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平成29年度第1回群馬県いじめ問題等対策委員会開催結果について

1 日時

平成29年8月31日(木)午後1時30分から3時15分まで

2 場所

県庁24階 教育委員会会議室

3 出席者

小磯正康委員長、入澤充委員長職務代理者、福田正人委員、横田正夫委員、横倉美香委員

4 事務局出席者

笠原寛教育長、北爪清教育次長、小笠原祐治教育次長(指導担当)、飯塚裕之総務課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、阿部誠総務課次長、根岸政彦総務課行政係長、荻原孝英義務教育課補佐(生徒指導係長)、齋藤利昭高校教育課補佐(生徒指導係長)、宇津木牧子総務課副主幹

5 概要

(1)開会

(2)教育長あいさつ

 本いじめ問題等対策委員会の設置根拠となっている「いじめ防止対策推進法」は、平成25年9月に大津のいじめ事件を契機に法律が整備されたところである。残念ながら、現在も新聞等でいじめ報道がない日がないという状況にあり、まだまだ対策を進める必要がある。いじめ防止対策推進法では、附則に施行から3年経過した時点で施行状況について検証を行うことが規定されている。これに基づき、今年3月に国の「いじめ防止等のための基本的な方針」が改正されたところである。
 主な改正点に、いじめの定義の見直しがある。いじめの認知件数が都道府県により大きな差があることが問題になっていた。これまで除外されていた「けんか」が、児童生徒の感じる被害性に着目した上で、いじめに該当するかどうか判断されることとなった。また、発達障害を含む障害のある児童生徒や外国人の児童生徒などへの対応も明記された。その他、LGBT(性的少数者)や東日本大震災により避難を余儀なくされている子どもたちへのいじめの問題などが追加された。新たな課題への対応が求められていると認識している。また、本委員会の役割でもあるいじめの重大事態の調査そのものについて、その在り方が問われている点も大きなポイントであると考えている。
 いじめ問題への社会的な関心も高い中、いじめ問題等対策委員会の役割は非常に大きなものがある。本県においても、国の方針の改定に伴い、平成25年度に策定した「群馬県いじめ防止基本方針」の見直しを進めている。この後の議事で、改正案について説明するので、委員からも意見をいただきたい。
 本県では、児童生徒がいじめの問題を自らの問題ととらえ、いじめは良くないことであるとしっかり認識してもらうために、県内すべての学校で「いじめ防止フォーラム」を実施している。このフォーラムでは、県内の小中高特支の児童生徒だけではなく、教師や保護者にも参加してもらい、子どもを取り巻く様々な立場から、いじめ問題について改めて考えるための取り組みとなっている。児童生徒による自主的ないじめ防止活動を、教育委員会としてしっかり支援することで、いじめを許さない気持ちや態度を子どもたち自ら養っていけるようにしたいと考えている。
 群馬県内からいじめをなくし、子どもたちがいじめによって未来を閉ざすことや、将来の夢を狭めてしまうようなことがないよう、引き続き取り組んでいきたいと考えている。
 本日は、委員の皆様と様々な情報を共有し、また、ご意見をいただくことで、今後の県の取り組みをさらに充実していきたいと考えている。

(3)委員及び事務局自己紹介

各委員及び事務局出席者が自己紹介を行った。

(4)委員長の選出

小磯委員が委員長に選出された。

(5)委員長あいさつ

 「いじめ防止対策推進法」が施行されて4年余りが経つが、テレビや新聞などでは、相変わらずいじめの発生が伝えられている。幸いにして、本県において、本委員会での調査は行われていないが、重大事態発生時の対応について、常日頃、平常時から考えていく必要があると考えている。この委員会が重大事態の審議・調査のために開催されないことが一番であると思うが、必要となったとき速やかに調査に着手するためには、平常時の情報共有が大事であると考える。
 また、他の自治体で発生したいじめによる重大事態に対する学校や第三者委員会の調査結果について、被害者あるいは保護者等から、調査結果が納得できない旨の表明がなされるケースも報道されている。こうしたケースは、調査を行う組織と、被害者あるいは保護者との信頼関係が築けていない、コミュニケーションが十分でないことなどが、その一因であると考えられる。本年3月に策定された国の「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」でも、被害者及びその保護者の心情に寄り添った対応を求めていることから、もし本県において調査の必要性が生じた場合は、そのように対応していきたい。
 委員の皆様には、本日のこの情報共有の場で現状などを把握し、意見を交わしていただくとともに、県の取り組みについてご意見をお聞かせ願いたい。

