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平成29年第1回定例県議会 知事提案説明

更新日:2017年2月20日 印刷ページ表示

 平成29年第1回定例県議会の開会に当たり、提案説明に先立ち一言申し上げます。

 去る2月13日から18日にかけ、ベトナム社会主義共和国及び香港を訪問して参りました。

 ベトナムでは、進出や投資に関心を寄せる県内企業にも参加していただき、現地企業との商談会を開催するとともに、同国政府とは、労働分野において、日本の自治体で初となる、「人材育成・活用における覚書」を締結するなど、協力関係をより強固なものとしたところであります。これまでの経済分野における交流に加え、技能実習生の円滑な送り出しや受入れなどに取り組むことで、産業人材の育成と活用を図って参ります。
 その後、訪問した香港でも、県内から進出している企業の皆様から、直接、現地の状況をお聴きしたところであり、今回の訪問の成果を十分に活かして、本県経済の活性化につなげていきたいと考えております。

 さて、1月に行われた全国高校サッカー選手権では、前橋育英高等学校が準優勝に輝き、また、全国都道府県対抗駅伝では、男子が6位に入賞し、女子では区間賞を獲得するなど、スポーツの分野における若い力の活躍は素晴らしいものがあり、県民に大きな喜びと感動を与えてくれました。
 そうした中、昨年6月に県スポーツ協会から招致要望を受けた国民体育大会についてでありますが、これまで、スポーツ推進審議会、県議会、市町村等から広く御意見を伺うとともに、幅広い分野の有識者からなる国体検討懇話会を設置し、検討をしていただきました。
 そして、群馬県で国体を開催する意義、目指す方向、課題についてとりまとめた報告を1月23日にいただき、県としても検討をして参りました。
 その結果、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の開催は、県民のスポーツに対する興味や関心を高めるだけではなく、次代を担う子どもたちに夢や希望を与え、健康づくりの推進や共生社会の実現など活力ある地域づくりに寄与するものであり、本県の魅力を発信する絶好の機会になると考えたところであります。
 そこで、平成40年の第83回国民体育大会を本県に招致し、あわせて全国障害者スポーツ大会を開催することといたしました。
 国体開催にあたっては様々な課題がありますが、国体検討懇話会の報告の趣旨等を踏まえながら、今後、市町村や関係団体等と連携して検討し、人と地域が輝き、本県を大きくはばたかせる国体の実現を目指して参りますので、県議会、県民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
 なお、これまで推進してきた「7つの交通軸構想」のうち、長年の念願であった「国道17号上武道路」についてでありますが、この3月19日に全線開通する、と国土交通省から発表がありました。
 現在の国道17号の混雑緩和はもとより、本県と都心を結ぶ強力なネットワークの実現により、大幅な物流の効率化が図られ、生産性や利便性が飛躍的に向上することが期待されます。この効果を活かして、本県の更なる発展につながるよう、引き続き、企業誘致や産業振興、観光誘客などに取り組んで参ります。

 それでは、平成29年度当初予算案をはじめ、提出議案の大要について御説明申し上げますとともに、併せて、県政推進に当たっての所信の一端を申し述べます。

当初予算編成の基本方針

 今回の当初予算の編成に当たっては、総合計画における、3つの基本目標である、

  • 「地域を支え、経済・社会活動を支える人づくり」・「誰もが安全で安心できる暮らしづくり」
  • 「恵まれた立地条件を活かした産業活力の向上・社会基盤づくり」

の実現に向け、13の政策を着実に推進することを基本方針といたしました。
 こうした方針のもとに、人づくりをはじめとした未来への投資を着実に進め、群馬らしさを活かした豊かな社会の実現に向けた『ぐんまの未来創生予算』を編成したところであります。

当初予算の規模

 平成29年度の一般会計当初予算の総額は、7,245億6,300万円であり、平成28年度当初予算に比べ0.4%の増となっております。

当初予算の財源

 当初予算の主な財源についてでありますが、まず、県税収入についてであります。平成28年度は、地方消費税が好調なことなどから、当初予算額の2,490億円を上回る、2,500億円程度を確保できる見通しとなっております。一方、平成29年度については、企業の所得に対する税負担を軽減し、外形標準課税を拡大する税制改正の影響や、昨年の円高による企業収益の減少などから、28年度当初予算に比べ140億円の減となる、2,350億円と見込んだところであります。
 また、地方交付税についても、基本的に、前年度の県税収入を基礎として算定されることなどから、28年度当初予算に比べ106億円の減となる、1,150億円に留まる見込みで、国の地方財政対策により増額が見込まれる臨時財政対策債とあわせても、県税収入の減額に見合った額が確保できない状況となったところであります。
 この財源不足に対応するため、財政調整基金及び減債基金については、可能な限り取り崩すこととし、その上で、実際の県税収入額が、交付税を算定する上で見込んだ額を下回る場合に発行ができる、減収補てん債を、当初予算において計上することとしました。その他の県債についても、将来を見据えた投資を確保するため、必要な額を発行することで、県民生活に支障を生じさせることのないよう、必要な財源の確保を図ったところであります。
 一方で、プライマリーバランスは、減収補てん債を含めても17年連続で黒字を維持し、県債残高については、地方交付税で償還費が措置される臨時財政対策債と減収補てん債を除き、減少させており、財政の健全性にも配慮しながら、予算を編成したところであります。
 なお、企業局からの繰出金については、新たに「ぐんま未来創生基金」を設置し、未来創生のための事業に活用していくこととしております。

