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令和3年度 第4回ぐんま緑の県民税評価検証委員会

更新日:2022年5月6日 印刷ページ表示

1.日時

令和4年3月16日(水曜日)14時00分~16時00分

2.会場

群馬県庁29階 第1特別会議室

3.出席者

  • 委員:西野委員長ほか9名
  • 県:岩瀬環境森林部長ほか7名
  • 事務局:森林保全課職員3名

(別添出席者名簿のとおり)

4.環境森林部長あいさつ

[略]

5.委員長あいさつ

[略]

6.議事

(1)報告事項

ア 令和3年度ぐんま緑の県民基金事業の実施状況について
 (ア)ぐんま緑の県民基金事業について(総括表)
 (イ)水源地域等の森林整備事業
 (ウ)森林ボランティア活動・森林環境教育の推進
 (エ)市町村提案型事業

イ 令和4年度市町村提案型事業の採択について(独自提案事業を除く)
ウ 林業試験場の今後の研究について

(2)協議事項

ア 令和4年度市町村提案型事業の採択について(独自提案事業)

7.質疑内容

  • (司会)
    (14時00分 司会 開会を宣言する)
  • (司会)
    環境森林部長からあいさつを申し上げる。
    (環境森林部長)
    [あいさつ] (省略)
  • (司会)
    次に、西野委員長からごあいさつをいただく。
  • (西野委員長)
    [あいさつ] (省略)
  • (司会)
    これより議案の審議に移るが、議長は西野委員長にお願いする。
  • (議長(西野委員長))
    まず「令和3年度ぐんま緑の県民基金事業の実施状況について」説明をお願いする。
  • (緑化推進主監)
    「令和3年度ぐんま緑の県民基金事業の実施状況について」を資料1~4により説明。
    資料1 ぐんま緑の県民基金事業について(総括表)
    資料2 水源地域等の森林整備事業
    資料3 森林ボランティア活動・森林環境教育の推進
    資料4 市町村提案型事業
  • (議長(西野委員長))
    「令和3年度ぐんま緑の県民基金事業の実施状況について」説明いただいた。
    委員から質問はあるか。
  • (委員)
    特になし。
  • (議長(西野委員長))
    次に「令和4年度市町村提案型事業の採択について(独自提案事業を除く)」説明をお願いする。
  • (事務局)
    「令和4年度市町村提案型事業の採択について(独自提案事業を除く)」を資料5により説明。
  • (議長(西野委員長))
    「令和4年度市町村提案型事業の採択について(独自提案事業を除く)」説明いただいた。
    委員から質問はあるか。
  • (委員)
    特になし
  • (議長(西野委員長)
    次に「林業試験場の今後の研究について」説明をお願いする。
  • (林業試験場長)
    「林業試験場の今後の研究について」を試験場資料により説明。
  • (議長(西野委員長))
    「林業試験場の今後の研究について」の説明をいただいた。
    日本の林業の始まりは奈良県の吉野と言われるが、この辺りは1ヘクタールで7000本ほど植栽しており、主伐前に間引きがある。
    また、吉野は堅く年輪のしまったスギを育てることで有名である。
    群馬県だと1ヘクタールあたり2500本程度の植栽密度であり、吉野に比べると群馬県は余裕を持って植栽している。
    吉野林業の木は、非常に目のしまった良い木が生産されており、産業としての林業で行われる間伐である。
    林業試験場長から話のあったとおり、どの程度の間伐が適正なのかというのは、よくわかってない。それについて、色々と研究をしていくということである。
    これについては、県で調査を行ってもらい、委員会で報告をお願いしたい。
    以前、校庭の緑地化について、兵庫県が実施している事業がどんな効果があるのかということを事務局に調べてもらったことがある。
    群馬県でも試験的に校庭を芝生化したい学校を募集したが、芝生の管理が大変ということで手をあげる学校は少なかった。
    そういったことを試みたこともあったことから、林業試験場から提案をいただいて、群馬県に適した間伐の仕方を研究できれば良いと思う。
    それからカ-ボンニュ-トラルに関連して、森林のあり方をどう考えるかということもあるだろうと思っている。
    次第にある「5.その他」で、委員の皆様にお諮りをしたいことがある。
    林業試験場の来年度の研究に調査を組み込むことができれば、ぐんま緑の県民基金から研究費を支出してもらうことを提案したい。これは、後ほど検討したい。