(6)委員長職務代理者の指名

小磯委員長により、入澤委員が委員長職務代理者に指名された。

【議事の一部非公開】

議事に先立ち、小磯委員長から議事(2)「重大事態に関する動向について」及び議事(3)「その他」が個人の権利利益を害する恐れがある案件であることから、群馬県いじめ問題等対策委員会運営要綱第3条第2号の規定に基づき非公開で行いたい旨の発議があり、全委員賛成で決定した。

(7)説明

群馬県におけるいじめ防止対策に係る取組について

義務教育課長が資料1に基づき説明した。

【質疑】

(入澤委員長職務代理者)
 スクールカウンセラーの配置について、全校配置が完了しているとのことだが、配置は1校に1人か。

(義務教育課長)
 1校に1人ではない。現状では、1人のカウンセラーが何校かを受け持ち、中学校であれば1週間に1回程度訪問している。中には数週間に1回という学校もある。

(入澤委員長職務代理者)
 登録されているスクールカウンセラーの人数は何人か。

(義務教育課長)
 163名である。

(横田委員)
 表2「いじめを認知した学校等数(平成27年度)」について、認知件数と解消している件数に差があるが、同年度中に解消していない事案があるという理解でよいか。またそうである場合、平成28年度(翌年度)には解消しているという流れがあると考えてよいか。

(義務教育課長)
 基本的にはそう考えていただいてよい。

(横田委員)
 先ほどの説明では、1年間いじめを認知していない学校もあるとのことだが、それにはよく報告する地域とそうでない地域といった、地域差があるか。

(義務教育課長)
 群馬県では地域による差はみられないが、学校による差はある。

(小磯委員長)
 認知件数等の資料が、例年に比べると簡略化されている。表1を見る限りでは、いじめが増加しているかどうか、傾向が見えない。担当課でどのように分析しているか。

(義務教育課長)
 表1をみると、平成26年度に認知件数が増加しているように見えるが、いじめの認知基準の見直しが行われたためである。見直しを行えば認知件数が増えるので、いじめの件数そのものの増減を分析することは難しいのが現状である。基本的に、いじめは積極的に認知し、組織で対応するという方針をとっている。認知件数の増減を評価するようなことはしていない。学校から認知件数が多く上がってくれば、それだけしっかり児童生徒を見ていると捉え、解消に向けて対応している。

(小磯委員長)
 いじめの定義が広がり、現場の先生が何をいじめ、いじめの疑いと判断するかで差がでてしまう。去年もそうであった。今度からけんかも入れることで、さらに認知件数が変わるだろう。平成27年度では、群馬県内では認知件数は国立を除いて1,725件で、2年ぶりに減少したと新聞でも取り上げられた。しかし一方で全校種計をみると3万7千件以上増加しており、実態がどうなっているのか分かりづらくなっている。基準の見直しで間口を広げたことは良かったが、現場でもどこまでいじめとすべきか判断に迷っている。対策の効果が把握できないという、新たな課題が生じていると思う。取り組みの過渡期にあり、もう少し様子を見る必要があるのだろう。

(福田委員)
 3点ほど伺いたい。1点目は、資料1-2(2)「学校の相談体制の整備」についてだが、以前の委員会でもお聞きしたが、スクールソーシャルワーカーの現状はどうなっているか。というのも、いじめの被害者も加害者も、非常に重大な事態に発展する子は、学校生活だけでなく家庭にも問題を抱えていることが多い。スクールソーシャルワーカーの働きがないと、相談体制が十分に機能できないのではないか。
 2点目は、(3)「児童生徒による自主的ないじめ防止活動」についてである。こういったところに様々な児童生徒が参加するのは嬉しいことだが、積極的に参加する児童生徒の多くはあまりいじめと関係がないのではないか。こうした場にあまり参加してこない、または、参加していて悩みもあるが声をあげられないといった児童生徒が、一番いじめ問題に関係があるのではないか。取り込むことは難しいと思うが、何か工夫している点はあるか。
 3点目は、いじめについては、いじめの被害者も加害者も大変だが、一番困難を抱えているのは、その両方を体験している児童生徒であることが分かっている。もし、いじめの被害と加害の両方を体験している児童生徒がどのくらいいるかデータがあれば教えてほしい。

