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令和元年度ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業の評価

更新日:2021年12月6日 印刷ページ表示

 今年度は事業開始から3年目の箇所(令和元年度開始箇所)を第三者機関である「ぐんま緑の県民税評価検証委員会」に評価していただきました。
 評価因子として、2つの視点(実績アンケートと効果アンケート)から補助事業者と市町村にアンケートを行いました。

アンケートについて

アンケートの種類について

1.実績アンケート

 事業を実施した年度ごとに、補助事業者に対して行うアンケートで、事業が採択された計画どおりに実施されたかを尋ねています。
 今回は、令和元年度に実施した箇所についてアンケートを実施しました。

2.効果アンケート(公共性と効果の可視化)

 事業実施後から3年間行うアンケートで、市町村に対して行いました。
 公共性の判断のために事業の効果が地域に対して利益があったかを尋ね、効果の可視化により事業の波及効果があったかを尋ねています。

アンケートの集約方法について

 アンケートは点数評価の(5段階評価と3段階評価)合計により、A判定、B判定、C判定に分類すると共に、自由に記載できるコメント部分を設け、判定因子としています。

  • A判定:取組が特に優れており、模範となり得る
  • B判定:現状の取組が充分である
  • C判定:現状の取組には課題があり、改善が必要

アンケート結果による判定結果

アンケート結果による判定結果一覧表
事業名 箇所数 アンケート結果による判定 備考
内訳 A B C 判定不能
荒廃した里山・平地林 49箇所 箇所数 27箇所 22箇所      
構成比% 55% 45% 0% 0%
荒廃した里山・平地林
【機器の購入】
1箇所 箇所数   1箇所      
構成比% 0% 100% 0% 0%
貴重な自然環境の保護・保全 1箇所 箇所数 1箇所        
構成比% 100% 0% 0% 0%
森林環境教育・普及啓発 10箇所 箇所数 6箇所 4箇所      
構成比% 60% 40% 0% 0%
森林の公有林化 1箇所 箇所数 1箇所        
構成比% 100% 0% 0% 0%
独自提案事業 8箇所 箇所数 6箇所 2箇所      
構成比% 75% 25% 0% 0%
合計 70箇所 箇所数 41箇所 29箇所      
構成比% 59% 41% 0% 0%

評価結果

市町村提案型事業【総括評価】

  • 市町村提案型事業は、県民が税の意義、事業の効果を身近に感じられる事業である。実施市町村による事業評価も全体的に高く、今後も市町村の積極的な事業実施により税への理解を深めてもらうとともに、その目的を達成できるよう期待する。
  • 総じてA評価、B評価と評価が高く、「ぐんま緑の県民税」の趣旨を踏まえた活用と運用をしていただいていると思う。
    一方、人材育成について、課題が示されていることから、森林環境教育・普及啓発について尽力されたい。
  • 近年激化する自然災害を少なくするには、温暖化のストップが重要だと考える。ストップ温暖化も森林政策の一つとして普及啓発できるのではないかと思う。
  • それぞれの事業の取り組みの結果、安心・安全な地域づくりに貢献していると思う。
  • いずれの事業も地域の環境改善のために有効な取組みが行われている。
    事業実施後の維持管理が高齢化などで難しく、次の担い手をどう育てていくのかが課題である。そのため、森林環境教育・普及啓発活動がより重要になってくると考える。
  • 高齢者が多い地域では、維持・管理の継続に向けた支援が必要ではないかと思う。
  • 荒廃した里山・平地林整備については、県内全域において、類似した問題をかかえていることがわかった。事業実施後の維持管理が困難といった課題が多く見受けられるため、事業効果が一過性にならないように、市町村が積極的にコーディネートを行う必要がある。併せて、評価検証については厳密な審査を行い、維持管理が不十分であれば、市町村から指導や提案を行う必要があると思う。
  • 東毛地区においては、特にクビアカツヤカミキリ対策として当事業が有効であった。今後も被害拡大は続くことが予想されるため、被害対応および防除については重要課題としてとらえていく必要がある。
  • 現在、平成31年度に導入された森林経営管理制度や森林環境譲与税の利用も本格化し始めており、森林整備については幅広い事業展開が可能となっている。
    特に昨今は、温暖化による集中豪雨や土砂災害等のニュースを耳にする機会も増えているため、各市町村においては森林が持つ多面的機能を高めるためにも、当事業の積極的な活用推進を願いたい。
  • コロナ禍なのでイベント開催も慎重になるが、親子での森林づくりや、森林ボランティア体験会などに参加してもらい、一緒に汗を流し、楽しんでもらいながら、森林づくりの大切さを学んでもらいたい。
  • 実績調査(事業者)と効果調査(評価者)の区別が明確でなく、だれが効果を判定したのかわからないので、明示できるようにしたほうがよい。また課題についての評価者のコメントがあるとよい。
  • 研究・調査などへの支援も市町村レベルでも企画して、森林整備、獣害、虫害、に対する専門家の育成などが考えられる。