    他に委員から質問はあるか。
  • (委員)
    特になし
  • (議長(西野委員長))
    それでは協議事項に入る。「令和4年度市町村提案型事業の採択について(独自提案事業)」説明をお願いする。
  • (事務局)
    「令和4年度市町村提案型事業の採択について(独自提案事業)」を資料6より説明。
  • (議長(西野委員長))
    この協議事項については、事務局で審査し、県民基金事業の趣旨に沿っていると判断したうえで、この委員会に提案をいただいているところである。
    委員から質問はあるか。
  • (西村委員)
    クビアカツヤカミキリ対策事業について薬剤注入の計画が提出されており、今後被害が拡大し薬剤注入のみで対処できなくなった場合、伐採や植栽が必要になるかと思うが、市町村より申請があれば、それを独自提案事業で実施していく事も可能か。
  • (事務局)
    植栽については、森林環境教育の一環で実施するのであれば採択ができる。被害対策として伐採という手段もあるが、現在は費用対効果の観点から、効果的な薬剤注入を中心に考えている。市町村から様々な要望があがってきていることは、県も承知している。
  • (西村委員)
    被害拡大を防ぐという点では伐採して焼却したほうがいいのではないか。クビアカツヤカミキリ対策は、伐採までセットで実施したほうがやりやすいのかもしれない。
  • (議長(西野委員長))
    第3期目に向けていろいろな議論をしなければならないが、都市緑化については、現時点で、ほとんど議論をしていない。
    また今の枠組みの中では、都市緑化に関してぐんま緑の県民税のお金は、使えないことになっている。
    クビアカツヤカミキリ対策については、薬剤注入は実施しているが、伐採は実施していない。
    第3期目に向け、都市緑化の観点から考える必要があるのではないかと思っている。このぐんま緑の県民税の大きな使途は、放置された人工林の間伐整備であったが、それも進捗してきている。目標の10,000ヘクタールには届いていないが、それと同時にクビアカツヤカミキリ被害の問題も出てきた。例えば、森林環境教育の中で子供達に桜の苗木を植え、育ててもらうのは可能であり、子供達が従来から地域にあった桜を改めて植樹し、育てていく中で都市緑化を進めていく方向で動いているわけであるが、それを第3期でどのように考えるかということも、後ほど議論できればありがたい。
    他に委員から質問はあるか。
  • (委員)
    特になし
  • (議長(西野委員長))
    それでは、「令和4年度市町村提案型事業の採択について(独自提案事業)」評価検証委員会として承認する。
    残り時間を第3期目について議論したい。2年後の第3期に継続するかどうかをこの場で議論し、我々の意見を出していく必要がある。第2期に入る際は、この委員会で決定し、委員長が知事に答申した。
    国の森林環境税が、令和6年度から始まり、国民から1人1,000円ずつ課税されることになる。しかし、既にぐんま緑の県民税で700円が課税されている。
    国の森林環境譲与税導入に伴い、国から交付される8億円で、どこまでなにができるかを見極めなければいけない部分もあるが、ぐんま緑の県民税を廃止、或いは減額をするのか、現状を維持しながら県民に負担をしていただいたことが、結果としてリターンできるような政策を考えていくのか、その部分を議論しなければならない。
    県や、議会の考え方もあるかもしれないが、県民からお預かりした税金が無駄に使われることがないよう監視するのが、この委員会の役割である。ぐんま緑の県民税が有効に使われるということが非常に重要であると思うので、そういう観点から色々と意見交換ができればと思う。
    委員会としてどのようにまとめるかについては、新年度に入り事務局とも相談しながら進めていきたいと思っている。
    その前に林業試験場長から間伐のあり方についての研究の話があったが、これまでは、林業的な間伐をやってきた。
    これは木材1本1本がより付加価値がつくような育林をするということであった。この中で、どういう間伐のあり方がいいのか、どの程度の間伐強度がいいのか、研究する必要があるいうことであった。
    これについて何年かかるかはともかく、むやみやたらに間伐をやっているわけではないが、今までは間伐後の山林の整備の方向性がなかったため、この林業的な考え方でやってきたということだと思う。そのあたりの調査研究を林業試験場で是非お願いしたいが、いかがか。
    現地視察に行かれた方は、ご覧になったと思うが、急斜面の林業にそぐわないところを間伐する。