(義務教育課長)
 まず1点目のスクールソーシャルワーカーのことから回答したい。現在、3つの教育事務所に2名ずつ、計6名を配置している。スクールソーシャルワーカーがいじめの解消に携わったケースもある。
 次に、2点目のいじめ防止フォーラムに参加する児童生徒について、中学生は各学校から1名、小学生はその中学校区から1名が参加している。基本的には代表の生徒が1名ずつ参加している。ご指摘のとおり、こういう場に参加してくるのは生徒会の役員等なので、いじめとは直接関係がない児童生徒が多いということはあると思う。フォーラムにはあくまでも代表としてきているので、その子たちが、各学校に持ち帰って、フォーラムで体験したことを各学級委員に伝え、そこから各クラスに広げるなど、学校全体を取り組む工夫を各学校でしているところである。
 3点目のいじめの被害と加害の両方を体験している児童生徒のデータについては、私どもの手元には調査結果などはない。

(笠原教育長)
 1点目のスクールソーシャルワーカーについて、文部科学省でも全国的に配置を拡大していこうと予算要求などしているところである。群馬県は6人配置しているが、少ないのではないかという話を色々な場面でいただいている。6人の方には広範な形で努力していただいており、学校の要望があればとんでいってくれている。子どもたちのいじめ等の問題行動が、学校の中だけの問題ではなく、家庭環境など複雑に絡み合っている中で起こってくる。貧困や経済格差の問題も含め、これからは学校を取り巻く教育と福祉の連携が、大きなポイントになってくるだろうという認識をもっている。これは知事部局も同じである。教育と福祉の連携をより一層深めるためにどうすればよいか検討を進めているところであるが、市町村が担っている福祉行政や教育委員会など、県庁の中だけに留まらない連携強化が大事だと考えている。知事と教育長または市町村の首長と議長・教育長が一同に介する場面があるので、そうした場で教育と福祉の連携について考えていくような取り組みに力をいれていきたい。
 スクールソーシャルワーカーでなくても、福祉制度を熟知した職員を教育委員会に常勤で配置することができれば、学校も相談しやすいのではないかと思う。人員配置の問題は簡単ではないが、市町村と連携しながら、こうした方法にも取り組んでいきたい。

(横田委員)
 いじめの定義が変わったという話があったが、表1「いじめの認知件数の推移(平成22年度から平成27年度)」をみると、平成22年度から平成23年度は減少傾向、平成24年度に増加し平成25年度までは減少、平成26年度に再び増加し平成27年度は減少になっている。2年ごとの波がある。平成28年度の結果はまだ出ていないが増える予想であるならば、この推移の波の原因は何か。
 またそれには、資料1-2(2)「児童生徒による自主的ないじめ防止活動」の効果が影響しているのか。それとも別の要因か。

(義務教育課長)
 2年ごとの波について分析していないので、はっきり回答できない。まったくの憶測になるが、いじめの定義がはっきりしていない中で、認知件数が下がってくると、本当にちゃんと認知しているのかと心配する声が高まり、見直しが行われ、また数値が上がる。その繰り返しではないかと思う。平成22年度は全校アンケートが初めて実施された年である。アンケートの回答を元にしているので、前年度の事案も含まれてしまうなどして数が増えたのではないか。いじめ防止フォーラムの成果で減っているとは、増えている年もあるので言い切れない。いじめ防止フォーラムの成果と、その後の認知件数の増減がどのように関連してくるかは、はっきりとは言えない。ただ、子どもたちのいじめに対する意識が、フォーラムがなかった頃よりもかなり高まってきているということは言える。

(横田委員)
 数値の結果が出てきている以上は、ある程度なぜなのか考えないといけないと思う。中学校では数値の減り方は、平成22年度から平成23年度で200から300減、平成24年度から平成25年度で100余、平成26年度から平成27年度で200くらい。小学校と比較すると、中学校の減り方の方が少ない。これは定義だけの問題ではなく、中学校に進学した子たちが、小学校から問題を持ち越していて、増減が移行しているということも考えられる。期間も盛り込んでいかないと数値的な読みができなくなる。定義だけの問題ではなく、推移の問題があるはず。先ほどの、解消していない事案は次の年度に持ち越しされているという話ともつながってくると思う。単年度だけで解決しない、複数年度に渡る事案が認知件数を上乗せしている可能性もある。分析していかないと、次の年度の予測もつきづらいと思う。定義があいまいという問題はそれで仕方がないが、実際に上がっている数字をどう読むかということも考えていかないと、調査が生かされないのではないか。