荒廃した里山・平地林の整備についての評価

  • 事業の実施により公共性の効果が高評価となっていることから、当事業の果たす役割の重要性がうかがえ、景観の改善、地域の安全につながっており評価できる。
  • 維持管理の人員不足や高齢化が課題とされていることから、担い手の育成や人員の発掘に
    も並行して力をいれていく必要があると思う。U、Iターン者へのPRなどを検討されてはいかがか。
  • 高齢化などの理由で管理の継続が不透明であるなどの課題はあるものの、当事業によって荒廃した森林の整備や、竹林が整備され、有害鳥獣の出没が減少し、地域の安全確保や事故防止につながり、景観も改善されたところは評価できる。
  • 事業実施により視界の確保や凍結防止の交通安全面、景観面、鳥獣被害軽減など様々な効果をあげており、実施市町村でも評価が高く、事業の成果が認められる。
    一方、事業後の管理が課題となっている市町村も多く、今後も助言や支援等を実施してもらいたい。
    管理費の不足の意見もあるようなので、検討の必要もあるかと思う。
  • 地域住民の安全・安心な暮らしのため、更にこの事業の必要性が高まってくると思われるが、事業終了後の環境をいかに維持管理していくのか、課題は大きい。
  • 高齢化により管理が困難な箇所は、そのまま放置するとまた元に戻ってしまうが、その対策をどうするかが課題である。
  • 獣害対策を目的とした竹林整備や森林整備の事業が多く、見通しが良くなることで被害減少につながっていることが成果としてうかがえた。課題として高齢化による維持管理が困難であるとの意見があるため、事業実施前の協定により管理体制を確立して、事業効果が一時的なものにならないようお願いしたい。
  • 荒廃森林を整備することにより、子供たちの遊び場や、地域住民の憩いの場になるといった、新しい活路を見出すことに成功している市町村も見受けられた点が評価できる。
  • 機器購入について、地元に貸出体制を作るなど工夫し、竹林整備や刈払いの手助けとなるよう、今後の事業実施を期待したい。

貴重な自然環境の保護・保全についての評価

  • 実施された箇所の評価はA評価であったので、事業の目的は達成出来たと思う。
    今まで以上に実施団体の活動を紹介する取り組みも必要であると感じる。
  • 絶滅危惧種の生育環境の保全と環境教育を組み合わせて行うことにより、相乗効果を高めていると感じた。
  • 実施箇所が少ないので、他の市町村からも提案があるとよいと思う。
    「かんな水辺の楽校」は地域の子どもたちと水生昆虫、魚類、野鳥、陸生昆虫の観察会を開催するなど自然環境の保護保全意識を育てている。また、この施設内に生息している絶滅危惧種も多く、その育成環境を保全できた事は評価できる。
  • 県の動植物レッドリストに指定されている生物の保全に関して、成果が出ている点が評価できる。事業の実施主体が少ないため、他市町村においても在来種保全といった観点で積極的な活用を期待したい。

