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多重債務で悩んでいませんか?

更新日:2021年2月12日 印刷ページ表示

多重債務とは?

 多重債務とは、既にある借金の返済にあてるため、別の金融業者から借り入れを繰り返し、利息の支払いがかさみ、借金が雪だるま式に増えてしまう状況をいいます。
 債務者は借金を繰り返すことで状況をさらに悪化させ、日々取り立てに追われることで精神的に追い詰められ、冷静な判断ができなくなってしまいます。

どうして多重債務になるの?

 多重債務の原因は、リストラや倒産等による失業、不況による収入の減少、ギャンブル依存、無計画なクレジットカードの利用、連帯保証人としての返済などさまざまです。
 「生活費が足りない」など些細なきっかけから始まる場合もあります。次第に借金返済の目処が立たず、取り立ての恐怖で怯え、あらたな借金をしてしまい、その結果、多重債務に陥ることになります。

多重債務になってしまったら?

 どんなに多額の借金を抱えてしまっても、必ず解決する方法があります。一人で悩まず、早めに家族や法律専門家(弁護士・司法書士)に相談しましょう。
 県や市町村では多重債務に関する相談窓口を設置しております。相談窓口では本人の事情をお聞きしながら債務の状況を整理したうえで、法律専門家への橋渡しを行います。まずは身近な相談窓口へ一刻も早く相談しましょう。

法律専門家に依頼する場合の費用は?

自己破産の場合

  • 弁護士費用:概ね30~60万円程度
    (法テラス利用の場合:15~20万円程度)
  • 司法書士書類作成費用:概ね10~20万円程度
    (法テラス利用の場合:10~12万円程度)

 ※金額はあくまで目安です。別に手続費用が必要となりますので、詳細については法律専門家に確認してください。また分割払いの相談にも応じてくれます。

主な相談事例

事例1 自宅を手放したくない…

 購入した土地の上に住宅ローンを組んで自宅を新築した。これまで滞りなく返済してきたが、会社が倒産し、失業して以来、返済が苦しくなっている。自宅は手放したくないが、どうすればいいのか。(40歳代・男性)

事例2 家族に借金を知られたくない…

 先物取引で預貯金を使い果たし、損を取り返すために、2社からカードローンで200万円借りたが返済できない。子どもの教育資金が必要だが、妻に知られると離婚されてしまうので話していない。(50歳代・男性)

事例3 息子の借金を止めさせたい…

 息子がギャンブル依存で借金が膨らみ、督促状が届いた。何度か肩代わりしているが、妻子があるのに、借金を繰り返し、ギャンブルに注ぎ込んでしまう。何か良い方法はないのだろうか。(60歳代・女性)

あなたは大丈夫ですか?

 1つでもあてはまるものがあれば相談してください!

  • 複数者からの借金を抱え困っており返済も滞りがちである。
  • 別の金融業者から借りて返済するという自転車操業になっている。
  • 借金の返済に追われて生活に行き詰まり、税金、公共料金、国民健康保険料、授業料、家賃などを滞納している。
  • 借金の整理について「誰に相談すればよいか」、「どこに相談すればよいか」わからない。

相談フロー図

 勇気を出して相談を!

  1. 相談者
    悩んでいる間にも利息は増えていきます
  2. 相談窓口(無料・秘密厳守)
    県または市町村の相談窓口
  3. 法律専門家(弁護士・司法書士)
    業者への通知による取立ての停止
  4. (法テラス)
    依頼費用の立替制度
  5. 債務整理相談者の状況に応じた解決方法の選択

相談の際に持参していただく書類

 スムーズに相談を進めるため、以下の書類をご用意ください。なお、用意ができない場合でも相談に応じないことはありません。

借入れに関するもの

 キャッシングのカード、借入れの際の契約書、利用明細書・領収書・督促状・ローンの場合の返済表など

収入がわかるもの

 源泉徴収票、給料明細など

多重債務の解決方法

多重債務の解決方法一覧
整理方法 概要 適している場合 メリット・デメリット
任意整理 裁判所を使わず、当事者間の話し合いで、返済の仕方を和解する方法
  • 返済している期間が比較的長い場合
  • 引き直し計算で借金の減額が見込まれる場合
メリット
  • 当事者間の話し合いによるため、柔軟な返済計画を組むことが可能
  • 引き直し計算により、借金の額の減額が可能
  • 法律専門家の受任通知により取立てが止まる
    (全ての手続きに共通)