国の「いじめの重大事態調査に関するガイドライン」の策定について

総務課長から、資料2に基づき説明した。

【質疑】

(横倉委員)
 いじめでは被害者側の立場がクローズアップして報道されるが、このガイドラインもそうであると感じる。被害者への対応も大切だが、加害者側の保護者への対応が、実はとても難しいのではないかと思う。加害者への対応についてはどのように考えるか。

(総務課長)
 資料2-2の14ページ「第9 調査結果を踏まえた対応」の中で、加害者に対して個別に指導を行う等の記載があり、調査に関するガイドラインの中では、加害児童生徒への対応については記述されている。加害児童の保護者への対応については、対応しきれていないのが現状である。

(笠原教育長)
 被害者だけでなく加害者にも対応をというのは、非常に大きなポイントであると考える。学校での対応がベースになると思うが、必要があればスクールカウンセラーなどの専門家を活用し対応していきたいと考えている。

(入澤委員長職務代理者)
 第三者がSNSに加害者の情報を流すと言った事例が群馬であったか。大津の事件もそうだったが、第三者がSNSを通して発した情報で加害者が特定されてしまい、問題が全国に広がってしまうという可能性もある。そのあたりも十分に留意しておく必要がある。投稿を見つけたらきちんと対応しないといけない。

(高校教育課長)
 高校教育課で、学校非公式サイト調査監視事業を行っている。民間の事業者を活用したネットパトロールを依頼している。いじめの事案が発生した際はパトロールを強化し、ネット上に被害者、加害者に関する情報の書き込み等があれば高校教育課に報告がある。それに基づいて対処するとともに、学校への助言や支援等を行う体制になっている。

(小磯委員長)
 今のネットパトロールについて、チェックすべき案件の報告はどのくらいか。

(高校教育課長)
 パトロールは常時行っているが、報告のうち、ほとんどが個人情報の流布で、ブログやツイッターに、生徒が自分の顔写真を載せたり、個人情報を書き込んだりといったものである。誹謗中傷やいじめが疑われるケースについては、平成28年度の報告は2件で大きな数にはなっていない。

(8)議事

群馬県いじめ防止基本方針の改定について

義務教育課長から、資料3に基づいて説明した。

【質疑】

(小磯委員長)
 特に注目すべき点、改正の目玉はどこか。

(義務教育課長)
 基本的には国の改正に合わせるための改正である。また、平成25年度以降、群馬県として新たに取り組んできたことを追記している。例えば資料3-3の3ページ目「3 学校支援のための取組」に、特に配慮が必要となる外国人児童生徒や保護者への対応について記述を追加した。4ページ目「(7)いじめ防止フォーラム」もそのひとつである。

【非公開審議】

ここで、小磯委員長から、これからの審議を非公開で行う旨の発言があり、取材者は退室した。

重大事態に関する動向について

高校教育課長から、資料4に基づいて説明した。

その他

 小磯委員長から、本日の議論にかかわらず、いじめ問題全般、委員会の進め方、県の取組状況などについて自由に発言してほしい旨の提案があり、各委員から発言があった。

 (審議は非公開で行われたが、福田委員から子どもの自殺に関する問題について、報道機関等に広く呼びかけたいとの趣旨の発言があったため、当該発言部分のみ会議録を公開する。)

【意見交換】

(福田委員)
 9月1日に子どもの自殺が多いということが大々的に報道されているが、私個人としては、あれは子どもの自殺をあおっていると思う。子どもが「あ、死ねばいいんだ」と思ってしまう。非常にまずい。今年あたりから、大手メディアなどは配慮して違う報道の仕方をしている。メディアが社会問題として取り上げたい気持ちは分かるが、自殺をあおるような報道の仕方ではなく、学校は休んでもいい、悩みを誰かに相談すればいい、そんな子どもの対処能力を引き出すような報道の仕方を検討していただきたい。

(9)閉 会

6 会議資料

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