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総務企画常任委員会(第133号議案集中審査)

第133号議案の概要等はこちらをご覧ください。

1.開催日時

 平成25年10月2日(水曜日)10時02分~11時31分

2.開催場所

 201委員会室

3.出席委員

 委員長:萩原 渉、副委員長:大手治之
 委員:中村紀雄、委員:腰塚 誠、委員:黒沢孝行、委員:織田沢俊幸、委員:岩上憲司、委員:後藤克己、委員:臂 泰雄

4.欠席委員

 なし

5.主な質疑

(1)新たな検証と安全性について

中村委員
 「新たな検証」では、最近、または今後予想される異常降雨を踏まえて行われたか。新たなダムの力は異常気象に耐えられるか。

清野特定ダム対策課長
 今回の見直しは、利根川の全体の検証を行う中で様々な降雨データ等を見直したモデルで行っている。降雨データは平成19年までの新しいデータを使い解析を行っている。流出モデルも新モデルを使って計算をし、日本学術会議の評価をもらっている。また、八ッ場ダム地点で200年確率の条件で計算している。結果として、吾妻川と利根川の上流6ダムの約6割に相当する十分な治水機能を有する、と国から聞いている。安全性については、新しいデータに基づいた適切な方法で検証しているので、相当な安全性を有している。

中村委員
 超過確率年の200年とは、過去の200年なのか。

清野特定ダム対策課長
 過去に起こった降雨データを統計的に処理し、超過確率年200年規模の降雨に対して計算しているということである。

(2)同意に付する意見について

中村委員
 付帯意見1の「地元住民の将来の不安や不便な生活」とは、どういう点を述べているのか。

清野特定ダム対策課長
 付帯意見1は、工期短縮とさらなる工期延長を行わないことにより、住民が不安や不便な生活で苦しまないようにという意図である。
 付帯意見2は、国がダム事業とともに行っている生活再建事業について地元の意向を尊重し、早期完成を求めるという意図である。

中村委員
 生活再建事業の早期完成は重要な問題であると考えるがいかがか。

清野特定ダム対策課長
 生活再建事業は国のダム建設に関わるものと基金事業がある。ダム事業の中止期間中も生活再建事業を行っており進捗している。工期を延期するダム事業に関連する事業もあるので、地元と工期延長を含めて検討しているが、ダム事業に影響のないものは今まで同様今後も進めていきたい。

中村委員
 生活再建事業は平成31年までには完成するということか。

清野特定ダム対策課長
 ダム完成までには終わらせたいと考えているが、それより早く完成できるものは早めていく。

中村委員
 地元はダム本体完成が生活再建の前提となっている。地元に、具体的に説明すべきではないか。

清野特定ダム対策課長
 これまでも地元の意見を伺い、国・県・町で説明してきた。今後も地元に説明する努力を行っていきたい。

(3)安全確保と総事業費の圧縮について

中村委員
 安全確保と事業費の圧縮は相反するものである。事業費を圧縮することにより安全性がおろそかになってはいけないが、地元は安全を確保して、さらに事業費の圧縮の両方を切に望んでいると思うがどうか。

清野特定ダム対策課長
 群馬県の立場としては総事業費を抑えてもらうことは当然であるが、知事は地元の安全が最優先としている。現段階では工期、事業費を基本計画どおりに収めていただき、安全なダムを造るように国に強く求めていきたい。

中村委員
 地盤的に弱いということもいわれているが、ダムの安全性についてどのような点に留意しているのか。

清野特定ダム対策課長
 ダム本体については国の責任で十分な地質調査を行い、安全なダムを造るように国に求めていく。

(4)洪水調節について

臂委員
 洪水調節について、計画高水流量3,900トンが3,000トンに変更となる客観性の元になるものは何か。

清野特定ダム対策課長
 国による八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討において、降雨量等のデータを点検した上で平成23年9月に日本学術会議に依頼し、その評価を経た流量計算モデルを用い、河川砂防技術基準等に沿って検討した結果で決まったという経緯がある。最高の科学技術の機関に依頼し、そこで妥当という結論が出た結果であり、県としても妥当であると考えている。

臂委員
 洪水調節量を2,400トンから2,800トンへ変更したことに対する県の考えはどうか。

清野特定ダム対策課長
 洪水調節量が変更されたことは、ピーク流量が変わったこと、より効果的に洪水を調節できるよう洪水調節方式が見直しされたことの結果であり、最新の技術的知見が反映されたものと考えている。