    そのあとどうするのかの議論が何もないのが現状である。現地調査の際には、西村委員から、森林のデザインあり方などの意見をいただいたが、林業従事者はお金になる木を植えるのが当然であるため、広葉樹はお金になるのか、ならないのかということもあり、針葉樹を植えるのが優先的に行われてきた。
    一方で、人工林はすべて広葉樹に変えるという考え方もある。それが山村の経済につながるならよいが、今までそういったところがなかった。
    森林環境教育の実施状況報告の中で、上野村の木質ペレット工場見学の報告があったが、木質ペレットはいろいろな樹種を使えるため、山村の振興にもなるし、現代の木炭と考えれば、都市と山村の経済をつなげることができる。
    都市部において、ペレットストーブの普及を政策的に進めていくことはできないか。高崎・前橋など都市部でペレットストーブを利用してもらうための政策が、結果として山村で生産される木質ペレットを消費するということになっていく。
    これを群馬県の産業としてどう育てていくのか、県として考えてもらわなければならない
    県内のペレット製造工場は、上野村以外にもあるのか。
  • (林政課長)
    みどり市にある。
  • (議長(西野委員長))
    旧村だとどこか。
  • (森林保全課長)
    旧勢多群東村のわたらせ森林組合である。
  • (議長(西野委員長))
    そういうところで生産した木質ペレットを都市部の人達に使ってもらう流れをつくることも必要ではないか。そのため、第3期目に向けてクビアカツヤカミキリ対策の問題や間伐の方向性を研究しつつ、間伐した森林が、お金に代わるような森林のつくり方などを考えていくことも非常に重要だと思う。
    昔は広葉樹が木炭の材料になったため、需要があった。
    しかし、戦後の高度経済成長の中では、木材価格が高騰したため、スギやヒノキが中心となった。
    これからは、地域できちんと地産地消できる形も作らなければいけないと思う。
  • (森林局長)
    第3期目に向けた県民税の考え方と森林・林業についての考え方を説明させてもらいたい。
    県土の面積の7割ほどが森林である。その内、民有人工林が約110,000ヘクタールである。その中には、経営による森林整備が可能な箇所、すでに成長し、手入れをしなくてもよい箇所の他に、奥地等で、森林経営が成り立たない森林が、約20,000ヘクタールある。
    当初はその約20,000ヘクタールを公益的機能を発揮させる目的で、ぐんま緑の県民税を導入し、整備してきたが、第2期目に入る際に森林環境譲与税の話もでてきた。
    そこで森林環境譲与税と棲み分けをして、第2期目については、約10,000ヘクタールの手入れがされてない奥地等の人工林を対象に整備をする。という考えで進めてきた。
    1期目で3,500ヘクタール整備し、2期目でも3,500ヘクタールくらい整備しても、目標の10,000ヘクタールは届かないので、残りの約3,000ヘクタールを整備するため、3期目を継続させてもらいたいと知事には説明をしている。
    森林環境譲与税とのすみ分けをしているが、現在個人の方から700円、企業から県民税均等割の税額の7%相当をいただいており、それを継続するのか、減額するのかについては令和4年度で、決めていかなければいけないと思っている。
    基本的には第3期目も目標の約10,000ヘクタールの森林整備を進めていきたいので、是非継続させていただきたいと思っている。
    所有者に森林を経営していただくことが税金を多く投入しなくて済むが、戦後の復興期を過ぎて国産材が安くなり、森林に手を入れられなくなってしまった現状がある。
    そこで、ぐんま緑の県民税を26年から導入させてもらったが、基本は経営で成り立つ森林にしていくことである。
    しかし、全て経営で成り立たせるのは困難である。なるべく傾斜が緩いところで経営を中心にやっていきたい。ただし、傾斜が急であっても機械の発達により、経営できる方法もある。そういうところも含めて、総合的に検討していきたいということで、基本計画の中でゾーンニングをして進めている。
    例えば、里山に近くて傾斜が緩いところは、なるべく早く育つ木を植えて、経営としてやってもらいたい。ぐんま緑の県民税で整備するような奥地の森林より少し手前のところは、全て経営でという訳にはいかない。しかし、中には使い勝手が悪いと言われている太かったり、長かったりする木にも価値があり、体育館や集会所などに利用できることがあるため、今まで管理ができていなかった大径木の管理を進めている。
    なお大径木は、林業試験場で調査してもらっているが、それも併せて経営で回せるようにしていきたい。