重点施策

 それでは、平成29年度に実施する重点施策について申し上げます。
 まずは、「次代を担う子どもたちのための施策の充実」であります。
 人口減少社会が進む中、本県の未来を支える子どもたちのための施策の充実を図って参ります。
 定時制・通信制の高校にもスクールカウンセラーを配置し、生徒へのケアを充実させます。また、平成32年度からの小学校における英語の教科化に向け、英語教育アドバイザー教員を新たに配置します。
 貧困や退学など、様々な理由により学習機会に恵まれない子どもたちへの支援策を強化するほか、民間団体が取り組む、子ども食堂の立ち上げ等を支援することで、子どもの居場所づくりにも取り組んで参ります。

 次に、「障害のある子どもたちの教育環境の整備」であります。
 特別支援学校高等部の未設置地域の解消に向け、沼田特別支援学校の整備を進めるほか、残る藤岡、富岡、吾妻の各地域についても、平成30年4月から、生徒の受入れが開始できるよう、準備を進めて参ります。
 また、重複障害のある児童・生徒や保護者の方々の通学負担の軽減を図るため、平成30年4月から、県内各地域において身近な学校で受け入れることができるよう、準備を進めることとし、平成29年度は、伊勢崎特別支援学校で、看護師を配置することで、受入れを開始します。
 さらに、二葉特別支援学校、二葉高等特別支援学校に、新たにスクールバスを導入します。

 次に、「群馬の魅力を活かしたイメージアップと誘客促進」であります。
 上信越県境の稜線トレイルについて、未開通部分の整備に着手し、全線開通させるなど、魅力あるぐんまの山々を活かした取組を進めていきます。
 また、上野三碑の「世界の記憶」登録を推進するとともに、本年7月にグランドオープンする歴史博物館を活用しながら、東日本最大の古墳大国であった本県の歴史や価値を、県内外に発信し、周知して参ります。
 そして、国内有数の観光資源である温泉なども組み合わせながら、このような魅力を活かした観光誘客に取り組んで参ります。

 次に、「群馬の強みを活かした仕事づくりと就労支援」であります。
 若者や女性などの雇用の場を創出する、コンベンション施設については、平成32年春の開所に向け、建設に着手するほか、県内の事業者がビジネスチャンスを獲得できるよう、関連産業への参入を支援して参ります。
 また、若者や女性、高齢者や障害者など、誰もが活躍できるよう、就労の支援にも引き続き、取り組んでいきます。

 このほか、県民の安全・安心を確保するための施策にも、引き続き、しっかりと取り組んでいくこととしております。
 高崎北警察署については、平成33年度末の完成に向け、必要な取組を進めるとともに、災害の未然防止と被害軽減を図るため、道路防災や治水対策、土砂災害対策など、災害に強い県土づくりを進めて参ります。
 また、イノシシやシカの捕獲頭数を大幅に増やすなど、有害鳥獣対策にも力を入れて参ります。
 医療・福祉の分野では、前橋赤十字病院の新築移転を継続して支援するととともに、認知症の方や家族への支援、自殺対策にも、しっかりと取り組んでいきます。

 産業の振興については、「林業県ぐんま」への飛躍を目指し、施業の集約化や路網整備、高性能林業機械等の導入を支援するほか、原木の製材工場への直送による県産材の安定供給や、ツーバイフォー工法への利用などを進めて参ります。
 また、農畜産物の輸出促進に取り組むとともに、自動運転車や医療・ヘルスケア、航空宇宙関連など、次世代産業分野への中小企業の参入も、引き続き支援して参ります。

平成29年度関係その他の議案

 このほか、特別会計については、母子父子寡婦福祉資金貸付金会計など11件を、企業会計については電気事業会計など7件を提出しております。
 事件議案は、30件を提出しております。
 第13号議案は、県立2大学の公立大学法人への移行に備え、公立大学法人評価委員会を設置しようとするものであります。
 第14号議案は、「ぐんま未来創生基金」を設置しようとするものであります。
 第32号議案から第34号議案は、県行政に係る基本計画の議決等に関する条例に基づき、国土強靱化地域計画などの計画策定に当たり、議会の議決を得ようとするものであります。

平成28年度関係議案

 続いて、平成28年度関係についてでありますが、予算関係では15件を提出しております。
 このうち、一般会計補正予算案については、国の補正予算を活用した、県立学校の整備や、試験研究機関の整備をはじめとした地方創生拠点整備交付金事業の追加など、所要の補正を行うものであります。
 事件議案としては、総合スポーツセンター伊香保リンクの指定管理者の指定や、回収の見込めない債権の放棄など、20件を提出しております。

おわりに

 本県が将来にわたり、持続的に発展し続けるためには、人口減少対策を土台に据えた、県総合計画及び県版総合戦略を着実に推進していくことが重要であります。
 県民の安全・安心を確保しつつ、人づくりや仕事づくりをはじめ、群馬らしさを活かし、本県の未来を見据えた施策を盛り込んだ「ぐんまの未来創生予算」を効果的に執行することで、県民の皆様が豊かさを実感し、暮らし始め、住み続け、家族を増やしたくなるような「魅力あふれる群馬」の実現に向け、引き続き、全力で取り組んで参ります。
 県議会、県民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。

 以上、県議会の開会に当たり、県政推進に当たっての所信の一端を申し述べるとともに、提出議案の大要について御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重御審議の上、御議決くださいますよう、お願い申し上げます。

 なお、第82号議案の監査委員の選任につきましては、事案の性質上、早急に御議決くださいますようお願い申し上げます。