臂委員
 調節量というのはダムの管理手法の運用の仕方で決まってくると思われるが、このことによって八ッ場ダムが果たす治水・利水効果は低下しないのか。

清野特定ダム対策課長
 八ッ場ダムが利根川上流ダムで最大の洪水調節量を持っており、上流6ダムの約6割に相当する充分な治水機能を有している。今回の見直しは、日本学術会議の評価を経た新モデルによって計算した結果3,000トンとなったということであり、八ッ場ダムの治水機能が低下するということではない。なお、今回は洪水調節方式の変更であり、利水機能については変更ない。

(5)工期延期について

臂委員
 工期が4年延びることについて、県の考えはどうか。

清野特定ダム対策課長
 平成21年9月ダム建設に係る入札途中の突然の中止表明により、完成工期が4年延長されたことは極めて遺憾である。ただし、ダム本体の早期完成を図るために基本計画の変更が必要となるため、県としてはやむを得ないと考えている。

臂委員
 工期が延期することで地元にどのような影響が出ているのか。

清野特定ダム対策課長
 地元においては、ダムが完成し水がたまって初めて生活再建がスタートする。今回の延期によりダム完成まで6年かかることになり、地元には精神的にも生活設計にも影響を与えることになる。今回、計画変更に同意するにあたり、地元住民がこれ以上、将来の不安や不便な生活に苦しむことがないよう、生活再建事業の早期完成と工期短縮に努め、更なる工期延長は行なわないよう、強く国に求める意見を付している。

臂委員
 工期延期による企業局が影響を受ける部分はあるか、また暫定水利権の扱いはどうなるのか。

武井発電課長
 発電事業については、工期延期による影響以外、特にない。

安済水道課長
 工期延期によって暫定水利権の状態が続くこととなるため、工期延期の期間においても安定水利権と同等の扱いとするよう意見を付したところである。

臂委員
 付帯意見にある工期短縮には、国に要望するだけでなく、県として工期短縮のために担うべき役割があると考えるがどうか。

清野特定ダム対策課長
 県が担う役割として、工事用道路と生活用道路との関連、打設の時間における騒音の問題、地元における物資調達の対応等、常時地元との調整作業に関して、国の間に入って積極的に加わっていきたいと考えている。

(6)工期延期の原因について

後藤委員
 工期延期について4年間の遅れは民主党政権にあると言われているが、本質は、前提となる鉄道付替が遅れているために本体工事に入れないのではないか。また平成31年に完成できず、更なる工期延長となるのではないか。

清野特定ダム対策課長
 鉄道の付替については、全ての区間に工事着手し9割進んでいる。電気施設についても、今年度に着手するので先が見えている。国の方でも、ダム本体工事に影響しないように付替工事を完了させるよう、JRと調整していると聞いている。国道や県道も付け替わっている。ダム本体の用地についても、全て買収済みであると国からは聞いている。左岸天端の作業ヤード造成についても、鉄道に影響しないように、落石防護柵を設置して工事を行うと聞いている。段取りとしても、本体工事に入るという意味での問題はほとんどないと考えている。

角倉委員外議員
 本体工事が平成31年6月ということだが、試験湛水も含めて平成31年6月までに終わるのか。

清野特定ダム対策課長
 平成31年度中に試験湛水を行うものと考えている。

(7)事業費増額について

後藤委員
 平成23年度に再検証した際、工期の遅れ、地すべり対策、代替地の安全等により183億円増額と報道されている。今回の付帯意見にある安全対策にも万全を尽くしながら、総工費も増額しないということが本当に両立できるのか。

清野特定ダム対策課長
 安全対策については、現在、地質調査を実施しているところであり、対策工事を実施するかどうか確定できない。具体的な事業費が分からない段階では、対策工事費を含めていない。そのため地質調査の結果により、対策工事の範囲は変わり、全てを実施するかも分からない。いずれにしても、県としては、コスト縮減に取り組み、総事業費以内での完成を目指して、最大限の努力を行っていただきたいと国に求めている。

伊藤委員外議員
 代替地整備費用は100億円を超える。一方、代替地の分譲収入は高く見積もっても30億円に届かないと思う。また東京電力への松谷発電所の水利権更新によって責任放流が確保されるため、これに伴い吾妻川の流量維持の目的が無くなる。この負担額97億円はどうなるのか。さらに減電補償、我々の試算では200億円規模になると思われるが、それらを考えると事業費は増額となるのではないか。今回変更に同意するにあたり、確認すべきでないか。