    ただし、もっと奥地へいくと経営がなかなか成り立たないので、なるべく手間がかからないようにするため、ぐんま緑の県民税で強度間伐を行い、広葉樹も育つような多種多様な森林に持っていくよう事業を進めているところである。
    将来的には、経営で森林をまわすことにより地元の資源を使って、地元の経済がまわるように、循環させていきたいと思っている。それは5年や10年では難しいので、もう少し先になるが、そこにもっていくための計画を森林・林業基本計画でまとめている。
    そのためにも、ぜひぐんま緑の県民税の第3期目も継続させていただきたい。ただし、中身については見直していかなければならないと思っている。それと森林・林業の考え方は、基本計画に基づいて経営でまわしていけるように、まずこの10年で見直して下地を作っていきたいと考えている。
  • (議長(西野委員長))
    経営で山をまわすのは相当面積を持っている方であれば可能かもしれないが、現実は簡単ではない。森林資源はどんどん増えているが、使ってもらえない。
    工務店等の都合でそうなっていると言った方がいいのかもしれない。特にカナダから日本向けのJブランドといった製材したものを商社が買ってきて、ハウスメーカーに販売している。その流れに対して、日本の木材流通の近代化が、遅れていると思っている。
    もう少しそこを近代化させないといけない。昔ながらの木材流通では、いけないと思っている。現在は日本の木材より外国の木材の方が高い。どんどん木材の値段が下がっているだけで、ウッドショックといっても反動はなかった。ロシアショックもあると言われているが、山村にはプラスの影響が出るようには見えない。ウッドショックもそうであったが山は動いていない。在庫を抱えている製材業者は儲かったかもしれないが、そうでない人たちは、なかなか厳しい現状である。
    そういう状況であるが、森林局長からは、第3期も継続したいという、県の要望が出てきた。また、国の森林環境譲与税との棲み分けをどうしていくのか等については、来年度議論をしたい。
    私の提案した木質ペレットの問題も、山村から人がいなくなってしまうと、担い手がいなくなってきてしまう可能性がある。山村に人を留まらせるには、そこに産業がないといけないと思う。木質ペレットは、現代の木炭であるが、木炭も山村の人たちが先に木炭を使ったわけではなく、都市部で先に利用していた。山村の人たちが自分たちの家で木炭を使うのは、一番後回しだったという歴史も踏まえて、道筋ができればよいと思っている。
    せっかく皆さん、本日出席していただいているので、黒田委員から発言をお願いします。
  • (黒田委員)
    第1期、第2期と続けてきたことを第3期までやって、結果を出すことは必要だと思う。木質ペレットを生産し、産業化して都市部で利用するというそこだけに焦点を当てても経済はまわらないと思う。産業構造や人々の暮らし方が変わってこないと、それは生かせないと思う。
  • (議長(西野委員長))
    上野村は助成金を出して村民にペレットスト-ブを普及させている。それを、群馬県の都市部でもできるようにすればよい。また高崎の企業の中には、物を燃やした時にCO2をほとんど出さない装置を作っている企業もある。県内にペレットスト-ブを生産しているという企業は聞いたことがないが、ベ-スを持っている企業はあると思う。そういう中で、産業振興をやらなければならない。そして、山村で原料を生産してもらう。そんな流れができれば、良いのではないか。
    草場委員からいかがか。
  • (草場委員)
    市町村提案型事業は継続の事業が多いが、一方で独自提案事業は、1箇所につき1回限りの整備というように、条件がついている。事業によってその継続のあり方が違っているというのがあるが、クビアカツヤカミキリの問題だと、1箇所につき1回限りの整備という条件では問題解決ができない中、第2期で終わらせてしまうのは、課題を残したままになることが懸念される。
  • (議長(西野委員長))
    高草木委員いかがか。
  • (高草木委員)
    過去の委員会で、森林環境譲与税の使い途と、ぐんま緑の県民税の使い途が違うとの説明があったと思う。そういう意味では使い分けをしながら継続する事業と、森林環境譲与税で対応する事業とに区分する必要があると思う。
    一方で課題となるのは、森林環境譲与税の1000円が新たに課税されるといった際に県民の立場からすると、例えばパートさんでいうと1時間働いたお金が、税金として支出されるということになるので、個人的な意見ではあるが、今の700円という金額はどうかと思う。
  • (森林局長)
    ぐんま緑の県民税の導入の際に、既存の事業でできるものは既存の事業で行う。既存の事業で取り組めないところにぐんま緑の県民税を活用して、事業を行うというやり方をさせてもらった。
