制するためのカリウム使用は、食味や連作への影響はどうなのか。

澁谷技術支援課長
 カリウムは食味にとってマイナスに働くと言われているが、県が進めているカリウムの施肥は、土壌成分を分析して実施するため、食味に及ぼす影響はないと考えている。また、水稲はカリウムの過剰障害の事例はほとんどないことから、連作障害は発生しないと考えている。

桂川委員
 土壌分析は誰が行うのか。

澁谷技術支援課長
 分析については、通常は農家が各JAや全農ぐんまの土壌分析センターに委託しており、実証ほ等については、普及指導課・農業指導センターが行う場合もある。
 なお、不安の声もあることから、県内3箇所に実証ほを設置し、カリウム肥料の種類や施肥時期が食味等へ及ぼす影響を確認している。結果を踏まえ、農家の不安解消や技術指導に活かしていきたい。

桂川委員
 土壌分析は生産者自身ができるのか。

澁谷技術支援課長
 今回の適正施肥は、個人では難しいと思われるが、土壌の性質によって施肥量の目安がわかるので、地域の普及指導員に相談してもらいたい。

(16)ネオニコチノイド系農薬のミツバチへの影響について

酒井委員
 低濃度でも影響があると言われているが、県としてどう捉えているか。また、調査・研究すべきと思うがどうか。

糸井畜産課長
 日本においては、これまでネオニコチノイド系農薬が原因で蜂群崩壊症候群と確定された報告はなく、農林水産省は、今年度から実態調査を行うことにしている。

酒井委員
 EUでは、予防原則に基づき使用規制をしており、国の調査を待つのではなく、県としてイニシアチブを発揮して取り組んではどうか。

吉野生産環境室長
 EUの規制は、ネオニコチノイド系農薬のうち3種類の農薬を対象にしており、また、全ての作物について規制が行われているわけではない。
 国では、ネオニコチノイド系農薬や代替殺虫剤の効果、ミツバチへの影響、人や水生生物への影響などを考慮し、農薬の使用方法の変更が必要かどうかを検討することとしており、そうした状況を見極めつつ慎重に対応したい。

茂木農政部長
 現在、国が調査を行っているところであり、県としては、その調査にしっかり協力して検討していきたい。

(17)地産地消について

酒井委員
 予算額の変遷はどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 予算については、平成23年度が約650万円、平成24年度が約420万円、平成25年度が約370万円である。また、平成23年度は、福島原発事故後の風評被害対策として、約490万円を9月補正で追加している。

酒井委員
 特徴的な取り組みはあるか。

真下ぐんまブランド推進室長
 県産農産物を積極的に販売、活用し、PRしてもらえる小売店や飲食店、旅館等について、平成24年度末で、ぐんま地産地消推進店を342店、地産地消推進店優良店を13店、ぐんま地産地消協力企業・団体を46企業認定している。

酒井委員
 推進店が増加しているのは良いことだが、生産者の所得向上が原点であり、生産者と消費者の相互理解が求められていることについてはどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 生産振興の原点は地産地消であり、その先に全国、海外があると考えている。生産者と消費者の相互理解としては、収穫感謝祭や、かあちゃんの天下一品フェアなどを通じて支援している。

酒井委員
 学校給食への県産農産物利用の現状はどうか。
真下ぐんまブランド推進室長
 野菜類の利用率は、平成23年度が42.2パーセント、平成24年度が40.9パーセントで、また、県農産物全体の利用率は、平成23年度が63.3パーセント、平成24年度が62.9パーセントと、横ばいの状況である。ただ、米と牛乳は100パーセントであり、米粉パンの提供に対しては、県が支援している。

酒井委員
 地産地消を県が推進することが、TPP締結後にISD条項で問題になる可能性があると思うがどうか。

真下ぐんまブランド推進室長
 農業振興の原点は地産地消であり、どのような状況であっても推進すべく努力したい。

(18)いちご県育成品種「やよいひめ」の海外許諾について

安孫子副委員長
 海外許諾や、技術指導でロイヤリティを得るのはどうか。

茂木農政部長
 当初は県内のみの許諾としていたが、小さいロットではブランド力強化に結びつかないことから、現在は県外にも許諾している。
 海外については、種苗の保護や、粗悪品の流通によりブランドイメージの低下が懸念されるため、まずはしっかりと県内産地を育成する地盤固めが重要と考えている。
 しかしながら、可能性を秘めている新たな提案については、否定的な姿勢ではなく、グローバルな視点から研究・検討したい。

(19)ぐんま農業フロントランナー養成塾について

安孫子副委員長
 知事に、塾長についてもらいたいがどうか。

茂木農政部長
 知事には、主催者・設置者という立場で、開塾式、卒塾式で檄を飛ばしてもらっており、これからの群馬県農政を牽引してほしいという想いは塾生にも十分伝わっていると思うので、当面は今の状況で行いたいと考えている。

安孫子副委員長
 卒塾証書についても、知事から渡してもらったらどうか。

茂木農政部長
 現在は、塾長名で出しており、今後検討して参りたい。


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