清野特定ダム対策課長
 今回の計画変更にあたっては、検証に係る検討時の点検以降の予算執行状況を踏まえて、国として、現時点であらためて精査した結果、平成31年度完成までに要する費用は、現行計画と同じ約4,600億円となったということである。今後、実際の施工に当たっては、事業全体におけるコスト縮減に取り組み、事業費以内での完成を目指して最大限の努力を行うと聞いている。

伊藤委員外議員
 県は実際に事業費増額がないと確認しているのか。

清野特定ダム対策課長
 国からは、代替地の整備費用は分譲収入で賄うため、事業費の中には含めていない、また、減電補償等の必要経費も残事業費の中に含まれていると聞いている。

伊藤委員外議員
 吾妻川の流量維持の目的が無くなるが、そのための負担はどうか。

清野特定ダム対策課長
 発電に義務付けられるガイドライン放流についての話だと思うが、発電の申請が東京電力から国へ提出され、現在協議中であり詳細については聞いていない。

伊藤委員外議員
 県は問題点をしっかり確認してもらいたいと思うがどうか。

笹森県土整備部長
 地すべり対策等については、情報開示を求めて住民の方々が不安のないようにしっかり対応していきたい。また、指摘のあった点についてもしっかり対応しているか確認させていただきたいと考えている。

角倉委員外議員
 総工費が4,600億円のうち、今までのダム事業費はどれくらいか。

清野特定ダム対策課長
 国から正式な精算という形では出ていないが、平成24年度末で3,824億円である。

角倉委員外議員
 残りは約800億円だが、ダム本体工事費が700億円かかると言われている。地すべりの安全対策等を考えたとき、足りないのではないか。

清野特定ダム対策課長
 国からは本体工事費について一切聞いていないが、本体を含めて事業費には変更がないと聞いている。

(8)川原湯温泉駅前広場とアクセス町道について

伊藤委員外議員
 鉄路と駅舎の目処が立っていても駅前広場とアクセス町道は未定と聞いているが、工事の進捗に影響はないか。

清野特定ダム対策課長
 国の説明では、付替鉄道については、ダム本体工事に影響がないように工事を完了するようJRと調整していると聞いている。また、川原湯温泉駅の駅前広場及び川原湯温泉駅前を通る町道川原湯温泉幹線街路についても一部用地が難航しているが、駅の開業に支障がないように長野原町とも調整しながら適切に対処していくと聞いている。

(9)貯水池周辺地すべりについて

伊藤委員外議員
 ダム本体工事終了後の試験湛水で地すべりが発生し、その対策のために工事が5年10年と延長している事例が相次いでいるが、県はその危険性についてどう捉えているのか。

清野特定ダム対策課長
 地すべりは、住民の安全に関わるものであることから、そのようなことがないよう、あらかじめ十分に調査を行い、その対策に万全を期すよう、国に強く求めているところである。

伊藤委員外議員
 今回の変更では、検証で示された地すべり対策及び代替地の安全対策が盛り込まれていないのであるから、国に対してしっかりやるように県は求めるべきではないか。

清野特定ダム対策課長
 国に対して、しっかりやるように求めていきたいと考えている。

(10)基本計画の変更内容について

角倉委員外議員
 埼玉県の滝沢ダムでは、地すべりが発生し工期が延長になった事例がある。実際、増額になった場合、法律的に群馬県が払う必要があるのか。

清野特定ダム対策課長
 国が基本計画を変更する場合には法律に基づく手続きを行うことになる。

角倉委員外議員
 変更を認めなければ払う必要がないのか。

清野特定ダム対策課長
 不測の事態が生じた際には、国から事情を良く聞いて協議、検討、判断することになるので、変更については、県として十分検討する必要がある。

角倉委員外議員
 残事業や工期の中身も分からない状態で、基本計画の変更に直ちに応じるのは難しいと思われる。変更内容や、今回の議案について国としっかり論議したうえで、県議会に報告すべきだと考えるがどうか。

清野特定ダム対策課長
 ご指摘の内容を含めて知事協議をしている。また、長野原町、東吾妻町の両町長、議長の意見も反映させていただいている。
 工期については、ダム本体の入札公告から87ヶ月必要と検証の際示されており、今回の工期設定はダム本体関連工事の公告開始から83ヶ月と、国は4ヶ月工期短縮を図ったものであり、県としても無理な設定ではないと考えている。

角倉委員外議員
 県としては事業費よりも代替地の安全性が最優先であるため、残事業費800億円の内訳説明について国に対し、強く要望していただきたいがどうか。

清野特定ダム対策課長
 県は事業費についてチェックする立場であるため、今後も国にできる限りの情報開示を求めていきたい。


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