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群馬県海岸漂着物対策地域計画検討会議(第2回) 会議概要
更新日:2022年2月2日
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1 開催日時
令和3年12月21日(火曜日)15時00分から17時15分まで
2 場所
群馬県庁昭和庁舎 3階 34会議室(WEB会議併用)
3 出席者
- 委員:9名出席
- 沿岸県関係者:茨城県県民生活環境部資源循環推進課、千葉県環境生活部循環型社会推進課
- 関係課等:環境政策課、気候変動対策課、廃棄物・リサイクル課、河川課
- 事務局等:環境保全課長ほか3名、委託業者
- 傍聴人:なし
4 議題
- 現状把握調査の結果について
- 発生抑制対策について
- 計画概要について
- その他
5 委員の主な意見・質問
(1)現状把握調査の結果について(資料1)
- 調査範囲のごみを拾ったようだが、時間制限をしていたのか。
(回答)時間は関係なく、調査範囲内のごみは全て回収した。 - マイクロプラスチックの色分類と材質的な関係の解析は行っているのか。発生源が何かまでは追えていないのか。
(回答)両者の関係についてはこれから検討したいと考えている。秋季調査の結果を踏まえて、発生源について合わせて整理をしていきたい。 - 42ページにあるマイクロプラスチックの形状と材質についてのまとめでは、形状と材質の関係は直接的には検討していないので、結論として示しているようなことは言えないのではないか。マイクロプラスチックの発生源が何か、対策は何かといった内容に対して非常に大きな説明力を持つため、形状と材質について検討を加えて欲しい。
(回答)ご指摘の内容を踏まえ再検討したい。 - 資料1の図4-11は谷田川の結果に引っ張られ正の相関があるように見えるが、それほど明確な相関があるといえないのではないか。人間活動との関係について、定性的には分からないが、この結果で示すことができるのか。
また、人間活動の指標としてBODは適切だろうか。BODは単に濃度であるので、人間活動量の大小と直接的に因果関係を結び付けられるのか。様々な調査や文献も含めて、ご検討いただけるとよい。
(回答)環境省の「河川のマイクロプラスチック調査ガイドライン」の中で、BODとマイクロプラスチックの間に正の相関が見られたという記述があるが、他の指標についても再検討したい。 - マイクロプラスチックの調査は、調査結果をもとに、マイクロプラスチックが元は何のごみだったのかを調べ、その発生源を断つというストーリーで計画されているのか。
(回答)調査の結果原因が分かればよいと考えているが、限られたものに対して対策を取るよりは、広く皆に知って貰った上で、皆で対策を取っていくという流れを思い描いている。 - 家庭から意図せず流れ出るごみやマイクロプラスチックは、そのまますべて河川に流れるのか、市町村の浄化処理施設の中でどのくらい回収されているのか、漏れてしまうのか、ということも考えなければならないのではないか。
また、河川でプランクトンネットを使ってプラスチックをすくった際に、比重が小さいものは流れていく可能性が高いが、一部比重が大きいものもあり、沈んでしまうことで採取出来ない可能性もある。そのため、発生源を特定するために、プランクトンネットで採取するのは意味があるのだろうか。
(回答)川を伝って海に流れていくマイクロプラスチックや、河川敷に散乱しているごみが出水時に川から海に流れていくと考えられるが、潜在的にどういったごみが海へ流下していく可能性があるかということを把握するための現地調査だと認識している。
重たいプラスチックは、出水では下流に押し流されていくが、日常的に流れてくるマイクロプラスチックも、河川敷のごみもいずれ海に行くので、群馬県が川を通じて海にどれだけ排出させる可能性があるかを確認するものと認識している。 - 現状把握することはよいが、最終的に河川にどのくらいマイクロプラスチックやごみがあるのかということしか分からないのであれば、少し寂しいように思う。