森林環境教育・普及啓発についての評価

  • コロナ禍で思うように開催できなかったことや、開催に苦慮したことについて理解している。そのような状況下で開催できた箇所において、一定の評価が得られた事は評価できる。
  • 新型コロナウイルス感染の影響により、参加者への周知方法など課題があるようだが、参加者には森林の大切さや、森林環境を考える機会となっており評価できる。
  • 新型コロナウイルスの影響により、実施内容の変更や中止が生じた事業もあったが、10件の取り組みの内、A評価が6件、B評価が4件という良好なものとなった。
    自然観察や間伐作業の体験などを通じ、自然の大切さを学んだり、森林環境を考えたりする方が増えたという成果は、大いに評価すべきことである。特に子どもにとっては、野外活動そのものが記憶に残る貴重な体験となったであろう。ある市町村では、森林体験教室を実施する際に、事前に現地視察を行い情報把握に努めたとのことであり、これは安全で質の高い事業を行うために有効な方法の一つと考えられる。
    素晴らしい事業が行われた中で、参加者をいかに増やしていくかという課題を挙げている市町村もみられた。今後、地道な普及活動を継続するとともに、周知方法の見直しや新たな需要の掘り起こしを進めてもらいたい。
  • 体験教育については、現地に集まり開催する必要があるが、人数を制限し開催回数を増やす工夫が必要である。座学については、Webシステムを活用するなど、実施方法を工夫した開催を期待する。
  • 新型コロナウイルスの影響があり事業開催が少なかったのは否めないが、各市町村の教育機関との連携を促す取り組みや事業の広報活動に力を入れる必要がある。
  • コロナ禍の影響もあるかと思うが、参加者を増やすことを課題に挙げている市町村が目立つ。他の地域の工夫したことについて情報共有することで、より良い方法が見つかるかもしれないので、成功事例を情報共有できると良いと思った。
  • コロナ禍により、思うような事業が実施できず苦慮されたようだが、その状況を考慮しても一定程度の成果は認められる。難しいとは思うが、実施方法を工夫して事業をすすめてもらいたい。
  • コロナ禍なので、人を集めるイベントなどは開催が難しいところだが、地域の森林に興味を持ってもらえるよう、引き続き普及啓発活動に力を入れてもらいたい。
  • 新型コロナウイルスの影響が出ている事業への評価を、同じ基準で評価することに課題を感じた。

公有林化についての評価

  • 水源の機能向上を図れるような管理の実施に期待する。
  • 利根川上流域の水源の機能向上のために必要な事業なので評価できる。
  • 本事業は1件と実施団体は少なかったが、A評価であったので事業の目的は達成できていた。公有林の管理によって、いかに水源機能を維持・向上させるかが大切であると思う。
  • 昨今の状況をみると、山間部における大規模な伐採や太陽光発電設置が原因となる災害が多く見受けられる。条件不利地等の広葉樹が主である水源林においては、公有林化による保全が期待されるため、今後は視点を変えて実施していく必要がある。
  • 公有林化を市町村で進めることには限界があり、事業数が少ないのは当然であると思う。例えば、バイオマス発電のための木材を確保するためなど、市町村が公有林化するメリットを考える必要がある。
    この事業はもう少し広くとらえて「公有利用のための支援」などを考えてはどうか。

独自提案事業についての評価

  • 独自提案型事業は各地域の実情に早期に対応できるので、評価できる。
  • クビアカツヤカミキリ対策は、他の事業と比較すると事業費が増えて、県の補助金も多くなることがうかがえる。
    「ぐんま緑の県民基金事業」だけでは対応しきれないものと考え、並行して別の対応も考慮したほうが良いと思う。
  • 評価もA判定と高く、事業そのものは有効に活用していただいていると思う。
  • クビアカツヤカミキリによる被害拡散防止対策として、薬剤注入以外の方法も検討していく必要があると思う。
  • クビアカツヤカミキリ対策については薬剤注入により、ある程度効果があったと認められるが、実施市町村の意見を見るかぎり局所的な対応に加え、放射状に少し広範囲な対策や住民と協働した対策も必要だと感じる。
  • クビアカツヤカミキリの被害が拡大しているため、引続き県が支援してほしい。
  • いずれの事業も管理の継続が課題なのだと思うが、十分に評価できる結果であると思う。
    各市町村が効果的な事業を継続的に提案する必要があると思う。
  • 事業の成果欄に伐倒数や植林数を、クビアカツヤカミキリ対策であれば、薬剤注入木数等の数値デ-タが示されてもよいのではないかと思った。
  • 全体的に公共性に対する効果の評価が低いが、可視性の評価は高い傾向である。可視性の評価が低いと予算はつきにくいという印象もあるが、公共性の効果の高さを意識して、優先される方がよいではないか。

その他意見

  • 市町村提案型事業は、各地域の実情に対応した事業を実施できるので、改めて「ぐんま緑の県民税」をアピールするのに有効であると思う。
  • 作業の省力化なども考えると最新機材(ドローン)などを使用することもあり得ると思う。ハイテクへの対応が、県や市町村で遅れている印象をうけた。
  • 人口減少とともに空き家が増加しており、特に山間集落ではその傾向が顕著である。空き家とともにその庭木や防風林等が平地林化している。宅地内の樹木ではあるが、このような例は今後さらに増加していくので、本事業での対応も必要であると思う。

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