    継続が多いという意見もあったが、なかなか1年整備して終わりというわけにはいかず、その後、何年か地元での管理を続けてもらうお願いをしてきたため、継続が多くなっている。
    また、県で作成したメニューだけでは対応できないこともあると思うので、ぐんま緑の県民税の目的にあってれば、提案された事業を認める形で独自提案事業を始めさせてもらった。
    また、森林環境税の1,000円であるが、今まで防災のための復興住民税で1,000円が個人の方に課税されており、その復興税が終わるのが令和5年度である。
    その後令和6年度から、森林環境税が課税される形になるので、我々が払う金額は変わらないが、中身が全然違うものが始まるということである。
    森林環境譲与税が始まるときに、ぐんま緑の県民税と棲み分けの話もあり、森林環境譲与税では、なるべく経営でできるところを整備する方針であった。
    自分で手入れができないので、市町村に頼む所有者、自力で整備する所有者、森林組合に頼んで整備してもらうという所有者もいるので、市町村に意向調査をしてもらい、市町村ができるところは、市町村から森林組合などに委託し、森林の経営をしていってもらおうというのが基本的な考え方である。
    ただし経営ができないところは、管理や手入れだけしていく。更に管理できないところは、ぐんま緑の県民税で整備するというのが、大きな区分けである。
    森林環境譲与税も間伐に使われるため、どうしても間伐が重複してしまう。ぐんま緑の県民税の主要事業は間伐であるため、8割ぐらいが間伐に使われているわけである。森林環境譲与税は、使い途が決まってしまっているので、市町村は森林環境譲与税が使えていなくて困っている。ある市町村では、基金にしているようである。
    一方でぐんま緑の県民税の使い途は、柔軟に考えることできる。
    森林環境譲与税の手の回らないところを、ぐんま緑の県民税がフォロ-していくという考え方もあるかもしれない。
    今まで国が条件不利な森林の間伐をやっていなかったので、ぐんま緑の県民税を導入したわけである。
    課税額について当時県議会は、1,200円としたかった。一方で500円という意見もあった。委員会においては、700円の案であった。議会がそれに合わせて700円にしてくれた。
    その時の議論の方法は、県にいろいろな事業案を出してもらい、その中で優先順位を決めて、それを計算すると700円になるということであった。そのような経緯で個人では700円、法人では県民税均等割の税額の7%相当をお願いするということになった。
    群馬県は35番目にぐんま緑の県民税を導入した。当時34県目までは、高いところで1,200円、低い県は500円であった。課税額によってできることを検討した結果、最終的に700円で決まった。その中でも、条件不利な森林を整備することが重要であるため、市町村提案型事業との事業費の比率を2対1でやっていくことに決めた。
    ぐんま緑の県民税の一番の目的が、条件不利地の森林を整備していくことであったが、平地に人口が多いことや、税金を集めてもらう市町村に配慮して、市町村提案型事業により、どこの市町村でも利用できるような進め方をさせてもらった。
  • (議長(西野委員長))
    県民参加型でやりましょうということであった。事業としてはうまく進んできたのではないだろうか。初めはなかなか要望がなかったが、今では幅広く活用されている。
    そして今は全市町村が市町村提案型事業を実施しており、有効に活用されている。
    森林環境譲与税は、国の制度により山林のない都市部でも、人口割でお金が配分されるが、ぐんま緑の県民税は、群馬型の森林環境をどう作っていくかということであると思う。須藤委員いかがか。
  • (須藤委員)
    ぐんま緑の県民税でやってきたことは価値があり、必要なことであるのはこの委員会に出席するようになって理解した。しかし、これを継続するのは生産性がない。
    森林を持っている方が経営をできるようにするには、育てた木が適正な価格で売れるなど循環していかなければ、継続できない状態になるばかりであると思う。
    コロナ禍になって、今までとは違う考え方が必要になり、今まで売れたものが売れなくなった。そのため、別の方法や商売が考え出されたことが、この2年間であったと思う。
    新しい木の消費方法を考えていくことを広く県民から募集するとか、そういった事業に対して、補助金を出すとか、将来的に新しい何かに使われる方向へ持っていかなければならないと思う。