(回答)川で確認されたごみやマイクロプラスチックの調査結果は、発生源がどこなのかを今後突き詰めていく時に必要になるかと思う。今の段階では、現状把握調査は幅広に現状を捉えるためのものとして、現在の方針で続けさせてもらえればと考えている。 - 実態を把握するための調査は意味のあることだと思う。調査結果を踏まえ、これからも調査を継続していく際に、何をどうしたいのか目的を明確にしてもらう必要があるだろう。
(回答)しっかり受けとめてやっていきたい。
(2)発生抑制対策について(資料2)
- マイクロプラスチックという用語だけが広がるのではなく、どれだけあるのかということを広報・周知する工夫をしていただきたい。
(回答)承知した。 - 最終的に県民のマナーやモラルに委ねることになっている。本気でプラスチックを減らすならば、マナーやモラルだけでは上手くいかないのが現状だと思う。最初からプラスチックを使わない前提に立つといった大転換がないとプラスチックは減らせないのではないか。
(回答)難しい所だが、最後に目指す所を認識し進めていたいと思う。 - レジ袋は有料化で削減されているが、ゼロにはならない。それが現在の日本の文化や生活パターンなのだと思う。モラルやマナーを上げる啓発活動や教育は必要だと思う。
SDGsやサステナブルなど色々な課題を県の中で議論しているということをアピールすることも、1つの啓発活動かと思う。この動きを、多くの県民に知っていただくことが、マナーの向上に最終的には繋がっていくのではないか。 - 啓発活動が弱いと感じる。ごみは高齢者から子供まで出すものである。子供には、学校を通じてきちんとした教育をした方がよいと思う。ひとりひとりが自分事として考えられるようにもっと強いメッセージを出した方がよいのではないかと思う。
- 発生抑制対策について、削減、促進、推進という曖昧な言葉で書かれている。ここ15年で意識レベルが非常に上がってきていると感じており、今、プラスチックごみへの意識が定着すれば、プラスチックの問題が解決するのではないかと感じている。
- 全体を通して、幅広い観点から対策を盛り込んで行こうとしているが、行政はどのようにするのか、明確で具体的な内容や、広報や環境教育・普及活動・啓発の具体的なイメージを計画に入れていただきたい。出来るだけ強いメッセージをいれることを検討いただきたい。
(回答)ご指摘の内容を踏まえ検討していきたい。
(3)計画概要について(資料3)
- 最終的な目標は、マイクロプラスチックをゼロにするのか。もしくは目標数値等あるのか。
- 計画の見直しをする場合があると記載があるが、何らかの目標値や、見直しをするインディケーターがなければ、最初から見直さないことが決まっているように思えてしまう。目標が海岸漂着物を減らすことであれば、海を有する下流の行政の調査結果で実際にごみ量が減ったことをもって、活動の成果とすることも考えられる。設定は難しいが何らかのインディケーターが必須になるのではないかと思う。
(回答)海岸漂着物対策推進地域計画ではプラスチックに主眼を置いているが、全体としてはプラスチックに限らず、あらゆるごみを減らすことで海岸を綺麗にするということが目標である。
また、モニタリングがこれから始まる所で、そういったことから成果指標が出せるのか見極めたい。このため、現時点では数値目標の設定は考えていない。 - 目標が明確でなく、何も目標がないように感じる。何らかの数値目標を設定する方がよいと思う。
(回答)個別の事業の中での目標が出てくるかもしれない。今の時点では、マイクロプラスチックや河川敷の散乱ごみの状況等のモニタリングを継続する中で、適切なラインを探っていきたいと考えている。そのため、目標設定については、先にならざるを得ないと考えている。 - 調査を繰り返しその結果を精査して、目標を明確化していく道筋だけでもあれば、発生抑制対策をする側としても目標が少し見えてくるのではないか。難しいかもしれないが、インディケーターあると分かりやすくなるので、どこまで可能かを含めて検討いただきたい。
(回答)ご指摘の内容を踏まえ検討していきたい。
(4)その他
特になし。
6 結論
指摘事項を踏まえ、地域計画の内容について再検討を行うこととなった。