都市公園長寿命化計画
県立都市公園の施設は、建設後20年以上経過している施設が多く、これから更新・維持管理費用が増大することが見込まれます。そこで、遊具・建物といった施設について、定期点検や修繕・補修等を行い施設の長寿命化を図り、現存の施設をより長く大切に使用していきます。それに合わせ、部分的な修繕では対応できない施設や利用者・社会ニーズの変化により陳腐化した施設については 適宜更新を行います。
概要
1.長寿命化対策対象施設
県立都市公園にはを超える多種多様な施設があるが、下記の通り施設の種類・規模に応じた分類を行い、長寿命化対策を実施する。
建築物、遊具に分離し、それぞれについて表記しています
2.主な施設の劣化要因及び点検方針
(1)建築物(コンクリート)
劣化のメカニズム:・経年劣化によるモルタルの劣化・クラックの進行・中性化
- 鉄筋発錆による表面の剥離
- クラック・防水劣化に伴う漏水
- 経年変化に伴う内装・設備の劣化
点検方法:・目視によるクラック・錆汁・変形状況の確認
- 打診・触診による浮き・剥離状況の確認
- 目視による漏水箇所の確認
- 目視・触診による内装・設備の劣化状況の確認
(2)設備(ポンプ)
劣化のメカニズム:・経年劣化による部品の損傷・摩擦
- 水等の原因による腐食・発錆
- 油切れ・汚れ等による不具合
点検方法:・分解点検
- 目視・触診・打診による劣化状況確認
- 異音・異常振動・臭気の確認
- 作動テストの実施
(3)遊具(大型)
劣化のメカニズム:・風雨・生物等による表面の劣化・発錆・腐朽
- 稼働部の疲労による摩耗・劣化
- 経年劣化による付属部品の劣化
点検方法:・目視・触診・打診による劣化状況確認
- 打診・触診による部材のゆるみの確認
- ノギスによる摩耗状況の確認
3.施設毎の長寿命化対策の実施
(1)予防保全型管理(状態監視保全)
劣化状況の確認・監視が可能な施設(建設・遊具等)について指定管理者とともに日常点検や専門家点検を実施し必要な部材の修繕(クラック補修・塗装等)、取り替えを行う。
主な施設:建築物(陸上競技場メインスタンド)遊具(サイクルモノレール)など
(2)予防保全型管理(時間計画保全)
状態監視が行えない設備、機器で一定の稼働時間を経過した機器(ポンプ等)を分解し点検及び修繕・取り替えを行う。
主な施設:水泳場ポンプ施設、動力系遊具の設備(モーター)など
(3)事後保全型管理
予防保全が不可能な場合、効果が薄い場合や損傷しても施設的に致命的な影響を与えない機器のため、不具合が生じた場合に修繕を行う。
主な施設:建築物に付随する制御版、照明等
4.陳腐化対策
公園は、利用者ニーズ及び社会情勢の変化による公園の有効性・機能への影響が大きく、それらニーズの変化に対応していかないと、施設自体が陳腐化し、利用されない公園となる恐れがある。そのため、公園利用者や関係者、学識経験者の意見も確認しながら、必要に応じて、県民のニーズの変化や社会適要請に対応した施設更新(陳腐化対策)を実施する。
5.長寿命化による効果
- 施設の耐用年数を延伸
建築物 24~50年から→ 43~65年
遊具 15年から→ 36年 - 年間投資額の低減 12.0億円/年→7.7億円/年