    今の事業が人的に行われているのかはわからないが、例えばAIロボットのような、人が入れないところの伐採もできるような機械などがあれば購入補助するとか、ドロ-ンを飛ばして森林の調査などもできそうな気がする。そういうふうに、未来につながるようにしていくとよいのではないか。
  • (議長(西野委員長))
    田中委員いかがか。
  • (田中委員)
    地元の経済や過疎化対策としての産業がないと山村に人がいなくなってしまうということが懸念されるところである。木育プログラムなどの発想もよいと思った。そういった木を利用して産業とするのも良いと思う。
    ぐんま緑の県民税が導入されるときは、使い途はわかっていたが、なかなか具体的な内容を知る機会がなかった。しかし、委員会に出席して知ることができた。
    ぐんま緑の県民税を過疎対策に使うのであれば、今までの考え方を変えることになると思うので、そのへんも議論していく必要があると思う。個人的には国から森林環境譲与税がもらえるのであれば、ぐんま緑の県民税は必要ないと思う。
  • (議長(西野委員長))
    松下委員はいかがか。
  • (松下委員)
    県内全市町村がぐんま緑の県民税事業を利用していることを踏まえると、必要な事業であると思う。群馬県ではクビアカツヤカミキリ被害の前には、ナラ枯れや松くい虫の被害があった。地球温暖化の影響もあるのか、新たな病害虫被害がでてくる心配もある。
    また、森林がなかなか手入れされていない現状があるので、この先も手入れが行き届くようになるのかという疑問もある。その点も踏まえて、ぐんま緑の県民税事業を継続するのがよいのではないか。
  • (議長(西野委員長))
    西村委員いかがか。
  • (西村委員)
    ぐんま緑の県民税のことを考えるといろいろな意見や要素があることから、継続したほうが良いのではないかと思うが、少し税額を減らしてもよいのではないか。
    国からの森林環境譲与税と間伐の部分で重複する部分がある。県民目線で考えると、どちらか減らせるのではないかというような意見がでることが想定される。だから少しでも税金が安くなれば、納得がいく部分もあるのではないか。
    また、もう少し経営的な面に金を使ってもよいのではないかと思う。経営分野に補助金を出していくという方法もあると思う。
    それから、林業試験場長や森林局長から話があったが、間伐して手のかからない森林にするのは非常に難しい。一度人が手を入れた森林を、手のかからない森林にするのは、かなり困難である。人が一度手を入れてしまうと、延々に手を入れなければならない。
    間伐した後に経営を考えるのであれば、その視点も考慮する必要である。林業試験場長から説明のあった考え方は、まだまだ中間である。経営の考え方は入っているが、生態学的な考え方は入っていない。もう少しここを考えていく必要性があるだろう。
    林業機械の話もあったが、日本は急峻な地形であるため、林業の機械化が非常に遅れている。
    外国は平坦な地形なので、全自動で機械が動いて伐採ができる。ところが、日本は地形が急峻であるため、林業機械の開発が遅れている。開発しようとしたらいろいろなことができると思うが、日本の林業機械の研究は遅れている。
    これからAIなどいろいろなものが出てくるから、そういうものに対する補助金や開発もありうると思う。
    もう一つ言うと、林業試験場にもう少し研究費があっても、よいのではないか。林業試験場でやりきれないということになった場合には、研究を公募してもよいのではないかと思う。研究を公募して、大学や国の森林総合研究所などに研究をしてもらうことがあってもよいのではないか。私は愛知県から研究を引き受けたことがある。研究の公募を検討していただきたい。
  • (議長(西野委員長))
    森平委員はいかがか。
  • (森平委員)
    甘楽町では、すでに森林環境譲与税を使って意向調査等も始めているところである。意向調査だけでは、何の役にも立たないので、そのあとどうするかを考えている。
    森林環境譲与税もあるし、ぐんま緑の県民税はいらないのではないかという意見は最もだと思う。
    税を納める県民にとってみれば、二重に負担をする必要はないのではないかという考えはもちろんだと思うが、行政の立場とすれば、同じ目的で同じ使い方をして、目標が早く達成できるのであれば、たとえ国と県の税金が同じ方向であっても、最終的には県民に役に立つので、よいのではないかという考えもある。
    ただし、一般的にはその考え方を理解してもらうのは難しいと思う。
    国から森林環境譲与税が交付されるのであれば、森林環境譲与税で対応できない事業を県民からお預かりしたぐんま緑の県民税で事業実施するという考え方なら、理解が得られるのではないか。