デメリット

  • 当事者間の任意の話し合いのため、話し合いに応じない貸金業者に対する強制力がない
  • 事故情報に登録される恐れがある
    (全ての手続きに共通)
特定調停 簡易裁判所が債権者と債務者の間に立って、利害調整をする方法
  • 借金をしている貸金業者の数が少ない場合
  • 引き直し計算で借金の減額が見込まれるが、過払い金は発生していない場合
メリット
  • 裁判所に選任された調停委員が仲介するので、公平な結論が期待できる
  • 返済計画に強制力があり、給与の差押え等も止められる
  • 法律専門家を頼まずにできるので、費用が安い
デメリット
  • 借金をしている全ての貸金業者の合意を得る必要がある
  • 返済計画に強制力があるため、返済が滞ると直ちに給与等を差し押さえられる
個人版民事再生 地方裁判所が認可した再生計画に基づき債務を返済する方法
  • 相談者が給与等の定期的な収入を得ている場合
  • 住宅ローンがあり、住宅を手放したくない場合
メリット
  • 話し合いによる解決が難しい場合でも債務整理が可能
  • 住宅ローン特別条項により、住宅を失わずに借金を整理することも可能
    (特別条項を利用できない場合もある)
  • 貸金業者からの給与の差押え等を止められる
デメリット
  • 利用できる者に制限がある
  • 手続きが相対的に複雑なため、費用と時間がかかる
自己破産 地方裁判所を通じて債務の支払いを免責してもらう方法
  • 返済の見込みがない場合
メリット
  • 免責が許可されれば、早期に借金から解放される
  • 貸金業者からの給与の差押え等を止められる
デメリット
  • 最低限の生活資材を除き、住宅等の財産を失う
  • 破産原因によっては免責されない場合がある
  • 官報に氏名・住所が記載される
    (戸籍や住民票に記載されることはありません)
  • 免責が許可されるまで一定の職業に就けない等の制約がある

解決方法を選択する目安

 4つの解決方法のどれが適しているかは、さまざまな条件を考慮して判断することになりますが、次の方法によって大まかに判断できます。

 ※あくまで目安です。詳しくは、法律専門家(弁護士や司法書士)にご相談ください。話を伺った上で最適な手続きを提案します。

解決方法を選択する目安
  はい いいえ
1.安定した収入がある 2.へ 自己破産
2.毎月一定額を返済できる 3.へ 自己破産
3.3年間(36回以内)で返済できる 4.へ 5.へ
4.裁判所を利用したい 特定調停 任意整理
5.住宅ローンがある 6.へ 自己破産
6.住宅ローンを除く債務の3分の1又は100万円を3年間で返済できる 民事再生 自己破産

消費者金融からの借入ルールの変更

 「貸金業法」という法律が改正され、平成22年6月18日に完全施行されたことにより、貸金業者からの借入残高の上限を規制する「総量規制」が導入されました。

 借入残高が年収の3分の1を超えている者については、新規の貸付けを停止
 (※直ちに年収の3分の1までの返済を求めるものではありません)

注意点

  1. 総量規制は、貸金業者から行われる個人の借入に適用されます。したがって、銀行、信用金庫など、貸金業者以外からの借入や、企業の借入は対象外です。
  2. 本人の年収を確認するため、ある貸金業者から50万円を借りている場合、及び他の貸金業者から借りている分も合わせて合計100万円を超えている場合は、年収を証明する書類の提出が必要です。これ以外の場合は自己申告により年収を確認します。
  3. 年収を証明する書類とは、「源泉徴収票」、「確定申告書」、「給与明細」など1年間の収入が分かるような書類です。
  4. 借入残高が年収の3分の1を超えていても、住宅ローン、自動車ローンなどは借入可能です。
  5. クレジットカードを使った「ショッピング」は規制の対象外ですが、「キャッシング」は規制の対象になります。

法律専門家に債務整理を依頼した場合

貸金業者の取立てはすぐに止められます!

 債務整理を受任した法律専門家が貸金業者に対しその旨を通知をすることにより、貸金業者は直接債務者に取立てができなくなります。

利息制限法の利率で引き直し計算を行うことにより借金の額を確定します!

 法律専門家が取引のあった貸金業者から取引履歴を取り寄せ、利息制限法の引き直しにより借金の額が確定します。長期間にわたって、返済を続けている場合には、借金が大幅に減額になる可能性があります。

依頼費用の立替制度や分割払いの相談ができます!