    クビアカツヤカミキリ被害対策や都市緑化は、森林から遠い地域に住んでいる県民に自分たちの納めた税が役立っているということを実感できる事業であると思う。
    甘楽町でも生活道路沿いの森林を整備して見通しが良くなった。雪が早く溶けるようになって良かった。というように、それがぐんま緑の県民税で整備したというPRをすれば、役に立っているということがわかってもらえる。
    県民の目に見える部分で、ぐんま緑の県民税が使われるように事業を続けていけば、理解は得られるのではないかと思う。いずれにしても税金なので、必ず県民の役に立つことに使われていることは間違いないが、森林環境譲与税と区別化できれば、第3期の必要性に理解が得られるのではないか。
  • (議長(西野委員長))
    木村委員いかがか。
  • (木村委員)
    第2期から第3期に継続するということについて、今までの継続事業をさらに進化させ、拡大する余地があるのではないか。一口に森林の整備とは言うが、例えば道路の安全確保・景観維持・鳥獣対策などにより、県民の安心・安全や利便性も向上できる余地がまだまだあるから、継続して取り組んでいく必要がある。
    それから、太田市は市町村提案型事業により、クビアカツヤカミキリ対策にかかる3000万円の予算の半分を負担してもらっている。太田市には約1万1000本の桜があり、そのうち3分の1は令和4年度に対策を行おうとしている。ただし、薬剤が高いことや、古木だと1本につき30ヶ所くらい薬剤注入を行う必要があるなど、人件費もかかる。そういったことに補助をもらえるのはありがたいことである。これは太田市だけではなく他の市町村も共通していると思う。
    そういった意味で、2年後から導入される国の森林環境譲与税にあわせて、ぐんま緑の県民税の課税額についての議論は必要だとは思う。
    次世代に、或いは2050年のカーボンニュートラルを目指して、5つのゼロ宣言など着実にやっていく上で、県民1人1人がCO2の排出削減や省エネ、あるいは環境保全に力を入れていくというようなことも一つの決意のあらわれだと思う。
    また、そういう目標に対して、税を納税するというような意識を醸成してくことも意味があるのではないかと思っている。
  • (議長(西野委員長))
    委員の皆さんからいろいろと貴重なご意見を頂戴した。来年度に入ってから、第3期目に向けて、どういう方向性を考えればよいのかということをこの委員会で議論していきたいと思っている。
    税額についても、もう一度検証しなおし、700円の課税額が適正なのか、減額をするのか、廃止をしてしまうのかということも含めて、考えていきたいと思っている。
    最後に、委員の皆様にお諮りしたいのだが、林業試験場長より説明のあった、間伐のあり方に対する調査研究については、ぜひ林業試験場でやっていただきたいと思っている。
    試験場にいくら費用がかかるか算出していただく必要があるが、ぐんま緑の県民税から研究費を拠出して、研究をしてもらうことをここで決めたいのだが、いかがか。
  • (西村委員)
    例えば、今年度だと予算の中に1,410,000円が計上されているが、これがこれまでの継続研究の費用という認識でよいか。
  • (議長(西野委員長))
    そうである。今までやっている照度研究に加えて、いろいろな事例を研究してほしい。
  • (西村委員)
    今までの研究だとこの金額だけど、それにプラスする研究を提案して、もう少し研究費を上乗せするという提案でよいか。
  • (議長(西野委員長))
    そういう提案である。いくら必要なのかは県で詰めてもらいたい。林業試験場長いかがか。
  • (林業試験場長)
    西村委員の指摘を踏まえると、間伐によって広葉樹林化して、利用可能なものにしていくのは非常に難しい。国の研究所やいくつかの都道府県でも、広葉樹林整備の手引きだとか、強度間伐の留意点といったマニュアルが出ているが、研究者仲間の情報交換の中では、うまくいっている事例はほとんど聞かない。
    まずは、気候風土が似ている関東近県で状況調査をして、それから公募も含めて研究を計画するのがよいと思う。
    そういう視察、予備調査のような旅費をお願いできれば、新年度に取り組めると考えている。
  • (議長(西野委員長))
    それは県で検討していただければよい。お任せする。委員の皆様、了承してよいか。
  • (委員)
    異議なし
  • (議長(西野委員長))
    それではこの件はお願いする。
    これで委員会を終了する。

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