 経済的に余裕がない方が法的トラブルにあった時に、法律専門家に委任する費用を用意できない場合でも、「民事法律扶助制度」による費用の立替制度が利用でき、また分割払いについても相談できます。なお、援助にあたっては資力などの審査があります。この制度については法テラス群馬又はサポートダイヤルにお問い合わせください。

引き直し計算とは…

 債務整理を行う際に、債務を利息制限法に基づく金利で計算し直すことを引き直し計算といいます。この引き直し計算により、債務の減額ができる場合があります。
 また、長期にわたって返済を続けている場合は、払い過ぎた利息(過払金)を取り戻せる可能性もあります。

 ※利息については、利息制限法による民事上の上限金利(15~20%)と刑事罰の対象となる出資法の上限金利(改正前:29.2%)があります。この2つの上限金利の隙間部分の金利が「グレーゾーン金利」と呼ばれていますが、平成22年6月18日以降、出資法の上限金利が20%に引き下げられ、グレーゾーン金利が撤廃されました。これにより、上限金利は利息制限法で定められた水準(貸付け額に応じて15~20%)となっています(利息制限法の上限金利を超える金利は、無効・行政処分の対象となり、出資法の上限金利を超える金利は、刑事罰の対象となります)。

民事法律扶助制度

民事法律扶助制度の内容
援助の内容 資力基準
(収入等が一定基準以下であること)
  • 法律相談援助

弁護士・司法書士による無料法律相談

月収(手取り、賞与を含む)の目安は次のとおりです。

  • 単身者182,000円以下
  • 2人家族251,000円以下
  • 3人家族272,000円以下
  • 4人家族299,000円以下

※1人増につき30,000円が加算されます。
※家賃、住宅ローン、医療費などの出費がある場合は一定額が考慮されます。
※保有資産の合計が一定額以上になる場合は原則として援助できません。

  • 代理援助

裁判や調停、交渉などで専門家の代理が必要な場合に、弁護士・司法書士の費用を立て替えます。

  • 書類作成援助

自分で裁判を起こす場合に、裁判所提出書類の作成を行う弁護士・司法書士の費用を立て替えます。

多重債務にならないために…

  • きちんとした生活設計を立てるなど、家計の管理を徹底しましょう。日頃から収入と支出のバランスがとれた生活を心がけることが大切です。
  • 買い物や借入れをする場合は、本当に必要か、返済可能かよく考え、不必要な出費は控えましょう。また、支払額、返済期間、金利、手数料などを確認しておくことも重要です。
  • クレジットカードは管理できる最小限の枚数にしましょう。クレジットカードにもキャッシング機能が付いているため、多重債務の原因となる場合があります。
  • 友人や知人から保証人を頼まれても、安易に引き受けず、慎重に検討しましょう。
  • 借金を返済するために借入れをすれば、さらに借金を増やすことになり大変危険です。

注意点

ヤミ金融に気をつけて!

 借金の返済に追われ「ヤミ金融」に手を出してしまう事例もあります。
 ヤミ金業者は、無登録で貸金業を営み、違法な高金利で貸し付けを行う悪質な業者で、一度手を出してしまうと暴力的・脅迫的な取り立てが家族や職場にまで被害が及ぶこともあります。
 返済困難者をターゲットにダイレクトメールや電話勧誘などで「審査なし」、「スピード融資」、「低金利一本化」などと勧誘することがありますが、甘い言葉には十分気をつけてください。

「クレジットカードの現金化」に気をつけて!

 クレジットカードには、商品やサービスを購入して、後払いにする「ショッピング」の機能とカードを使用してお金を借りる「キャッシング」の機能があり、利用可能な金額枠が設定されています。
 「クレジットカードショッピング枠の現金化」とは、「ショッピング」の利用可能枠を換金する目的で利用することです。カード会社はこのような使い方を認めてはおりません。絶対に行わないでください。

家計簿をつけよう!

 借金の債務整理とともに、その後の生活を立て直していくためには、相談者自身による家計管理が欠かせません。どのくらいの費用をかけて生活しているのか、無駄な出費はないか、あるとすればどのような費用なのかを把握して、金銭管理能力を育てることが大切です。
 そのためにも、家計簿をつけるようにしましょう。使ったお金を毎日記帳することで、家計管理の基礎が身につきます。つけ方がよくわからない場合は多重債務者支援団体が応援してくれますので、気軽に相談しましょう。

家計簿のタウンロード

家計簿をつけるメリット

  • すべての支出を把握できる。
  • 家計の収支を家族と共有できる。
  • 最低限必要な生活費を知ることができる。
  • 貯金をしたり、必要なものを購入するための資金を生み出すなど、家計をコントロールできる。
  • お金に関する行動を振り返ることで、反省する点や次の目標に役立てることができる。

多重債務者相談窓口一覧

 多重債務者相談窓口のご案内(群馬県ホームページ内)をご覧ください。